ND2018 ローレライの力を継ぐ若者 鉱山の町へと向かう
そこで若者は 力を災いとし キムラスカの武器となって町と共に消滅す
しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれ マルクトは領土を失うだろう
結果キムラスカ・ランバルディアは栄え それが未曾有の繁栄の第一歩となる
ND2019 キムラスカ・ランバルディアの陣営は ルグニカ平野を北上するだろう
軍は近隣の村を蹂躙し要塞の都市を進む
やがて半月を要してこれを陥落したキムラスカ軍は
玉座を最後の皇帝の血で汚し 高々と勝利の雄叫びをあげるだろう
約束・・・破っちまったな・・・。 みんな・・・ごめん。
彼は、もう感覚のない手に己の
翡翠の名を持つ彼の言った
そして奇怪なことにもう動かないはずの紅の手がピクリと動く。
まるで、彼らが溶け合い ひとつの
せっかく認めてくれたのに今度は融合だなんて きっと紅は納得しない。
緋はそう思いつつも、それならば自分が消えればいい。そう思い瞳を閉じた。
緋と紅の体が光輝く。爆発のような大きな光。その光が消えた頃、そこには誰もいなかった。
『このままでは我らは助かっても星が死ぬ 今この時我らが力により 彼の者達の時を戻す。
より良い結末へ変えて見せよ。代わりに、星を・・・救え。汝らしかおらぬ』
『時は、汝の生まれた時。彼の者達も共に。汝らには力を与えておこう』
緋は、意識を失う際、そんな声と言えぬ声を確かに聞いた。
だが、緋は知らなかった。
自らと、同じ言葉を聞いた者がいたことを。
時は、緋の始まりへと彼らを誘う。
「こ、ここは・・・?」
一人の人間が、暗い廃墟の中むくりと起きあがった。
起きあがった反動で、緋く、と言ってもグラデーションがかった髪がパサリと肩を滑った。
「・・・髪? なんで長い・・・・・・・あ」
髪の疑問を考える前に、自分の右隣に横たわる人物が全ての謎を解き明かしてくれた。
「アッシュ・・・」
まだ10歳程度と思われる彼は自分と同じ何かの機械の上に横たえられたまま眠っている。
「そっか・・・。俺が始まった場所とか言ってたっけ・・・」
緋である模造品、ルークは最後に聞いたローレライの言葉を思い出しながら呟く。
ここは、自分の始まりの場所、コーラル城。つい先程自分は生まれたばかりなのだ。
「今は俺を造った人達もいないみたいだな・・・」
ルークは辺りを見渡し、耳を澄ませながら呟いた。幸か不幸か、今は誰もいないようだ。
右隣へ目を向けると、規則正しい息遣いと共に目を瞑る己の被験者。
視線を再び正面に戻し、ルークはふと考え込んだ。
「今ここでアッシュを師匠の目の届かない所へ送ることが出来れば・・・」
幸か不幸か今の彼にはそれが出来る。
一人で超振動を発動させられるのだから。
悶々と考え込む傍らで、もうひとつの気配が動いたことに彼は気付かなかった。
「何を考えてやがる?」
懐かしい声に、ゆっくりとした動作で首を右へ向けると・・・。
「アッシュ・・・!!」
彼の亡骸をこの手に抱いたルークは、彼の声に素直に喜びを顕わにする。
以前の彼では考えられないことだったのだが、ルークがアッシュの腕にしがみついても振り放そうとはしなかった。
彼を一人の人間として、認めてくれたのだろう。
そしてその瞳には憎悪はない。
自分がかつて無くした居場所へ戻ることを望むならば、今なら叶うからだろうか。
そしてルークはふと、彼がファブレ家へ戻ったらどうしようか考えた。
このまま見つかって教団で働くか?
それとも自力でグランコクマまで行ってジェイドにことのあらましを話して匿ってもらうか?
どちらにせよ今の状態では大人に縋るより方法はない。
こんな小さな体で傭兵など務まるはずもないのだから。
アッシュの腕を掴んだまま、ルークはそんなことを考えていた。
「おい、いつまでもくっついてないでこっから出るぞ」
「へ?」
突然ルークの手を掴み、走り出そうとするアッシュにそれまでのルークの思考は中断された。
考え事をしていた上に予想もしなかった事態にルークは混乱した。
「『より良い結末へ変えてみせよ』とか言ってやがったからな。これで二人共いなくなればヴァンだって焦るだろう」
「ちょっと待った!その言葉、アッシュも聞いたのか?」
「目が覚める時にな。・・・となると過去に飛ばされた奴は共通してローレライの言葉を聞いているということか」
「? 過去に飛ばされた奴って、俺達だけじゃ・・・?」
「俺達のことは『片割れ』とか呼んでいたローレライが『彼の者達』と言った。
つまり、俺達の他にも飛ばされた奴がいるってことじゃねーか」
「あ、なるほど・・・」
ルークはそういえばと思い返す。
「だがどうもわからん。『このままでは我らは助かっても星が死ぬ』というのはどういうことだ?」
「星ってこのオールドラントのこと、だよな。ユリアのは回避されたわけだし瘴気によって破壊ってのはないはずだし・・・」
ルークはそのローレライの言葉が気になったが、まずはここを脱出しないことにはより良い結末も星の救いも成すことはできない。
そんな時、アッシュは思い出したかのように、出る前にやらないとなと呟いて
自分達が先ほどまで寝かされていた機械の脇にある制御端末であろう機械を弄り始めた。
「え、ちょっと?」
ルークは目の前の状況に困惑しきっていた。
それもそのはず、端末をいじったかと思うと
傍にあった分厚い紙束と共に懐に仕舞い込んだのだから。
「俺のレプリカ情報だ」
ルークはようやく合点がいった。
自分達の情報を消去したのだ。
壊しても再生できてしまうかもしれないと考えたためだろう。
これでもう誰も『聖なる焔の光』の
アッシュは端末を再びいじり、自分の情報が何処にも残っていないことを確認すると
フォミクリーの機械であろうそれに石などを投げつけて傷をつけ始めた。
どうやらフォミクリー装置自体を破壊するつもりのようだ。
意図を理解したルークも加わり、ただでさえ古びた装置がなんとも無惨な姿になっていく。
そして、その機械は煙を吹いて小爆発を起こし、ただの鉄屑になってしまった。
機械を壊せたまではよかったのだがその騒ぎを聞きつけて
レプリカ製造に携わっていた研究員達が慌てて駆けつけてきた。
駆けつけて来てみればフォミクリーの機械は鉄屑になってるわ、オリジナルもレプリカもいなくなってるわで
研究員達は大混乱に陥った。
ヴァンがいないことがアッシュらにとっても研究員らにとっても好都合だっただろう。
混乱に乗じてアッシュとルークはその小さな体を利用して物陰に隠れ研究員をやり過ごし
なんとかコーラル城から脱出することに成功したのだった。
超振動でフォミクリーの機械を壊せば大した音は出なかっただろうという考えは浮かばなかったという。
ヴァンが追手を差し向けてくる可能性が十二分にあったため、二人はともかく身を隠せるところへ行こう
ということになった。だが、全身が身分証明である二人が行ける場所は少ない。
更に言えば旅券がない。コーラル城から逃げてきた彼らはカイツールを通過できないのだ。
それならば交通手段が彼によって手回しされ何らかの形で遮断される前にもう
バチカルの屋敷に戻ってしまおう、と二人は大胆な決断をしカイツールの軍港へと向かった。
問題はこのことがヴァンにバレるのも時間の問題ということ。
旅券がないことはわかっているのだからそこからバチカルへ向かうことくらい簡単に想像がつく。
それは再び
だが、きっと。そう二人は思った。
既に