トレントの森・・・

ブッシュベイビーといった動物たちの鳴き声が聞こえてくる。
森の中にある石版の前にいる一人の男…クラトス・アウリオンは一人の男を待っていた。自分の息子を。
ロイドが自分に勝てなければその程度だったということだ。
だが…おそらく自分は負けるだろう。それだけ自分の息子の成長を感じる。


「クラトス!」

ロイドの声が森に響く。その声に驚き、逃げ出す鳥たちの声も聞こえる。

「戦わなくちゃいけないのか?」

「何を言っている。そのためにここに来たのではないか?」

「でも――」

「迷うな。半端な覚悟は死を招くぞ」

クラトスは腰に携えている炎の魔剣・フランベルジュに手をかける。

「さあ、来い。オリジンと契約がしたいのならな」

「わかった。みんな…ここは俺に任せてくれ」

仲間達が頷き、ロイドとクラトスから離れる。

「一人でいいのだな?」

「ああ」

ロイドは腰の双剣――エンジェルティアを引き抜き、構える。
クラトスもフランベルジュを構える。

「全力で行くぞ」

「俺も手加減はしない」

「それでいい」

その言葉と同時に術の詠唱にクラトスは入る。ロイドもそれに気づき、止めようと走り出す。だが、クラトスの術の方が速い。

「…グレイブ!」

「当たるか!!」

ロイドは真空裂斬を使い、岩の槍を避けながらクラトスの懐に潜り込む。
そして双剣を構え直し、技を放つ。

「獅子千裂波!」

無数の突きと闘気がクラトスを襲う。だがクラトスは突きを剣で全て防ぎ、闘気を左手に装備している盾で防ぐ。

「お前の実力はその程度か!」

クラトスは剣を突き出す。ロイドは剣を交差させこれを防ぐが、突然ロイドに雷が落ちる。秘技、雷神剣である。

「く…」

ロイドがひるんだところへ再び剣を突き出す。さっきの雷より強力な雷――風雷神剣がロイドにダメージを与える。

「負け…るかぁ!」

ロイドも負けじと技を繰り出す。

「驟雨双破斬!」

ロイドの奥義がクラトスにダメージを与える。
今のところ互角。あとはどちらが先に力尽きるかというところだ。
お互いの技が、剣が、お互いの体力と精神力をすり減らしていく。だが、勝負は見えてきた。ロイドが次第に押してきたのだった。
双剣のためか、身体能力の差か。それはわからないがとにかくロイドが押している。

「魔神剣・双牙!」

「くっ…」

二重の衝撃波がクラトスに向かう。盾と剣でこれを防ぐ。が、クラトスが再び正面を見た時ロイドの姿はなかった。

「なっ…」

「ここだ!」

クラトスが声のした方を見る。それは空中。ロイドは魔神剣・双牙を囮にして、飛び上がっていたのだった。

「しまった!」

「これで終わりだ!飛天翔駆!!」

ロイドの剣がフランベルジュを吹き飛ばす。勝負は決まった
ようなものだった。ロイドは剣をクラトスの胸に突きつける。

「とどめを…ささないのか?」

「させるわけ…ないだろ…」

ロイドは息を切らせながら答える。
甘いな…とクラトスは思った。だが、この甘さがあってロイドなのだ。
そして、自分の息子がここまで強くなり、大きくなり、成長したことを嬉しく思う。

「ロイド、お前の勝ちだ。約束通り封印を解こう」

「駄目だ!そしたらクラトスが…」

ロイドの制止を聞かず、クラトスは封印を解く。

(今逝くぞ…アンナ…)




実際クラトスは死なず、戦いを見守ることとなる。
自分の剣と、自分のできなかったことをロイドに託して…。






Fin


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こんな高価なものを本当にいただいて良いのでしょうか?
オリジンの封印での情景に心理描写がついているので読みやすかったです。
本当に素敵なものをありがとうございました。せっかくなので載せさせて頂きました!
ルシオン様、本当にありがとうございます^^


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