脳血管や虚血性心疾患のある方は要注意です

突然死の警告サインを見抜こう!

原因疾患は脳卒中や心臓疾患などの動脈硬化

30歳から64歳の壮年期の死亡者数のうち、8人に1人はその1週間前の時点で健康状態は良かったのに、直接死因から7日以内に病死した「突然死」であることが厚生労働省の人口動態社会経済面調査で明らかになっています。

その死因は脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞を含めた「脳血管疾患」、心臓が血液を送り出せなくなる「心不全」がそれぞれ全体の3割を占めています。次に心筋梗塞や狭心症などの「虚血性心疾患」が続いており、循環器系の病気で死因の大半を占めています。

性別で見てみると、男性が心不全、女性は脳卒中がトップとなっており、発症時の状態は就寝中が最も多く、以下は休養中、通勤・就業中と続いています。

上記のように脳卒中や心臓疾患などの動脈硬化が原因疾患となることが多い突然死ですが、事前に知らせる警告的なサインはあるのでしょうか? 動脈硬化は患部によって病名や症状も違うので、以下にその特徴を挙げていきたいと思います。

胸痛や頭痛など・・・。見逃しがちな突然死のサイン

虚血性心疾患の場合、突然死にいたるまでに起こるサインは、はっきりしています。まず狭心症の場合、大人のこぶしくらいの大きさの心臓を取り巻いている冠状動脈が硬化して、動脈血が供給されにくくなるために、心臓の筋肉が酸素不足になって締め付けられるような痛みを伴います。

心筋梗塞は、狭くなった冠状動脈が血の塊によって塞がれて血流が停止し、心臓の筋肉が壊死することです。これは猛烈な胸の痛みを伴います。安静にしても痛みは治まらず、長時間続くのが特徴です。冷や汗をかき、痛みと血圧の下降により、意識が朦朧としたり、気を失ってしまうこともあります。

心筋梗塞で突然死にならないためには、その危険信号である狭心症の発作を放置しないことです。狭心症の発作には、階段や坂道を上がったときなどに胸痛が起こる「労作性狭心症」と、就寝中に起こる「安静時狭心症」がありますが、いずれにしろ繰り返していると、必ず心筋梗塞になり、突然死のリスクはグッと高くなります。

一方、脳卒中の場合、はっきりとした前兆はありません。脳卒中は脳の血管が詰まって血液が行き届かなくなる脳梗塞と、血管が破れて血液が周囲を圧迫する脳出血とに大別されます。どちらも発作が起こると、意識がなくなったり、口がきけなくなったり、手足を動かせなくなったりします。

その前兆となるサインは、頭痛やめまい、吐き気、嘔吐などですが、それは他の要因でもよく起こりますから区別がつきにくいのです。軽い脳梗塞として、手足の麻痺や運動失調、死や・視力障害、失語などと言った5分ほどでおさまる軽い発作が、大きな脳梗塞の前触れであることもあります。それは全体の5%程度ですが、このような症状が認められる場合には、専門医の視察を受けることをお勧めします。

クモ膜下出血では、脳動脈瘤が破裂する前に血管の神経が引っ張られて、頭痛を訴える例が20%ほどあります。しかし、これも普通の頭痛とことさら違うわけではなく、危険信号として察知するのは難しいケースが多いのですが、普段と違う頭痛を感じたならば、精密検査が必要です。脳梗塞を早期に発見する脳ドック 東京都は、CTやMRIなどの画像検査により、自覚症状のないわずかな病変も見つけることができます。

前出の厚生労働省の調査でも、突然死の前に、全身検体、胸痛、冷や汗、息切れ、首や肩の凝りなどの症状を訴えていた人は多くいます。しかし、これを即突然死のサインとして捉えるのは無理でしょう。体調がいつもと違って、おかしいなと思ったら、早めに医師のアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

高齢でもないのに、なぜ働き盛りに動脈硬化が起こるのか?

心臓疾患にしろ脳卒中にしろ、問題は専門医から注意を勧告されていたにも関わらず、仕事の忙しさのため、結果的には警告を無視する形で発作に至るケースが少なくありません。なぜ、みすみす死を招くようになるかは後で解説していきます。

それにしても、一昔前までは動脈硬化=お年寄りの病気とされてきましたが、なぜ30〜64歳の働き盛りの世代に増えているのでしょうか? それはリスクファクター(危険因子)の介在です。

肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を持っている人が、働き盛りのなかでも少なくありませんが、それらは動脈硬化を促進するリスクファクターでもあります。

見た目には若くても、そんなリスクを持っていて、血管がボロボロになっている人なら、例え30歳代でも突然死の危険性は高いということになります。文字通り突然起こるように見える突然死も、実は体の中でその原因が着々と準備され、起こるべくして起こっているわけです。今こうしている間も、私たちの体の中でその原因が準備されているかもしれないのです。

過労が引き金になることが圧倒的に多い

働き盛りの突然死を語るとき、いつも取りざたされるのが、過労との関連です。死後の周辺調査によると、過労が突然死の引き金になる場合が圧倒的に多いからです。問題なのは、働き盛りの過労の場合、それが仕事と密接に結びついていることです。前述のように、専門医の警告を無視して突然死にいたるケースが後を絶ちません。

専門家の多くは、「周囲の人から見れば、当人は自ら死への道を選んでいたように見えるのですが、誰も好き好んで死ぬ人はいません。当人にすれば過労から逃れようにも逃れられない状況にあった」と指摘しています。

いくら動脈硬化のリスクファクターを持っている人が増えているにせよ、その人たち全員が突然死するわけではありません。むしろ中高年になったら、何らかのリスクがあるのが当然です。それより、仕事上の過労が誘引となって、本来なら10〜20年先に出るはずの致命的な症状が、現在に出るのが問題なのです。

では、なぜその過労から逃れられないのでしょうか? 日本では仕事に忙殺されることがビジネスマンとして有能である、という考え方が未だに根強く残っています。日本特有の長時間労働も深夜残業も、それが根っこにあります。

仕事の量以外に質の問題もあります。コンピューターのソフトウェア技術者はストレスの高い職種といわれていますが、それはコンピューター相手の独特のテクノストレスが原因だと説明されてきました。しかし、よく調べてみると、実態はシビアな納期が繰り返される労務上のストレスの方が大きいことが分かったのです。

商品であるプログラムには具体的な形がありません。そのために納期直前に完成したプログラムは、顧客からクレームをつけられることが多くあります。終わったと思っていて安心したところで、またやり直し。しかも仕事の性格上、他人のサポートは受けにくい。こういう形で心身ともに追い込まれてしまうのです。

これは新種のストレスでもなんでもなく、明らかにノルマにしばられた旧来型のストレスといった方が当たっています。そういうことなら、コンピューター技術者やSEに限らず、多少の軽重はあるものの、多くのビジネスマンが同様のストレスを抱えていて、喘いでいるのではないでしょうか。

ドラッグストア、調剤薬局、病棟勤務をはじめ、治験業界、製薬会社のMR(医薬情報担当者)など、薬剤師の資格を活かせる仕事の内容、転職や再就職をするうえでのポイントを解説しています。6年制薬学部の卒業生で大量の薬剤師が誕生しようとしている今日、現役の方はスキルを磨いておくことが大切です。

Copyright 突然死の医学−危険信号を察知するために 2010