名古屋三菱重工航空宇宙システム製作所 零式艦上戦闘機52型甲

ヤップ島から回収されて1990年、製造元の三菱で復元された零式艦上戦闘機52型甲。

日本人にとって零式艦上戦闘機といえば・・・・・略して「ゼロ戦」なんてよく言っていますよね。太平洋戦争においては海軍の主力戦闘機として1万機以上生産され、最初こそ当時の最先端最新鋭戦闘機でしたが、これに気を許したのか、軍首脳は後継機の開発を怠って、大戦中〜終戦時にはアメリカの新鋭戦闘機に押されてしまいまいした。特にエンジンの開発に手間取り後継機の就役が間に合わず、最後は特攻機として若い命を散らせてしまった悲運の戦闘機です。

私は幸いこの零戦の誕生した名古屋の近くに住んでいて幼い頃からこの戦闘機には興味があり、(それ以上の愛着も)スケールモデルも多数作りました。考えてみたらすでに日本にある零戦の5機は見ています。最近本家製造元三菱が復元した52型甲を見る機会があり、レポートに纏める次第です。機会があったら全国の零戦を見てみようと考えています。日本には零戦以外にも第2次大戦機が何機か存在しています。出来るだけ見てきてレポートに纏めようと思っております。興味のある方お付き合い頂けたら幸いです。

■零式艦上戦闘機52型甲 平成21年3月9日見学

この機体ですが、ヤップ島から回収されて1990年製造元の三菱重工で復元されました。復元に当たってはオリジナルの図面が幸い80パーセント程度残っていたそうで、図面を元にオリジナルに忠実に再現されました。
従って、国内10機程度ある復元の零戦の機体の中では1番完成度は高いと言えると思います。

この三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所史料室は予約になっています。見学は出来ますが、予約していって下さい。見学の3日前にTelして予約して行きました。

誰もいないかなあ・・・と思ったら数名いて皆さん熱心に見ていました。入口の写真です。

発見された時の状況。

これを復元しようというのですが・・・
エンジンは落ちて主翼は折れ、キャノピーもありません。

素人目にもちょっと厳しいのでは
・・・・???


復元された機体は新造機にしか見えませんでした。

横から。

工場完成状態のようです。
部隊マークはまだ入っていません。
部隊マークは引き渡されてから入れられます。

名古屋三菱の工場で完成した機体は1度鈴鹿海軍工廠に集められてそれから各地に飛んで行ったそうです。


手前に主脚収納装置のディスプレイがあります。

ヤップ島での零戦の残骸。

ちょうど目の前に左主翼付近がありました。この辺は燃料タンクになっていました。向こうに超超デュラルミン製のプロペラブレード1枚があり、持ってみたらズッシリと重かったです。(持って見て下さいとありました。)

ブレードに弾痕が見えています。

オリジナル栄21型エンジン。

見た目には新品に見えました。しかし
動かないそうです。

日本には航空法で復元機は飛ばしてはいけないという事になっているそうです。

確かにコストはかかりますが、飛ぶ飛ばないの差は凄く大きいと考えています。

たとえば生きた人間とマネキン、
大出力で鳴るオーディオシステムと鳴らない単に飾り物のシステム、走らない飾り物の車とエンジンがうなって快調に走る元気な車、・・・・どちらが良いか言うまでもありません。

つくづくこの国は法律でがんじがらめになっているのだと感じました。悲しいです。


■栄21型星型複列14気筒エンジン

排気量:27900 cc
離昇出力: 1130HP

カウリング付近。

プロペラは住友ハミルトンライセンス生産品。直径3.05m。

これを栄21型エンジン1130HPで廻して最高速度565km/hを出しました。

排気管は推力式になっています。

主脚。タイヤは直径600mm、幅は175mmです。内圧は(全備重量2743kg)約3.5気圧入れたそうです。

主脚収納部。当時としては画期的な引き込み式でした。落下式燃料タンク(320L)は空戦時には切り離して身軽になって戦いました。

タイヤ収納部です。内側のカバーはタイヤがメッキの部分に当たりその力で閉じました。(!!)→

零式艦上戦闘機が開発されたのは昭和12年、(1937)当時の戦闘機では主脚は固定式の機体が多かったです。

零戦の前の海軍主力戦闘機の96式艦上戦闘機は固定式主脚で空気抵抗のため速度は遅いものでした。

基本的に艦上戦闘機の為、引き込み式でなおかつ着艦の際の大きな衝撃に耐えられるような強度が要求されました。

零戦は主脚引き込みの際は片方ずつ引き込みました。

写真は主脚引き込みの構造を示したもので動くようになっています。

翼端灯。

拡大するとこんな感じです。
左は赤色、右は青色になっています。

主翼の上には編隊灯があってやはり左は赤色右は青色になっています。

左主翼エルロン付近。

エルロンは羽布張りでした。操縦桿で操作してみましたが、動きは軽かったです。

エルロンばかりでなくラダー、エレベーターも羽布張りでした。この辺に時代を感じさせますよね。

エルロンを操作するジョイント部にはカバーがついています。

着艦フック。

艦上戦闘機はこれがないと空母に着艦出来ません。

限られた長さしかない空母に着艦するのは至難の業だと思われます。(発艦は比較的易しいと思われます。)

訓練に訓練を重ねてようやく着艦出来るようになって1人前になった搭乗員ですが、防弾鋼鈑のほとんどない機体の為数多くの貴重な搭乗員が失われていったのでした。

尾輪。

尾輪は直径150mm、幅75mm
のソリッドでした。やはり引き込み式になっています。

■コックピットは次へをクリックして下さい。

2009.3.20