20年振りの矢ノ川峠越え

あれはそう・・・・20年前の’84年冬の事だった。三重の鈴鹿、津、伊勢のサイクリストがほぼ全員顔を揃えてあの悪路で有名な矢ノ川峠を越えた事があった。その頃私はまだ独身で、当時はまだ650Bの車で走り廻っていた。その前、18歳の頃、やはり一度越えていて、その頃の記憶は定かではなかったが、まだまだしっかりとした道であった事は覚えていた。20年前の時にはまあ、ちょっとは荒れていたが、まだ充分通れたものだった。ところが・・・・・・
90年過ぎあたりに橋が落ちてしまって、今では通行不能という話になっていた。掲示板でその事が話題となり、歩きでしたら問題ないですよ・・・という、情報が寄せられた。今はどうなっているのだろう・・・・?ちょっと興味が湧いて早速最新の地図を買ってバタバタ準備をして日帰りで行ってきた。さて、今の矢ノ川峠の現状はいかに・・・・・?それではレポートをお楽しみ下さい。


越えたくてもなかなか越えられないのがこの矢ノ川峠で、位置は東紀州、高速も飛行場もなく、ある統計によると、東京から時間的に一番遠いのはこのあたりだそうである。私の家からは幸い日帰りが可能なので、早速近くの書店で地図を買って来る。バタバタパッキング、その翌日早朝5時出発した。途中で何か忘れものしたような気がしてチェックしてみると・・・ガーン、なんと・・・・・デジカメがない。充電済みの電池はちゃんとある・・・・?トホホ・・・・まあ、「写るんです」を買えば良いか・・・と気を取り直す。この「写るんです」ですが、馬鹿にしてはイケナイ。耐気候性は抜群で、−40℃あたりでもちゃんと作動するらしい。で早速コンビ二で買って、尾鷲へ。旧道入り口へはAM9時前に到着。さて準備をして、いよいよスタート。

5月29日  旧道入口〜矢ノ川隧道〜矢ノ川峠〜R42大又出合〜矢ノ川トンネル〜旧道入口  走行約25km

旧道入口。まだ道は良い。

素掘りのトンネル

過去2回越えているが、季節はいずれも冬で今回は一番気候の良い5月。久々のパスハンターでゆっくり走って行く。そういえばこの車で前回走ったのは・・・?4月クラブランの時だった。なんか久し振りのような気がする。この道、高峰山の登山アプローチルートになっていて、この日もバイクと軽4に出会った。どうりでしっかり踏まれているはずだ。素掘りのトンネルがいくつかあり、中は涼しい。まあ、短いのでランプの心配は要らない。

1番長い矢ノ川隧道

トンネルの出口。バラスが敷かれている。

26×19あたりの軽いギヤでくるくる廻しながらゆっくり走って行く。今日は雨の心配もなく、絶好の良い天気である。時々下のR42号からゴーという車の通過音が聞こえてくる。それ以外は静寂の世界。風の音や、近くの湧き水の音などが聞こえるのみである。しかし、凄い道である。こんな道がかつての国鉄バスが走っていた道とは到底思えない。国鉄バスが走っていたのは昭和34年までだったらしいが、私が最初に越えたのが昭和46年3月である。ウ〜ン、もう一昔早かったらここを走るバスが見られたかも・・・・・知れない。

遠く賀田湾が見える

所々舗装されていた

矢の川隧道を過ぎてしばらく行くとパッと展望が開けて遠く賀田湾が望めた。しばらく休憩して写真など写す。20年前もここを行っているはずだが、記憶がない。あの時は雪が結構残っていて、ガードなどにつまったりして大変だったので景色どころではなかったのかも知れない。もうすぐ頂上、約9kmで550m上がるのだが、乗れない急な場所では押して行く。
少しだが、所々舗装されていて、これはもしや頂上まで・・・・?と期待したが、残念!!

頂上の様子。見晴らしは良い。ここからなんと
富士山も見えるそうな。

昔茶屋が有った場所。

「冬の日のぬくもりやさし茶屋のあと」
稲田のぶへさんの記念碑

峠はちょっとした広場になっている。

峠にはAM10時半に到着。ちょっと早いが昼食とした。ここまでは良く踏まれた良い道だったが、この先はどうなっているか分からない。ちょっと緊張しながら食べる。さて、スタートと思いきやなんと後輪がパンク。どうやらバルブの根本がダメになったようだ。チューブを交換する。11時半に出発。最初は乗って行けたが、その内道は荒れて来た。土砂崩れの場所もいくつかあり、担いで越える場所もだんだん多くなって来る。下りでも乗れない、というのはちょっとくやしい。カーブを曲がってはっと気がついたら例の橋が落ちた場所に来ていた。

長さ約5mの橋が落ちている。

迂回路から見た所。

ア〜ア、ここかあ!!としげしげと見るが、なんと迂回路がちゃんと脇に出来ていて通行には全然問題なし。フフフ・・・これならばと笑みが漏れる。取り越し苦労、案ずるより生むが易し・・・?そういう格言がふっと頭に浮かんだ。まず車を向こうに渡して写真を撮る。これで安全に越えられる事がほぼ分かり、今日は大収穫。朝5時から遠く3時間もかけて出てきた甲斐もある、というものである。これで71年、84年、04年と都合3回の峠越えに成功。いや、今日はまあ、デジカメなど忘れ物もあったりしたが、なかなか良い日だった。その後はもう余裕でずんずん下って行く。道も良くなって乗れるようになり、ゴーゴーと下って行った。まだまだ日は高い。

R42に合流する前あたり。もう道は良い。

矢ノ川峠年表

昭和9年  尾鷲まで鉄道開通。木本まで鉄道開通。
昭和11年 国鉄バス紀南線尾鷲〜木本運行開始。
昭和34年 尾鷲〜木本間鉄道開通

昭和42年
 大又トンネル、矢ノ川トンネル開通


タイムテーブル

R42P 出発 AM8:50
矢ノ川隧道 9:50
矢ノ川峠 10:30
昼食 10:30〜11:30
R42大又出合 PM1:05
R42P PM1:20

走行時間:約3時間30分

走行上の注意事項
矢ノ川峠までは良く踏まれています
。 峠〜大又までは荒れていて、土砂崩れの現場多数あり。 R42約3km手前で橋が落ちていますが、問題ありません。

この旧道は国鉄バスにより昭和11年〜昭和
34年まで23年間運行されました。

2004.6.6