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2008  TOEI  DEMONTABLE  PORTEUR

フレームを分割するデモンターブルは日本では輪行用として人気がありますが、元祖Rene'HERSEではポーターが最初だった?ようです。この車のアイデアはオーナーが20年前から暖めていたものでトルぺドのコースターブレーキが手に入った事から長年のプランが実現することになりました。フレームカラーはgris gres (砂岩のグレー色)でフランスの伝統色。

今回ご紹介するTOEI DEMONTABLE POTEURですが、日本ではまずめったに見られない貴重な車種になっていると思います。同様の車種として戦後の日本では物を運ぶ為の黒塗りの「実用車」が一般的に使われていましたが、文献で調べてみるとフランスでポーターの使われ方はどうやら新聞配達だったらしくて「Le Parisien」や「L' Equipe」紙などを運ぶ写真が有ったり、また33lbs(約15kg)の新聞を運ぶポーターだけのレースも存在していたようです。今回のTOM2008では数あるTOEIの中で一際存在感のあったのがこの車でした。早速オーナーのgentullioさんにお願いして取材させて頂きました。快くご協力頂きましてこの場をお借りしましてお礼申し上げます。それではオーナーのコメントです。

■1962年ルネエルス氏が店の前で、デモンターブルを分割するデモンストレーションを行っているいる写真を見て、いつかはこのような車種を作 りたいと思ったのがきっかけです。構想を練り初めたのは20年程前で、その時からパーツを少しずつ 集めていました。そして昨年、要となるトルペドのコースターブレーキ が入手出来たのがきっかけで注文に至りました。


■苦労した点
揃えたパーツの持ち込みと数点の資料でオーダーを受けてくれました。 しかし、手慣れたパーツではなく、ほぼ現物合わせでの製作だった為、 苦労したのはオーダー受けてくれた東叡社の方々だったと思います。

■demontableについて
憶測ですが、例の1962年のdemonntableが最初モデルでは ないかと思います。(コースターブレーキを使うことでワイヤー処理を しなくても良いメリットがある)その後、スポーツモデルに発展していったのでしょう。

SPECIAL THANKS: gentullioさん

苦労して入手した"Torpedo"のコースターブレーキ。

今では日本ではほとんど見られないコースターブレーキですが、欧米では比較的好んで使われています。ペダル逆転でブレーキがかかり、レバーも不要でワイヤーなど張らなくて済むシンプルなブレーキです。

美しいヘッド付近。

チューブはReynolds531、ラグはNERVEX Professional、
ヘッド小物はCampagnolo Record Stradaです。

特徴的なハンドルバーは・・・・un known???

ステムのクランプからは戻りが多い為ステム長さはちょっと長めのものが必要になります。ステムはTOEI Original 100mm。

ブレーキレバーはMAFAC Inverse。逆レバーでバーエンドに取り付けられます。左側はコースターブレーキの為有りません。

チェーンホイール付近。

ケースで見えませんが、クランクはStronglight♯54standard。歯はCT's製 シングル1/8で46T。

この車の特徴的なチェーンケースは・・・・un Known???
しかしながら私はてっきりTOEIハンドメイド製かな?と思っていました。凄い良いケースだと思います。

コースターブレーキ付近。

コースターブレーキは前出の"Torpedo" 1/8 。歯数は18T。
日本では単品での入手はちょっと難しいと思います。

ガードのステーはTOEI ステンレスパイプ製、エンドは特製のディレイラーブラケットのないものになっています。充分厚みの有るものでデザインも素晴らしいですね。

サドル。

サドルはBROOKS B17 Competition Standard。
今となっては入手困難、貴重なサドルです。

ピラーはTOEI Original 26.8mm。

特徴的な前キャリア付近。

8mm程度のパイプ製、いかにも丈夫そうな大きなキャリア。文献で調べてみると新聞なんか載せるのは例外なくこの前キャリアになっています。

ガードはLefol Paonの八角のものです。昔は沢山あってキャンピング車なんかに後2本セットで使っていました。

前ブレーキはTOEI Original カンティーブレーキ。

ハンドルバーを前から。

ハンドルバーはun known。ちょっと不明だそうです。形状から散歩やポーター用のハンドルだと思われます。前ブレーキのレバーは優雅なMAFAC Inverse。

ベルはAD-HOC。

ステム。

ステムはTOEI Original 100mm。
よく見るとラグ付きのものになっています。

普通のステムではなくコラムに直接締めるタイプ。ちょっと見えませんが左側にクイックレバーがついていてさっとハンドルを外せるようになっています。

ペダル。

よく見つけましたよね。Lyotard♯53。
一般車用のLyotard ぺダルはなかなか入手困難です。

ブロックダイナモ。

ブロックダイナモはJOS type "P"
いや、恐れ入りました。こんな部品がついていたら気軽には乗れませんね。(笑)

リフレクター。

この優雅なリフレクターはun Known。多分フランス製?イクラ状のレンズが良いですね。

ステーはTOEI original。ご覧のようにスマートな取り付け方です。

ハンガーを左から。

クランクはStronglight♯54。コッタードクランクですが、ナットは袋ナットになっています。

チェーンステーブリッジはガードに合わせて曲がっています。
ポンプはLapize16'。

クイックレバーはCampagnolo Record のストレートですね。

ヘッド付近を左から。

ステムのクイックレバーはこの写真から良く分かります。
ワンハンドでハンドルバーを脱着出来ます。

ハンドルバーのグリップはコットンバーテープ+シェラックニス仕上げになっています。バーエンドはアルミ製のもの。

塗装はフランス伝統色のgris gresになっていて金線引きが施されています。
左のブレーキレバーはコースターブレーキの為ありません。

左エンド付近。

コースターブレーキ"Torpedo"全景。
ブレーキ作動時に大きな力がかかる為?フレームには補強が取り付けられています。

ガードステーの取り付けは専用金具でスマートですね。

リム。

おなじみSuper Champion650B。赤青金ラベル、鳩目あるなし、ローレットあるなしなどいろいろ種類があります。このリムは赤ラベル鳩目付ローレットなしのもの。

タイヤ。

タイヤはI's Bicycleさんの650×42B "Hetre"。
今や42Bは貴重なタイヤになってしまいましたが・・・・???

このタイヤがあるのでしばらくは安心出来そうです。

フレーム Reynolds531 Nervex Professional lug
size:535mm top:540mm
スポーク Roberge 14x16
前ハブ Campagnolo Record
コースターブレーキ Torpedo 1/8 18T
ヘッド小物 Campagnolo Record サドル BROOKS B17 Cmpetition Srtandard
ハンガー小物 Stronglight Ref 34 ピラー TOEI Original 26.8mm
クランク Stronglight♯54 standard ハンドル un known
リング CT's 46T ステム TOEI Original 100mm
ペダル Lyotard♯53 ブリップ Cotton
チェーン Brampton 1/8 ブレーキレバー MAFAC Inverse
チェーンケース un known 前ブレーキ TOEI Original Cantilever
ガード Lefol paon ブロックダイナモ JOS type "P"
タイヤ Grand Bois 650×42B "Hetre" リフレクター un known
リム Super Champion 650B ポンプ Lapize 16'

2008  TOEI  DEMONTABLE  PORTEUR  仕様表

編集後記

これでgentullioさんの車は2台目ということになりますが、いつも完成度の高さには驚かされます。綿密に計算されたスケルトンやセンスの良いパーツアッセンブル、美しいフレーム色など、これで本当にポーター(荷物運搬車)?って感じですかね?(笑)とてもではありませんが、使うのがもったいないくらいの凄い、纏まっていて美しい車だと思います。
例のGAHBを見ると'50年代あたりにはすでにシクロランドナー装備、8スピード(クランクはRene'HERSE Original)のポーターがオーダーで作られていてフランスの自転車文化の高さが伺えて本当に驚きます。パーツもほとんど軽合製で当時の日本の鉄製、黒塗りの重い実用車と比較すると雲泥の差に唖然とさせられます。しかも'62年にはデモンターブル仕様のポーターもRene'HERSEによって開発されています。今回もgentullioさんに全面的に取材ご協力頂き有難うございました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

2008.10.23