NO26

今は大変少なくなってしまったと言うより作っているメーカーもほとんどなく、見かけることは非常にまれになってしまった650Bランドナーです。今やMTBやクロスバイク、はたまた最新のロードレーサーなどでツーリングが行われているのを見かけますが、日本は元々雨の多い国です。
海岸線からちょっと入ると山があり、峠があります。そのような場所でのツーリングは昔からガード付のいわゆるランドナー(日本語では小旅行車と訳されます)が使われてきました。悪路にも十分耐えて走れる太目の650Bタイヤ、雨やぬかるみの汚れから体や自転車を守る必需品のマッドガード、夜でも走行可能な電装品、急坂も走れるようにワイドなギヤ比と確実なチェンジを約束する信頼性の高い変速機などを装備、これほど日本のツ−リングにピッタリマッチしている車がなぜ廃れてしまったのか理由が良く分かりません。

世界的にこの分野では昔からフランスが本場で、従ってツーリング用自転車や用品、部品はフランスのものが定評がありますが、ご多聞にもれず本場フランスでも廃れてしまいつつあります。日本ではもうおなじみ今や世界的にも有名なTOEI社の製品が工作精度や仕上げの丁寧さなど品質では世界NO1と言って良いと考えております。それでは以下オーナーのコメントです。

■作ったきっかけ
長いブランクから覚めて再開した時は大きく自転車界が変貌を遂げていて驚きでした。2台目のランドナーとして体力、運動能力は今後低下して行きますのでそれに見合う構想をたてました。身体も大きくありませんので、650Bのホイールそれも35Bに設定をし、綺麗なフレームスケルトンをめざし、パーツアッセンブルもオーソドックスなもので纏めました。


■作るに当たって苦労話
ある程度のパーツは保管してあったのですが、再開後の自転車界の変貌に不足のパーツをいかに集めるかが課題でした。情報収集や行きつけのショップで時間をかけて何とか入手出来ました。諦めかけていたラージハブもオーダー一ケ月前に入手出来たのは幸いでした。
やはり身体が小さいのでいかにフレームを大きく見せられるのかがポイントでした。そこはトーエイ社の巨匠星野氏のデザイン(設計)で希望のヘッドチューブの長さを伝えるとパソコンを駆使して、思った以上の寸法(トップチューブ水平で)を提示して頂き感動しました。出来上がりは予想以上の美しさでした。さすがですね。

2007 TOEI 650B RANDONNEUR

SPACIAL THANKS: SAKANOさん

オーダーは去年、2006年12月29日でした。
私もオーダーを考えておりましたので、一緒にオーダーに行くことになりました。氏は1度に2台、今回の650Bランドナーと700Cスポルティーフ(次回ご紹介予定です)です。凄いですね。

部品は2台分は持って来られないので前もってTOEI社に送ってありました。早速☆野氏と打ち合わせです。
氏はブランクが約20年ほどあり、サイクリング再開に当たって新車オーダーを決意。きっかけは私のHPだそうで、非常に嬉しいですね。ありがとうございます。

チェーンホイール。

クランクはStronglight49D。リングはSimplex製に見えますが、CT'さんに作って頂いたもの。歯数は44×27。チェーンはREGINA Extra。

このあたりのアッセンブルはオーソドックスですね。
定番パーツで纏めています。FチェンジはSimplex Super LJ。

リヤメカ。

リヤメカはこの当時のSimplexの最高級品、Super LJです。オール軽合、Juy Record60やExport61以降では一番好きなSimplexのチェンジですね。

エンドはロストワックスのTOEIオリジナルのもの。
フリーホイールはREGINA Extra 15×17×19×21×23。
ハブはCampagnolo LFQR 32穴の珍しいもの。



後ろからのビュー。

ブレーキアーチはMAFC♯2000。タイヤサイズは35Bでアジャストの真ん中にシューが来ていてこのあたりがTOEI社の真骨頂、寸法精度が素晴らしいです。

サドルはこれも定番のBROOKS Professional大鋲のもの。ピラーはフジタベルト1型。

テールランプはお馴染みTOEIオリジナル。軽合ブロックから削り出しの非常に手の掛かっている一品です。

マッドガードは今は非常に入手困難なLefolの亀甲のもの。オーナーが特に気に入っていて長年保管していたものだそうです。

ハブ。

LFハブは今は入手困難で、オーダー1ケ月前にやっと入手出来たそうです。Super Champion650Bリムが32穴でしたが、上手い具合に32穴Campagnolo Record LFQRハブが入手出来ました。

ハンドル部分。

バーは日東B132グラン・ランドナーバー。
ステムはGB70mm。バーテープは本革のもの。

ブレーキレバーはこれも定番、MAFACの半パットのもの。
見えませんが、中のニップル止めには割が入っています。

Fキャリア付近。

ヘッド小物はこの当時の定番、StronglightP3。ラグはTOEIオリジナルBカット。

クラウンはAクラウンで肩はフラットのもの。
金線引きがフレームカラーに映えてマッチしております。

ランプはSoubitezの丸型。キャリアのトップはキチッと水平になっております。

タイヤはミシュラン・ワールドツアー35B。

ペダル。

ペダルはCampagnolo Super Leggeri。
クリップはChristophe。ストラップも同じくChristopheのグリーン色のもの。フレームカラーに合わせてあります。

おしゃれですよね。

ダイナモ。

ダイナモは当時は簡単に手に入ったJOS Type P。
私も最初のTOEIランドナーで使いました。小型でスマートで人気がありましたよね。

ステム部分を左から。

ベルはこの当時はポピュラーだったUniversalのチンカンベル。
ヘッド小物はStronglight P3。

マッドガード。

今は非常に入手困難なフランス製・Lefol Le martel(鉄槌で打たれたの意)650Bマッドガード。

昔はフランス製マッドガードも幾種類か手に入りましたが、今はガードそのものが手に入りにくい状況になっております。

2007 TOEI 650B RANDONNEUR 仕様表

フレーム Tube:Raynolds531
Lug:TOEI original
Size:510mm Top:520mm
リム Super Champion 650B 32H
スポーク DT ♯15
ハブ Campagnolo Record LFQR 32H
ヘッド小物 Stronlight P3 サドル BROOKS Professional
ハンガー小物 Stronglight Competition ピラー FUJITA Belt ♯1
Wレバー Simplex Criterium ハンドル NITTO B132
Fメカ Simplex Super LJ ステム GB 70mm
Rメカ Simplex Suoer LJ バーテープ FUJITOSHI
クランク Stronglight49D ベル Universal
チェーンリング CT' 44×27 ブレーキレバー MAFAC
チェーン REGINA EXTRA ブレーキアーチ MAFAC ♯2000
ペダル Campagnolo Super Leggerli ダイナモ JOS Type P
クリップ Christophe ヘッドランプ Soubitez
ストラップ Christophe テールランプ TOEI original
マッドガード Lefol ボトルケージ NITTO Stainless
タイヤ Michelin World Tour 650×35B ポンプ AD-HOC

やや小さいサイズながらも良く纏まっているsakano氏の650Bランドナー。カラーはメタリックグラスグリーン。

編集後記

最近は道も良くなり、昔みたいに650Bの太目のタイヤの出番は少なくなってきておりますが、未だに650Bのタイヤは根強い人気があります。女性や小柄な方の本格的ツーリング用タイヤとして必需品になっておりますね。本場フランスでもこのサイズはもうあまり生産していないようで、年々入手が難しくなってきましたが、幸い京都・I'Sさんで32B・42Bタイヤが入手出来ます。まだまだ少なくともあと20年くらいは入手可能?ということで以前みたいにいつ無くなるかヒヤヒヤしながら使うことはなさそうです。

この車はやはりRene'HERSEのRANDONNEUSEがモデルになっている、と思われますが、’70年代の良き時代の部品を採用して理想的なランドナーになっていると思います。サイクリングの再開にあたって最適な、また最高の車だと思います。今回取材にあたってsakanoさんに全面的なご協力を頂きました。この場をお借りしまして御礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。


2007.8.22