No88 ■特別企画 NC誌名紀行文でお馴染み  

  たかはしひろはる氏の PEGASUS  Randonneur

2015.9.13

「たかはしひろはる」、この名前を聞いて貴方は何を思い浮かべますか?この名前にピンと来る人は、60才前後でかつての(もしくは今でも)山岳サイクリストと呼ばれた方達だと思います。1960年代後半から1970年代中頃までニューサイクリングに数多くの名紀行文を投稿された「たかはしひろはる」氏。彼の紀行文は、あの時代に山岳サイクリングに憧れ、また実際に山を駆け巡った方々には伝説の存在であり、またバイブルだったと思います。とても穏やかで温かく、風景がすぐに目の前に浮かんで来る様な彼の紀行文、そんな彼の紀行文を暗記するほど何度も何度も読み返し、5万分の1の地図と首っ引きでルートを辿っては、いつかは行きたい、早く行ってみたい、と彼方の山に思いを馳せたものでした。きっと数多くのサイクリストが彼の紀行文に憧れて各地の山や峠を目指した事でしょう。

その彼と去年、本当に偶然に長谷川自転車で出会い、レストアされ再度組立てられた彼の旅の相棒であるペガサスをこれまた偶然入手出来た事。また、私の仕事を通じてこれまた偶然にアポイントが取れ、ペガサスを囲んでアイズのT氏と一緒に伝説の大先輩と食事をしながら自転車談義をさせて頂いた事。本当に偶然の連続でしたが例えようもない、夢の様な時間を過ごさせて頂きました。この辺りの経緯は彼自身がニューサイの2014年4月号に書いておられますのでお読みになってみて下さい。このペガサスを見ていると、あの数多くの紀行文の相棒がこの車だったんだ、と胸が熱くなります。そんな車を持てる事、かけがえのない喜びです。今回、このペガサス号の記事の掲載について、「たかはしひろはる」氏ご本人に直接許可を求めました。すぐに快諾して頂き、光栄な事に下記のメッセージまで頂戴致しました。

「さまよえる中高年を、新たな旅立ちへと誘ったペガサス号、 その新たなオーナーと、アイズの親方に深く感謝する」

伝説の大先輩からこのようなお言葉を頂き、感動で胸がいっぱいになりました。「たかはしひろはる」氏に心から感謝すると共に、このペガサスと出会い、また入手出来た事、アイズのT氏に深く御礼申し上げます。

■SPECIAL THANKS: へんりーさん (現オーナーはへんりーさんとなっています)
    
■たかはし ひろはるさん御本人よりのメッセージです。

さまよえる中高年を、新たな旅立ちへと誘ったペガサス号、 その新たなオーナーと、アイズの親方に深く感謝する」

フロント回り。キャリアはやや大き目になっています。ヘッドランプはCIBIE砲弾型。ガードはフランス製LEFOL 650B。

■編集後記

何年か前、アイズバイシクルさんであのたかはしひろはる氏のペガサスランドナーが入荷しているというニュースを聞いて「いや、これはちょっと是非拝見したいなあ・・・・」と思っていてまだお店にあるのかなあ・・・・と思っていました。いつしか忘れてしまって今回の取材と相成った訳です。長年の夢がかなって嬉しいですね。東京・調布の神金自転車商会さんには1回行った事があります。お店は半分に仕切られていて半分が量販店でもう片方がマニア向けのお店になっていました。小生が'行った70年前半あたりではまだCyclo Randonneurが箱入りでショーケースに置いてあっていくつか買ってくれば良かったです。(笑)フレームはここで造っていて治具なんかも置いてありました。当時はツーリング車ではTOEIと双璧でしたね。今のソローニュのFバッグの前は神金製のFバッグや輪行袋なんか愛用していました。今回のこのマシンですが、'NC誌71年9月号にたかはし氏御本人のエッセイで詳しく載っています。ご自分で全部組み立てや分解もされて輪行ですぐキズキズになるので年に1回塗り替えるとかこれ1台しか持ってないので気になるどうしても欲しい部品はお店のご主人に頼んで展示車から外してもらったとか、いろいろ載っていますので良かったら参照してください。今回へんりーさん、たかはしひろはるさんに全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。


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PEGASUS Randonneur 部品仕様表

フレーム  tube: Ishiwatari017 lugs: Nervex Professional
 サイズ  saize:545mm top:530mm
 ヘッド小物  TANGE MA-60
 ハンガー小物  SUGINO DX
 クランク  SUGINO Pro dynamic 165mm
 チェーンリング  Simplex 46×32
 チェーン  Branpton
 Wレバー  Simplex Criterium
 Fメカ  Huret ♯700
 Rメカ  Huret Allvit '67
 ペダル  ATOM ♯120
 トークリップ  Mikashima
 ストラップ  Paturaud
 サドル  BROOKS Professional '67
 ピラー  aluminium 26.8mm
 ガード  Lefol 650B
 タイヤ  Hutchinson 650×42B
 リム  Super Champion 650B
 スポーク  Hoshi Steinless ♯15     Rear right side ♯14
 ハブ  Campagnolo Nuovo SFQR36H
 ブレーキアーチ MAFAC Driver 
 ブレーキレバー  MAFAC
 ハンドルバー  NITTO Randonneur 380mm
 ステム  GB 50mm
 ベル  SONN-NET Green
 ダイナモ  Soubitez 10
 ヘッドランプ  CIBIE
 テールランプ  JOS FCM
 ボトルケージ  ALE
 ポンプ  AD-HOC

←たかはしひろはる氏の名作「濁川温泉から鞍掛峠」の紀行文の掲載誌 73年3月号


自転車ツーリングの分野に「峠越え」のジャンルがあります。昭和40年代、まだ650B全盛ダートの峠越えの時代紀行文最高峰の方はたかはしひろはる氏だと個人的に考えています。氏は西上州、信州、甲州あたりの峠越え紀行文をNC誌に多数投稿、いや、憧れましたね~~~~~~!!是非1度お会いしたいです。今回氏のマシンをご紹介出来ることになり光栄です→



※余談ですが・・・・小生も是非氏のような紀行文を書いてみようと思うようになり何編かNC誌に拙紀行文を投稿、そのうち恒例1月号エッセイの依頼も来るようになりました。最初の紀行文は86年8月号「権兵衛峠を行く」でしたね。氏の影響はいや、大きかったです。

■黄金時代のNC誌たち

■テールランプ

テールランプはJOS FCM。
ちょっと写真がないのですが、ダイナモはSoubitez10になっています。
一般的だった12Nの1時代前のダイナモです。

前ハブ。同じくCampagnolo Nuovo SFQR36Hです。スモールハブは通常6本組なんですが、このマシンでは8本組になっています。リムはSuper Champion650B ローレット付の物。ダート峠越え用マシンなのでフラップを装備しています。

■後ろハブ

ハブはCampagnolo Nuovo SFQR36H。当時はラージハブ全盛時代でアンチテーゼでスモールにされたそうです。そういえば650Bマシンでスモールハブのマシンはあまり見た事なかったですね。

■フリー

フリーはATOM 14~24T5speed.
写真でお分かりかと思いますが、ステーエンドは面白い形状していますね。キャリアのように平らな板がついています。輪行で素早く脱着する為と思われます。

ステム
引上げ棒は廃止して穴は埋めています。フロントアウターストッパーは使用せずにステムに穴を開けています。この工作の話はNC誌に載っていました。

ベルはSONN-NETのグリーン色のもの。カラーバリエーションはいくつかあります。

■ハンドルバー

ハンドルバーは日東ランドナー。幅は380mmとやや狭い当時のバーです。

■ステム
ステムはGBの2インチ。

■ブレーキレバー
ブレーキレバーはMAFAC '60年代の旧刻印昔の物です。
バーテープはVIVAコットンのアイボリー。

■ヘッド部分。

チューブは石渡017で薄目のチューブになっています。
ラグはNervex Professional、優美なコンチネンタルタイプですね。

ヘッド小物はTANGE MA-60というものです。
輪行用クイックヘッドバンドを使用して素早く分解出来るようにしています。

チェンジはHuretですが、WレバーはSimplex Criteriumになっています。
この辺が面白いですね。

ベルはSONN-NET のグリーン。
付けてないですが、ポンプはAD-HOC。

■サドル

サドルは当時の最高級、BROOKS Professional '67年製のものです。サドルは手入れさえ良ければ一生もので長く使えます。写真の個体は型崩れもなく大変良いコンディションのようです。

ピラーは1本ピラーで26.8mmのもの。ヤグラは逆にセットしています。

■ブレーキアーチ

ブレーキアーチは優美なMAFAC Driver。
舟はTOP 63と互換性があります。

小生はCriteriumの方を使用しました。小生行き付けのお店ではDriverは見かけなかったです。

ガードが輪行仕様になっている点に注意。当時まだデモンターブルは日本には存在していませんでした。前フォークを抜く方式が一般的だったと思います。

トランスミッション全景。'67年頃の部品構成ですが正に黄金時代だと思います。研ぎ澄まされた美しさがありますよね。

■チェーンホイール

クランクは杉野プロダイナミックコッタード 165mm。
NC誌'71年9月号にこのマシンのエッセイが載っているのですが「コッターレスになるのはいつの事になるやら・・・・・」と書いてありましたね。

リングはSimplex 46×32 
マシンの元々の完成は'66~'67年あたりと思われ、当時リングは純正しか存在しませんでした。

ペダルはアトム♯120 ラットトラップです。
トークリップは三ケ島M、ストラップはパトロード。


FメカはHuret ♯700 で直付けになっています。

■Rメカ

RメカはHuret Allvit このタイプは'67年製です。
小生も何年か使用しました。丈夫で確実なのは良いのですが、やや重くTOPの戻りがやや悪かったです。全バラしてoilを差して調整してようやく動くようになりました。 キャパシティは28T程度です。

フリーはATOM 14~24T 5Speed。
チェーンはブラントン。