No12  196?   Patterson's House RANDONNEUR

■私のパターソンズハウス訪問記

あれはいつだったか、まだ20代前半の生意気盛りの頃で、知ったかぶりでカンパだの、サンプレだのと言っていた時代の頃の話です。ボーナスが出るとそう、良く東京へ部品の買出しに出かけていました。NC誌に出ている広告を見て、「よしっ!!今回はここだ!!」と神金、東京Cセンター、横尾双輪館、土屋製作所、シミズサイクル、メビウス、ウエハラ、山王・・・・いや、良く出かけて行ったものです。(笑)
でその中で土日しかやっていないへんてこりんなお店があって、「よ〜し、次はここだ〜〜〜!!」と出かけていったのが荻窪にあったパターソンズハウスと言うお店でした。

東京・荻窪にあった当時のお店の様子。
私が出かけて行った時(74年頃)にはSimplexのチェンジコレクションが壁一杯に飾ってあってとにかく凄かったです。

DAZAI氏も見えていろいろお話も出来ました。
私はフランス製のクランクを買いに行ったのですが、TAの3アーム、175mmをGET出来ました。

当時のNC誌の広告にはやはりお店の名前の由来となったイギリスのサイクリング画家、フランク・パターソンのペン画を使って格調高い広告だったのを覚えています。行った時、ベテランサイクリストの方が来ていて、「これと・・・これ・・・ないですか?」と聞いていましたが、DAZAI氏、「これは有りますが・・・・これはないです、また取り寄せておきますから」と丁寧な応対ぶりでした。
目的の長いフランス製クランクを手に入れて意気揚々とお店を後にしたのですが、ここのオーナーのDAZAI氏は戦前からサイクリングをやられている方で、古いNC誌にも出ています。当時は丸紅山口自転車の要職にあって名車、ベニックスを手がけられた・・・・・・と記憶しております。

真横からのビュー。大変貴重なDAZAI氏自身の車。サイズは525mm、TOP530mm。カラーはライトブラウンメタ。

今では大変珍しくて貴重な車になっていると思います。このパターソンズハウスという名前の由来ですが、もうご存知の通り、イギリスのサイクリストで画家のフランク・パターソンに由来していると思われます。この自転車店らしからぬユニークな名前のお店のご主人のDAZAI氏ですが、もちろん、戦前からサイクリングをやられている大先輩です。昔のNC誌をめくると良く登場されていますね。
この小さなお店で作る車は全部フルオーダーでした。私は詳しくは知らないのですが、フランス製部品が毎月コンスタントに入荷していて、在庫は豊富でした。私は1回だけ行ったことがあって、TAの3アームクランク、リングを買うことが出来ました。下にお店の訪問記を載せてあります。そう、1番有名な車はNCTCのM氏の車で、Fキャリアなしのクラブモデルタイプで、Simplex juy 543などアッセンブルしてあって私にとって憧れの印象的な車でしたね。

この車はなんと・・・・DAZAI氏自身の車で、今はNISHIO氏所有になっています。買った時、フレームだけだったそうで、後から全部部品を揃えてアッセンブルしたそうです。部品も今ではなかなか見かけない凝った仕様になっています。写真では分かりづらいですが、シートステーが異常に細くなっています。
上端は約11〜12mm、下端はそう、6〜7mm程度、「これで充分さ」というDAZAI氏の主張が聞こえてくるようでした。それではこのパターソンズハウス・ランドナーをお楽しみ下さい。

パターソンズハウスの名前の由来となったイギリスのサイクリストで画家のFrank Pattersonの画集。1stと2ndがあって完全復刻した貴重な本で買った約30年前当時でも高価な本でした。

驚くべきことにこのペン画のままの風景が今もなおイギリスに残っています。

スターメイ・アーチャーのハブギヤ、BROOKSのサドル&サドルバッグ、GBのバー、ステムなど装備したクラブモデルでイングランドやスコットランドを走ったら・・・・さぞかし楽しいでしょうね。

SPECIALTHANKS: Y・NISHIO氏

チェンホイール付近。クランクはスギノダイナホローの細身のもの。
FチェンジはDIA、ペダルはリオターNo23。

Rメカは’69 Simplexクリテリウム。チェンはレジナ・アメリカ。フリーはサンツアーウイナー。

特徴的なシートラグ付近。シートチューブがそのまま伸びてピラーになっています。ラグはナベックス・・・・ですが、後ろ半分は省略してあります。

シートブリッジ付近。元々は42Bだった・・・のでしょうか?ブレーキはMAFACクリテリウム。細いシートステーに注意。

特徴的なヘッド付近。ヘッド小物は丹下マイクロアジャスト付、ステムはCT’、バーはミルレモ。                   →                    

ランプはこれまた珍しいドイツ製AHA。初めて見ました。

ヘッド部分のUP。剣のマークはなんとか残っていました。

ハブはCampagnolo Nuovo LFQR36穴。組み方はイタリアンですね。

ブレーキレバーは珍しいアルテンバーガー。バーはミルレモ。

ダイナモはこれまたあまり見ないビタルックスでした。

ポンプはアメリカ製・No1。シリンダーが透明の珍しいポンプです。

テールランプはウロに良く似ているドイツ製・AHA。

サドルは・・・見たことがないVELOX。バッグループ標準装備です。

ボトルは可愛いミッキーマウスのもの。 →

Patterson's House RANDONNEUR 仕様表

フレーム チューブ:レイノルズ531
ラグ:ナベックス
サイズ・525mm TOP530mm
ブレーキ MAFACクリテリウム
ブレーキレバー アルテンバーガー
タイヤ ナショナル 26×1・1/2
ヘッド小物 丹下マイクロアジャスト付 リム MAVIC 650B
Wレバー Simplex クリテリウム スポーク ステンレス♯15
Fメカ DIA ハブ Capagnolo Nuovo LFQR36穴
Rメカ Simplex '69クリテリウム マッドガード 本所
チェンホイール スギノダイナホロー サドル VELOX 
ペダル リオター No23 バー&バーテープ ミルレモ  フジトシ皮
クリップ クリストフ(皮付) ステム CT’
ストラップ ビンダ ポンプ アメリカ製 NO1 
チェン レジナ アメリカ スーパーレジェーナ ヘッドランプ&テールランプ ドイツ製 AHA
フリー サンツアーウイナー ダイナモ ビタルックス
ボトル PLUS MICKEY MOUSE ボトル ボトルケージ TA

編集後記

今回は今では大変貴重なPatterson's House RANDONNEURを取材することが出来て大変良かったと思っております。
間近でDAZAI氏製作の車を見たのはお店以外では多分、初めてだと思います。この頃はまだいろいろなオーダー工房があってそれぞれ技術を競い合っていました。DAZAI氏の車は豊富な輸入部品を活用してユニークなアッセンブルの車や軽量車が得意だったような気がします。7kgという軽量ロードレーサーなんかもあっていつかは・・・・と思っていましたが、お店ももう無くなってから久しくそういう意味でこの車は大変貴重になっていると思います。
今回ご協力頂いたNISHIO氏ですが、珍しい車を多数お持ちで、HOTなサイクリストの1人です。まあ、同じクラブに所属しているのですが、(笑)今回大変お世話になってしまいました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。

2006.6.17