196? Raphael  Jeminiani  Course  Route

いかにも黄金期のフランスパーツで組立てられた'60年代初頭のクールス・ルートです。今やめったに見られない貴重な車です。カラーはブルーメタリック。

このジェミニアニはレイノルズ531セットにナベプロラグ、カンパエンドと当時のトップモデルでカンパスポルトエンドから60年代初期に製作されたモデルです。この車に出会うきっかけは当時プジョーのナベプロラグのPX-10に憧れていて、友人からオークションに丁度良いサイズのフレームが出ているけどと知らされたのがきっかけです。ラファエル・ジェミニアニというメーカーはそのときはじめて知りました。

実は有名な方でルイゾンボベなどとツールを駆けていた選手で、後に監督としてチームを率いた時にジャックアンクティルがいたそうです。あちこちで当時の資料を探しましたが、資料は少なくその中でレストアをしました。

フレンチクルスルートでありながら、ツールのトップ選手達はやはりカンパを使用しだした時期の貴重な車です。部品の調達も難しかったのですが何とか全部そろいフレームの塗り替えをいたしました。今回は当時の雰囲気を残して、中古でちょっとやれた感じの部品構成でいい雰囲気に仕上がり、ポリージャポンのコンクールデレガンス、レストア部門で2位に入賞いたしました。

SPECIAL THANKS: discusさん

チェーンホイール。

クランクはStronglight49D。当時の写真を見てもフランス選手は大体このクランクを使用していましたが、Campagnoloが5アームのRecordクランクをすでに'58年に開発、5ピンのこのクランクはだんだんCampagnoloに取って変わられました。

チェーンリングはTA Professional 50×43。6ピンはAlex SiNGERが使っている飾りビスを使用しているようです。
このリングと同じデザインにイタリアの"MAGISTRONI"がありますね。

リヤチェンジ。

リヤメカはCampagnolo Gran sport。言わずと知れた世界最初のパンタグラフ機構を持つチェンジです。それまではタケノコ式やスライド式、ヘリコイド式などでしたが、画期的な性能、長く使用出来る堅牢性、素晴らしいデザインから選手から圧倒的に支持され使用されました。

このモデルはまだアジャスターがついている'52〜年頃のモデル。
この後のモデルではアジャスターがなくなります。

エンドは良く見るとSport用で、テンションスプリング用の穴が見えています。

当時のレーサーは例外なくガード取り付け用のステーアイがついていました。

シートチューブ。

シートチューブにRaphael Jeminiani本人の写真が貼ってあります。フランス人レーサーでTour de Franceにも出場した有名な選手です。得意は山登りだったようで'Tour de France 51'58'59、Giro de ITALY '52'57年山岳賞をそれぞれ取っていています。またTour de Franceで'49〜'55 合計6ステージ勝利していますね。

この写真レストアだそうですが、全然分かりません。凄く自然に丁寧に仕上げて有ると思います。

Fメカ。

Fメカはリヤと揃いのCampagnolo Gran Sport。まだスライド式のチェンジでパンタ式のRecordは'60年頃開発されています。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはMAFAC Dural Forge。当時のトップモデルで'63年には最新モデルの"TOP63"が出ます。

当時のレーサーはイタリアはUNIVERSAL、フランスはこれという具合でした。ご覧のようにタイヤとアーチの間は大きな隙間があります。エンドにはステーアイがあって必要に応じてすぐにガ−ドが取り付け可能でした。

サドル。

サドルは貴重なIDEALE♯52 Professional。この当時はまだ鉄鋲で、銅鋲はこの後に出てきます。ワイヤーは黒エナメル塗装仕上げ。

ピラーはSimplexオール鉄26.4mmのもの、。当然バッジ付です。

シートステー上フタはフランス国旗色に塗られています。

美しいヘッド付近。

チューブはReynolds531、ラグはNervex Professional、ヘッド小物はStronglightV4。この辺はフランス部品で纏められています。

Wレバーはマイナスネジで黒台座、アウターストッパー付のCampagnolo Gran Sport。いや、良く見つけましたね。

ポンプはAD-HOC VENTOLUXEをTOPチューブに取り付けています。

ハンドル付近。

ハンドルはPhilippe。刻印はないものですがProfessionalそのものですよね。
ステムはやはりPhilippeの90mm。

ブレーキレバーはM.A.F.A.C.(ドットマファック)です。
どういうわけか先端が切り詰められていました。

ダウンチューブ。

ダウンチューブの"Raphael Jeminiani"のロゴ。
ウ〜〜〜〜ン、レストアでここまで仕上げてあるのは・・・素晴らしいですね。

タイヤはClement Paris-Roubaixです。

リム。

リムはこれまた貴重なフランス製リムのPIVO。
比較的部品の有った昔でもなかなか見かけませんでした。

スポークは定番のDT♯15です。

後ろハブ付近。

ハブはCampagnolo Sport36H。材質はオールスティール。
スポークの組み方はイタリアンですね。

ヘッド付近。

ラグは金線で縁取りがされていていかにもフランスらしいですね。
ヘッドとシートのデカールの出来は素晴らしいです。

ブレーキアーチの下にはPellisierのタイヤセーバーが取り付けられています。このタイヤセーバーは当時のレーサーに取り付けられていてパンクを未然に防いでいました。

ブレーキアーチはMAFAC Dural Forge。

ハンガー付近を左から。

ペダルはLyotard♯45CA、クリップはAFA、ストラップはLapize。

チェーンステーブリッジにはガード用の穴が開いています。この車には直付けがほとんどなく、ハンガー上のワイヤーリードはCampagnolo。

No42

2008.12.10

196?  Raphael Geminiani  Course Route 仕様表

フレーム tube: Reynolds531
lug: Nervex professional
size: 600mm top 580mm
タイヤ Crement Pris-Roubaix
リム PIVO
スポーク DT♯15
ヘッド小物 StronglightV4 ハブ Campagnolo sport SFQR 36H
ハンガー小物 Stronglight Competition フリー ATOM 14×16×18×20×22
Wレバー Campagnolo Gran sport ハンドルバー Philippe
Fメカ Campagnolo Gran sport ステム Philippe Professional 90mm
Rメカ Campagnolo Gran sport バーテープ Cotton
クランク Stronglight49D ブレーキレバー M.A.F.A.C.
チェーンリング TA Professioanl 50×43 ブレーキアーチ MAFAC Dural Forge
チェーン VITA Special Course サドル IDEALE ♯52 Professional
ぺダル Lyotard ♯45CA ピラー Simplex 26.4mm steel
クリップ AFA ポンプ AD-HOC
ストラップ Lapize タイヤセーバー Pellisier

編集後記

今回またまたdiscusさんにこれこそ黄金期フレンチレーサーの見本みたいな車のRaphael Geminianiを見せて頂きました。この時代のレーサーはフランス、イタリア共に大好きです。まだコンポーネントが確立されてなく、Tour de Franceや世界選手権など国を代表する一流選手でもメカニシャンがそれぞれ勝手にパーツを選んで車を組み立てていました。'60年代にはCampagnoloはチェンジ、チェーンホイール、ハブ、ペダルなどすでに開発していて'68年にレコードブレーキアーチを発表するとイタリア以外の国でもほぼCampagnolo一辺倒になって行って画一的になってしまいました。個人的にはこの前の時代の車が1番興味があり、そういう意味で今回の車は正にその時代の、最も好きなゴールデンエイジの車になっています。discusさんはこれより少し前のタケノコチェンジ、スティールコッタードクランクの車もお持ちでこれも取材してあります。今後に御期待下さい。discusさんには今回全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます、最後まで見て頂いて有難うございました。