No86

2015.7.26

2002  TOEI  Sportif

■編集後記

世の中は摩訶不思議な事が有りまして・・・・・・このコンテンツはそう、小生が見かけた「これは!!」と思うようなマシンのオーナーにお願いして取材をさせて頂くというのがこれまでのパターンでしたが・・・・・・・・・・(笑)話は正月まで遡って例の昭和の森の新春サイクルの集いでI'sバイシクルのT氏から「面白い人がいますよ、一つお会いになってみますか?」 、そんなお話が有って、実際にその方(今回のへんりーさんですが)のお宅にお邪魔させて頂いたらいや、凄いマシンが沢山有って・・・・・いやはや、詳しくは控えますが、兎に角凄い!!の一言でたとえるならば昔四日市に有った別世界(何ですかそれ???笑)で何台かご紹介して頂ける事になりました。今回は最初のマシンです。従って今後何台かご紹介できると思います。乞うご期待!!小一時間お邪魔させて頂いて王道のフランスタイプはもとより国産その他のマシンも拝見させて頂いて愉しい自転車談義もさせて頂きました。オーナーのへんりーさんには今回このTaniguchiさんのマシンをモデルにしたTOEI Sportifの取材に際し全面的なご協力を頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。


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このマシンのモデルとなったT氏のマシンが掲載されたNC誌'85年7月号とそのマシン。ちなみに・・・・小生は木曽で'90年行われたクラブラリーでこのマシンで参加されていたT氏とご一緒した経験(!!!)があります。(写真はNC誌'85年7月号より)

2002 TOEI Sportif 仕様表

■ペダル

ペダルはCampagnolo Record Strada。
へんりーさんはハーフクリップ使用の方ですね。

ハーフクリップはMikashimaです。

■チェーンホイール


チェーンリングは CT's Simplex パターンで50×42です。クランクはStronglight49D 長さは175mm。

このリングは小生も使用した事有ります。美しいパターンですよね。CT'sさんは板の厚さ4mmで充分な強度で精度も良いです。
 

■Fメカ
FDははRメカとお揃いのSimplex Juy 53。

■Rメカ

Rメカは御存知、Simplexの傑作、Juy 543です。ケーブルが2本見えていますが、1本はデテンション用でテンションがちょっと弱いのでチェンジ用とは別のケ-ブルでテンションを取ります。

プーリーは鉄やプラスチックのものなど種類があります。タケノコプルチェーン式としては究極のチェンジでマニア垂涎の的のモデルになっています。

トランスミッション全景。いや、美しいです。一つの憧れの究極の姿だと思います。

■ブレーキアーチ

ブレーキアーチは・・・・・これまた非常にレアなMAFAC TOP63。
小生も今1台に使用しています。アーチワイヤーが切れてしまってTOMODAの複製品を使っていますが・・・・・(ちと長い)このマシンではCompetitionのアーチワイヤーを使用しているようです。
スペアの舟が無いのが悩みの種ですね。


■テールランプ
テールランプはJOS FUです。なかなか入手困難でTOEI製品を使用する方が多いですね。


■サドル

サドルはIDEALE♯90軽合ベース。当初日本に入って来た時はベースの板は厚くて内曲げでした。このサドルはその旧型で今ではなかなか入手困難な製品です

■シートピラー
シートピラーはTOEI original。

シートステーの2本巻は長くて美しいです。

コントロールレバーはL-Juy Simplex。親子レバーになっていて小さいレバーはFront用です。ケ-ブル内蔵のフタはRene'HERSEタイプになっていますね。

■ハブ

ハブはCampagnolo Nuovo TIPO LFQR36H。大きめの丸い飾り穴がクラシックな感じです。


■クイックシャフト

クイックシャフトはSimplexで'50年代の製品ですね。

エンドはザグってダルマのステーストッパーを省略しています。

Fキャリア付近。ヘッドランプはJOS431C。この辺のシルエットはまさにそう、あのTaniguchi号そのものですね。

■ハンドルバー

ハンドルバーはGrand Bois マースバーで上下平行になったものです。

■ブレーキレバー
ブレーキレバーはアーチとお揃いのMAFAC。

ステム付近。ステムはTOEI origina 85mml。バーテープはCottonでシェラックニス仕上げになっているようです。

フレーム   tube: Reynolds531 lugs: toei type Rene HRSE
 サイズ  size:560mm top:540mm
 ヘッド小物  aikoku
 ハンガー小物  Stronglight Competition
 コントロールレバー  Simplex L-Juy
 Fメカ Simplex  Juy 53
 Rメカ  Simplex Juy 543
 クランク  Stronglight 49D 175mm
 チェーンリング  CT's type Simplex 50×42
 チェーン  Renold
 ペダル  Campagnolo Record
 クリップ  Mikashima half
 ガード  Grand bois PJ700
 タイヤ National panaracer 700×28C
 リム  Super Champion Gentleman 700C
 スポーク  Robelgel Trois Etoiles
 ハブ  Campagnolo Nuovo Tipo LFQR 36H
 フリー  REGINA 13×14×15×17×19 5speed
 サドル  IDEALE♯90
 ピラー  TOEI Original
 ブレーキアーチ  MAFA TOP63
 ブレーキレバー  MAFAC
 ステム  TOEI original 85mm
 ハンドルバー  Grand Bois MAES bar Parallel
 バーテープ  Cotton shellack finish
 ダイナモ JOS Type P 
 ヘッドランプ  JOS 431C
 テールランプ  JOS FU

中学生の頃、ブリジストンのSS10という車に乗っていました。高校に入学して超自転車マニアの同級生の薫陶を受け、ニューサイクリングや旅サイなどを読み漁り、カンパだエルスだと、賑やかな毎日でした。そんな時、ニューサイの73年5月号に載っていたU氏のトーエイに強烈な印象を受けました。自分のSS10とあまりにも違う、全身でオーダー車を表現しているその姿に「いつかはトーエイ」、この思いが刷り込まれました。

そんな初恋(?)にも似た思いを抱きながら、根っからの浮気性(笑)のせいか大学生になると車の虜になって自転車の事はすっかり忘れていました。そんな私を再び自転車の世界に引き戻したのは書店で偶然読んだ[ 魔物たち ]という一冊の本でした。その中でも1台の車に強烈に魅入られてしまいました。デザイナーの谷口氏のサンプレの543と53で組まれたランドヌーズです。こんな自転車の纏め方が有るなんて!こんなにも繊細で端正な自転車が存在するなんて!本当に頭を金槌で殴られた様なショックでした。

それと同時に「 いつかはトーエイ」 、すっかり忘れていたこの思いが再びムクムクと湧き上がってきました。谷口号のスペックをコピーしながらも、サイズを自分に合わせたり、自分好みにパーツに変えたりしながらプランをまとめ、ちょうどその頃始まったネットオークションも活用しながらパーツを集めまくって追い立てられる様に完成したのがこの車です。完成した車は谷口号ほどの凝縮された濃密な美しさは有りませんが、それなりに纏まってくれたと思います(谷口号がお手本なので当たり前ですが)。その後は取り憑かれた様に何台もトーエイをオーダーし、アイズさんで古いエルスやサンジェを買い求めてあっという間に家中に自転車が溢れてしまいました(笑)。トーエイの素晴らしさは今さら言うまでも有りませんが、私を再び趣味の自転車の世界に舞い戻らせてくれた谷口号とトーエイに心から感謝しています。


■SPECIAL THANKS: へんりーさん