2008  Grand Bois  700C  Randonneur

端正でオーソドックスな700Cランドナーです。このマシンの最大の特徴は・・・・ラグにあります。TOEI "Eタイプ"ラグフルセットで、憧れのRene'HERSEタイプです。カラーはRHスカイブルーメタリック+金線引き。

まだそう、'70年代の、ダートが多くて道がまだ悪かった頃、ランドナーと言えば650Bが定番で、35Bや42B等が幅を利かせていました。小生も最初と2台目のランドナーはご他聞にもれずに650Bでオーダーして信州など、あちこち走り回っていました。'80年代に入り、道がだんだん良くなり、舗装路が当たり前になると・・・・自然と次のランドナーは700Cでオーダーしようと考えて'87年に700Cランドナーをオーダーして今に至っています。その目論見は見事成功、今や探さないとダートはなくなって、最近はこのような700Cランドナーで走ることが多いです。今回のこのマシンも典型的な舗装路用快走ランドナータイプとお見受けしました。部品選択は'70年代の主にフランス部品でセンス良く纏まっています。Campagnolo Recordラージハブとか、Simplex Super LJなど入手困難な部品もアッセンブルしてあって魅力的な1台になっています。それではオーナーのコメントです。

グランボアをオーダーした目的は、地元京都のブランドで、特にフランスの自転車を強く意識しているという事で決めました。更にヘッドマークがフランスのサンテチェンヌ市の紋章をデザインしたもので、このヘッドマークも大変気に入りました。グランボアのラインナップの中でタイプV(ビンテージ)にあたる車種です。フレームの仕様は一般的なものですが、フランス色を極力表現したく、ラグカットやブレーキ内蔵の蓋、シートステー2本巻き処理等、細かな所の表現に気を配りました。またその工作においては、トーエイ社の最高技術が余す所なく発揮されており、大変美しい仕上がりになりました。幸運にもフレーム塗装前の生地の状態を見ることが出来て、ラグのロウ周りや小物のロウ付け処理等、大変丁寧な仕上げが実感できました。パーツアッセンブルにおいてもフランスパーツを中心に選択し、一部好みでイタリアパーツも交え、出来るだけグランボアオリジナルパーツの使用も考慮しました。残念ながらオーダー当時は700Cのグランボアリムは開発途上でしたので、今後はホイール系の変更を検討中です。

使用目的としては、長距離や舗装路の峠越えを軽快に走れる事とし、出来るだけこの車で色々な所を走りたいので、輪行も視野に入れ1泊程度のツーリングにも使えるように、タイヤ、ギヤレシオを選択しています。車種的にはランドナーに分類されるかと思いますが、私はスポルティーフと思っております。乗り味の方は軽快な走りで乗り心地も良く、ゆったりとしたポジションと相まって、気持ちよく長く走る事が出来ます。パーツ構成で少し手を加えたいところもありますが、これからも長く乗って行きたいと思います。

Special Thanks: EVEREST espritさん

■I's Bicycleさんに生地の状態で送られて来ました。

シートラグ。2本巻きで非常に美しいですね。

ヘッド上ラグ。カットはRene'HERSEタイプです。ブレーキワイヤー内蔵口はTOEIのものとはちょっと違っています。

ハンガーラグ。ウ〜〜〜〜ン、美しい・・・です。チェンジワイヤーは内蔵ではなくてベアシステムになっています。

ヘッド下ラグ。参考までにこのカットのマシンは非常に少ないです。

■各部の写真です。

フレームカラーのRHスカイブルーにゴールドの上品なロゴとフランス・サンテチェンヌ市の紋章の素敵なヘッドマーク。何も知らなくて見たら・・・・日本製のマシンだとは思わないでしょうね。

チェーンホイール。

クランクはTA。長さは167.5mm。TAの材質はStronglight製のものよりも硬くて長く使えます。
チェーンリングはやはりTA シクロツーリスト48×42×30。このあたりのギヤ比が使いやすいですよね。

FメカはSimplex Super LJ。全アルミ製で非常に良いチェンジだと考えています。

ペダル。

ペダルはやはりTA Route。シールドベアリングで全アルミ製、プレートはビス留めで交換できます。

クリップはCHRISTOPHEの皮付。
ストラップも同じくCHRISTOPHE。

Rメカ。

RメカはSimplex Super LJ。'70年代Simplexの最高傑作と考えています。デザイン、材質、性能、どれを取っても素晴らしいですね。

チェーンプロテクターの位置に注意。この位置はRene'HERSE2代目のジャン・デュボア氏のマシンに良く見られた位置です。TOEIのマシンではアウターカップの前に来ます。このあたりもいかにもフランスタイプで・・・・思わずニヤリとする工作ですよね。

エンドはTOEIオリジナル ロストワックスエンドでSimplex用。
チェーンはSEDICOLOR、フリーホイールはREGINA "ORO"14〜24T 5speed。

サドル。

サドルは定番、IDEALE♯88ナチュラルカラーのもの。
♯88は今なかなか入手困難です。

ピラーはSimplex27.0mm。もちろんバッジ付のものです。

ピラーの出具合ですが・・・・このサイズ(580mm)ならばこの位が1番美しいと思います。(自転車の美しいシルエットに一番重要なポイントです)

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはMAFAC "RACER"。MAFACの一番オーソドックスなアーチですよね。良く見ると・・・・ブレーキシューの長いアジャストがK上ワークスの手によって短縮してあってスマートに見えるようにしてあります。

チドリはMAFAC純正のものを使用しています。(1番軽量です)

ガードのセンターには金線縁付フレームカラーと同じ色でライン塗装してあります。上品で良い感じですね。

ハンドルバー付近。

ハンドルバーはGrand Bois フィリッププロフェッショナルタイプ410mm。
ブレーキレバーはUNIVERSALですね。
バーテープはFUJITOSHI 革製のナチュラルカラーでサドルとお揃いにしてあります。

ステムはGrand Bois 80mm 。(TOEI製)

バーエンドはVELOXでフレームカラーに合わせてブルーのものを使用しています。

美しいヘッド付近。

チューブはカイセイ019、ラグはRene'HERSEタイプ、クラウンは肩がフラットなAタイプ。
ヘッド小物は丹下RB661、上ナットはカニ目タイプのものです。

サイズは580mm、この位あるとカッコ良いですね。
WレバーはSimplex Super LJです。

Fバッグはクイック脱着式になっていて飛び跳ね防止にゴムフックで止めています。

ハブ。

ハブは・・・定番のCampagnolo Record LFQR36H。
組み方はイタリアンで6本組です。

スポークはDT Competition 1.8mm〜1.6mm DB。

ポンプ。

ポンプはちょっと珍しいAD-HOC Competition 18'のものです。
取り付け方がちょっと面白くて上側、TOPチューブ側に固定する方法を採用しています。

この方がTOPチューブとポンプの間に隙間が空かなくて締まって見えます。

ランプ。

電装はダイナモはなくてこのWONDER バッテリーランプが装備されています。まあ夜走る事はほとんど無くて、昼間のトンネル程度でしたらこれで充分だと思います。
乾電池は単1×3本使用のものです。

リフレクター。

←リフレクターはオリジナル、スペシャルメイドの逸品。

テールランプはルクゾールのバッテリー式。チェーンステーに直付
してあります。

リムはWolber 700C 36H。今はポリッシュのリムはなかなか無いですね。

タイヤはGrand bois 700×28C。このくらいの太さがあれば充分快適な舗装路ツーリングが出来ます。

フレーム tube:kaisei 019  lug : type Rene'HERSE  size:580mm  top:550mm
ハンガー小物 TA
ヘッド小物 TANGE RB661
Wレバー Simplex Super LJ
Fメカ Simplex Super LJ
Rメカ Simplex Super LJ
クランク TA 167.5mm
チェーンリング TA Cyclo Touriste 48×42×30
チェーン SEDIS  SEDICOLOR
ペダル TA Route
クリップ CHRISTOPHE with Leather
ストラップ CHRISTOPHE
ガード Grand Bois PJ700
タイヤ Grand Bois 700×28C
リム Wolber 700C 36H
スポーク DT Competition 1.8mm〜1.6mm DB
ハブ Campagonolo Record LFQR 36H
フリー REGINA "ORO" 14〜24 5speed
サドル IDEALE ♯88
ピラー Simplex 27.0mm
ハンドルバー Grand Bois Type "PHILIPPE Professionnel" 410mm
バーテープ FUJITOSHI Leather
ステム Grand Bois 80mm
ベル VIVA Brass
ブレーキレバー UNIVERSAL
ブレーキアーチ MAFAC "RACER"
バッテリーランプ WONDER
テールランプ LUXOR
リフレクター Original Special made
ボトル ZEFAL
ボトルケージ NITTO Stainless
ポンプ AD-HOC Competition 18'

2008 Grand Bois 700C Randonneur 仕様表

■編集後記

このマシンですが・・・・かなり前、I's BICYCLEさんのHPに掲載されていて、実車を拝見したのは・・・・いつだったか、2年ほど前だったと記憶しています。
サイズが大きくてそれでいて特に凝った部品もついてないのですが・・・・例のRere'HERSEタイプラグと大変良く纏まったシルエットが素晴らしくて、何回かご一緒するうちにとうとう・・・・お願いしてしまいました。乗っているマシンはオーナーの分身とはよく言われる事ですが、さもありなん、センスが良くてパーツアッセンブルも隙が無く、全体的なバランスも非常に良いですよね。なんというか・・・・このマシン、小生の好みのマシンで(笑)'70年代のフランス部品を多用して美しくて実用性も充分にあって、快適に走行出来る・・・・今時の良い道のサイクリングにはこのようなタイプのマシンが一番快適だと考えております。'70年代当時はこのようなマシンは比較的簡単に部品も集められてオーダー出来ましたが、今は・・・・たとえばラージフランジのハブとか、5速ツーリングレシオのフリー、IDEALE本革サドル、Simplex Super LJチェンジとか、入手困難になってしまってなかなか入手できません。
それでもインターネットなどで探すと出てくる場合が多いです。このようなタイプのマシンの欲しい方はまず部品から集めた方がよろしいかと思います。今回の取材に際しオーナーのEVEREST espritさんには全面的なご協力を頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

 

2011.4.9

No67