じっくり見ると自転車を良く知っている方は大変驚くのではないでしょうか?驚愕の1台、CINELLI Mod.B Altenburger Modelです。カラーはライトブラウンメタ。

どういう風にご紹介しようと随分考えておりました。いわゆる昔からのサイクリストの方々には驚愕の1台だと思われます。それもそのはず、由緒正しいイタリア '60年代 CINELLI Mod.B モデルでまあ普通はCampagnolo Recordセットであるとか、UNIVERSAL ブレーキアーチとか、すべてイタリア製品でアッセンブルしてある車は何台も拝見してきました。しかしながら・・・・・この驚愕の1台はエンドも含めて主要部品はほぼドイツ Altenburger製品で纏められていて非常に驚きます。一体どういう経過でこの車が作られたのか知りたいところですが・・・・・???

思うにドイツの熱烈自転車ファンが自国製品であるところのAltenburger製品一式持って行ってCINELLIへオーダーしたのでは???と推測されますが、実際のところは不明です。私は何台もMod.Bを見て来ていますが、一部シマノ製品のも見た事がありますがほぼ全てCampagonolo製品で纏められている車がほとんどでした。オーナーの久間悟朗さんによるとこの車、なんと!!ヤフオクで手に入れたそうです。それでは世界でも 大変珍しいと思われるCINELLI Mod.B Full ALTENBURGER MODELをお楽しみ下さい。なお、取材に際し、快くOKして頂いた久間悟朗さんにはこの場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。

■SPECIAL THANKS: 久間悟朗さん

チェーンホイール全景。

クランクはイタリアの雄、"MAGISTRONI"の3アームコッタードクランクです。最質はスティールですね。

チェーンリングも同じ"MAGISTRONI"51×47です。
昔のロードレーサーはなぜか3〜4T差しかないチェーンリングがほとんどでした。

Fメカは当然、ALTENBURGERです。スライド式でRメカは多数見かけましたが、FメカはRメカ程には見かけませんでした。

Rメカ。

この車の目玉的部品のALTENBURGERです。
Fメカはスライド式ですが、Rメカはパンタ式です。
ご覧のように非常に面白い形状をしています。私が駆け出しの頃はまだ多数お店に並んでいました。Rメカは1ケ2Kくらいでしたかね?

取り付けはチェーンステー下部に直付となります。
通常のディレイラーとは全然違うスタイル、取り付け方です。

プーリーケージ、ハブ、クイックナットに赤アルマイトが施してあります。

ペダル。

このペダルですが・・・・・・ATOMだそうです。(後からご連絡頂きました。有難うございます。)クリップも見たことがない製品で、詳しい方のコメントお待ちしております。
蹴返しは後からつけられたもののようでMIKASHIMAがついています。

ストラップはCHRISTOPHEの白でした。

サドル。

このサドルも昔のNC誌に載っていました。
UNICA社と合併する前の"NITOR"ですね。
まだプラスティックのみの本革サドルから移行する過渡期の製品です。

ピラーはこのサドル専用の"UNICA"と思われます。
2本のボルトナットで締める珍しい形式のピラーです。

私はこのピラーは今回初めて拝見しました。

サドルを後ろから。

サドルやピラーの形状や材質が良く分かります。
サドルベースはスティールの様ですが、資料によるとアルミ製のものも有ったようです。

なお、決定版Campagnolo Recordピラーは'56年すでに開発されていました。

エンドです。

これももちろん"ALTENBURGER"のエンド。
通常のCampagnolo Road エンドとは全然違うスタイルをしています。アジャストも前にあります。これも今回初めて拝見したエンドですね。大変珍しいと思います。

ホイールを嵌める時はスプロケットにチェーンを噛み合わせてエンドに入れて前に押し込んでクイックを締めます。


フリーはREGINA 14×16×19×21×23の5スピ−ドです。
チェーンはSEDIS Sport。

ブレーキアーチ。

型番なんかはちょっと不明ですが・・・・
ALTENBURGER サイドプルアーチです。

当時のブレーキアーチはUNIVERSALにしろMAFACにしろ、後ろのアーチは57mm前後あり、ガードの取り付けが可能でした。このモデルもエンドにステーアイがありガードの取り付けも可能です。

前ハブ。

言わずもがな ALTENBURGERです。アルマイトはこの色だけでなく青も見た事があります。他の色も見た方はいますか?

昔のNC誌にボールベアリングが他のハブよりも大きいのでCAMPING車に採用した記事が確かありましたよね。

ハンドル。

ハンドルはAMBROSIO マースタイプでした。
ステムはやはり同じAMBROSIO エクステンションは約90mmのものです。

このステムですが、ご存知日東ダイナミックのモデルになったステムですね。

ブレーキレバーはアーチとセットのALTENBURGERです。クイックのついたものやパッドのついたものなどいくつか種類があります。 全体的にやや小ぶりのレバーですね。

美しいヘッド付近。

チューブ銘柄はちょっと不明ですが、オーソドックスなCINELLIのチュ−ブとしては"COLUMBUS"を使用していますね。

ラグは美しい端正なイタリアンカットラグです。アグラッティでしょうか?この頃はまだヒゲは長めでした。'70年代後半になるとヒゲは短めになります。

WレバーはALTENBURGER Champion。
なんと台座直付けしてあります。

後ろハブです。

そうそう、ALTENBURGERのハブクイックってこんな感じでした。人間工学的?な独創的なデザインです。

ハブの飾り穴ですが・・・・ALTENBURGER社ロゴのマークを意識して抜いてあるようです。

リム。当時の代表的なイタリア製リムの"FIAMME"赤ラベルです。あと黄ラベルもありましたね。

タイヤは今のVittoria Competition Rally ですね。当時の代表的なタイヤにはClement "Criterium"なんかがありました。

196?  CINELLI  Mod.B  FULL  ALTENBURGER  MODEL  仕様表

フレーム CINELLI Mod.B end: Altenburger タイヤ Vittoria Competition Rally
ヘッド小物 Campagnolo PISTA リム FIAMME Red label
ハンガー小物 MAGISTRONI スポーク Stainless
Wレバー Altenburger Champion ハブ Altenburger LFQR 36H
Fメカ Altenburger フリーホイール REGINA 14×16×19×21×23
Rメカ Altenburger ハンドルバー AMBROSIO
クランク MAGISTRONI バーテープ Cotton
チェーンリング MAGISTRONI  51×47 ステム AMBROSIO 90mm
チェーン Sedis Sport ブレーキレバー Altenburger
ペダル ATOM ブレーキアーチ Altenburger
クリップ unkown サドル NITOR
ストラップ CHRISTOPHE ピラー UNICA

■編集後記

この車の取材は春でした。例の石山クラシックロード走行会で初参加の久間悟朗さんが「こんなんあるんやけど」と言って見せて頂きました。
一同ビックリで・・・・・(笑)特に良く知っているベテランの人はホント、もうビックリでした。もう何台もCINELLIは Mod.BもSuper Corsaも見ましたが・・・・・いずれもCampagnolo Recordアッセンブルがほとんど全部でした。こういうエンドも含めてオールアルテンバーガーの車って一種痛快なものがあります。(笑)それは何だろうと考えたら・・・・・やはり完成された完璧な物に対するささやかなアンチテーゼがあったのかも知れません。
この車の最初のオーダーはやはりドイツの方でしょうか?アルテンバーガー部品1式全部持ってはるばるイタリア・ミラノのCINELLI工房へ持って行ったのかも知れませんね。今や日本の"SHIMANO"が世界に冠たる自転車部品最高峰メーカーに君臨して久しいですが、あのベンツやポルシェ、カメラのライカやハッセルブラッドを生み出した技術大国ドイツにこのALTENBURGER以外に自転車部品メーカーを聞かないのはちょっと不思議な気がします。今回は大変珍しい車を取材する事が出来て大変良かったです。ご協力頂いた久間悟朗さんにはこの場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

196?  CINELLI  Mod.B  Full  ALTENBURGER  MODEL

2009.10.2

No.49