No70

2011.11.12

1950's Alex SiNGER Tandem                                           Serial No 1019

Fフォーク部分。フォークブレードはReynolds531タンデム用。カーブが非常に美しいです。タイヤはGrand bois 650×42B "Hetre"。ハブはマキシカーのFハブに大フランジを加工して取り付けた特別製です。Fキャリアは前後が短いAlex SiNGER独特のデザインになっています。

チェーンドライブレイアウト。左が進行方向です。ぺダルが写っていますが、Lyotard♯45CA。クリップはAFA、ストラップはCTS SiNGER。ベースチューブはReynolds531 50×25の楕円チューブと思われます。エキセントリックハンガーはこのマシンは前に装備されています。

■Special Thanks: O氏

■編集後記

今回のマシンは・・・・今まで非常に少ないタンデムで、しかもこのアルバム始まって以来のAlex SiNGERのタンデムで、なおかつ今年2011年ポリージャポンの優勝車です。いや・・・・・オーナーのO氏にお話を持って行ったのは今年の春あたりのランデブーアレックスサンジェのあたりでO氏から「よろしいですよ」とのお返事を頂いたのですが・・・・・???後で「ポリーが終わるまで待って下さい」とのこと。秋まで待っていたらなんと!!テーマ部門優勝の知らせが・・・・本当に驚いて後日「あの話ですが・・・」と恐る恐る持って行ったら「すぐに資料送ります」との事で何回かのやりとりの結果、このようなレポ−トが出来上がりました。レポートからもお分かりの様に製造は'50年代初期で1度Alex SiNGERでレストアを受けています。でGrand Boisで今年もう1回レストアを受けてこのように美しく当時の姿に蘇りました。今回このような黄金期のAlex SiNGERのマシンを取材させて頂いて非常にラッキーだったなあ・・・・と感じています。おまけに2011年ポリージャポンテーマ部門優勝車ですよ!!写真を見るにつけ、細部までレストアしてあって一切手を抜いていません。この記念すべきマシンが小生のクラシック名車アルバムの70台目ということで目標の100台まであと30台となりました。もう少しで達成しそうですが・・・・・あとそうですね、3年程度はかかると思われます、今後ともこのような溜息が出そうな素晴らしいマシンをUP出来たら、と考えています。今回オーナーのO氏には取材に際し全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

1950's  Alex  SiNGER  Tandem  仕様表

このアルバムでは初めての Alex SiNGER タンデムです。年代は'50年代初め頃の正に黄金期の作品です。このアルバムでご紹介出来ることを大変嬉しく思っています。カラーはサンジェを代表するカラー、「ブルーフォンセ」という濃紺色です。

このマシンですが・・・・・ハイ、察しの早い方はもうお分かりでしょうが、ポリージャポン2011テーマ部門優勝車です。今年のテーマは「Alex SiNGER」でした。何台かの素晴らしいマシンが覇を競ったようですが・・・・・・このマシンが総合で1位に輝きました。それではオ−ナーのコメントです。

1950年代初期に製作されたシリアルbP019のタンデムです。70年代に一度サンジェにてレストアされ、2011年京都のグランボアの工房で土屋氏の手により再びレストアされました。今年の5月に縁あって、私どものところにやってきました。レームカラーは、サンジェを代表する「ブルーフォンセ」です。グランプリ・デュラルマンモデルなど数々の特別な自転車にこの色が塗られていました。このタンデムは、オリジナルペイントタッチアップ仕上げとなっていてとても気に入っています。また、フロントフォークは、サンジェ史上最も美しいのではないかと思っています。1950年代のフランスと言えば、ハンドメイド自転車のまさに黄金時代であり、当時、サンジェ最高のコンポーネントが装着されたタンデムに乗ることができ満足しています。

チェーンホイール。

クランクはStronglight49Dタンデム用。従って左クランクにもチェーンリングが付きます。長さは170mm。
チェーンリングはTA Randonneur 50×36。もちろん旧刻印のものです。このチェ−ンホイールもAlex SiNGERの伝統に則ってチェーンリングのアームとクランクが1直線になるように組み立てられています。チェーンリングの袋ナットはTA純正品ではなくてAlex SiNGER独自のものです。

チェーンはBrampton Course。

Rメカ。

Rメカは、Alex SiNGERではお馴染みの"NIVEX"。パンタグラフ式でWワイヤーで操作されます。テンションスプリングのセット方法が個性的でとても面白いスタイルですよね。

フリー。

フリーはCYCLO "64" 14×16×18×20×22。クロスレシオになっています。で良く見ると・・・・チェーンレストが装備されているのが分かると思います。

ハブはドラムブレーキ内蔵のCAR-MAXI タンデム用。タンデムは2人分の体重がかかるので慣性モーメントが大きくなるので強力なブレーキが必要です。

ウィングナットはBell。

後ハンガー。

クランクはStronglight49Dタンデム用。長さは165mm。
ハンガーはSKFシールドベアリングになっています。

フレームはフィレット仕上げのようです。ハンガーの下にNIVEXコントロールワイヤーが2本見えています。

キャプテン用サドル。

IDEALE 53 "Professionnel"で当然’50年代のまだ鉄鋲時代の今では非常に珍しくて目にすることも少ないと思われるサドルです。小生も初めて拝見しました。コンディションも良いようにお見受けしました。

ピラーはAlex SiNGER オリジナルですが、驚いた事にストーカー用ステムが直付けになっています。エクステンションは100mm。

ストーカ用サドル。

キャプテンとほぼ同時代でIDEALE 51 "Professionnel"。
♯53もそうですが、いくつか種類があるようでワイヤーベースは黒のエナメル塗装になっています。

ピラーはAlex SiNGERオリジナル。ご存知のように斜め臼で固定します。

ステム。

ステムはAlex SiNGER Original 75mm。
ヘッド小物はStronglightP3タンデム用。
Stronglightヘッド小物のタンデム用というのは初めて拝見したのですが、通常のヘッド小物よりも大きくガッチリ丈夫に出来ています。

ベルはAtomico。
ブレーキが3系統あるのでアウターも3本あります。

ヘッド部分。

ヘッドラグはヘッドチューブと一体になっています。
ヘッド小物はStronglightP3タンデム用。

コントロールレバーはNIVEX。
ちらっと見えているハンドルバーはGrand Bois 410mm。
バーテープはVelox シェラックニス仕上げです。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはMAFAC Tandem。アームが長くなりイボが5つあるタイプで小生もCAMPING車で昔使ったことあります。

左のダイナモは・・・・これまた初めて拝見した"PYB"という銘柄の非常に珍しいダイナモ。タイヤドライブのようにお見受けしました。

リヤハブ。

リヤハブはCAR-MAXIタンデム用です。で良く見るとフロント36H6本組、リヤ40H4本組のちょっと変則的な組方になっています。

スポークはHOSHI ♯14。
このハブはドラムブレーキが内蔵してあってコントロールワイヤーが見えています。

リヤキャリアはガードステーダルマねじで止めています。

ヘッドライト。

ヘッドライトは見たことも無い、ダイナモとお揃いの"PYB"という銘柄の物。とても年代物には見えなくて新品同様でコンディションは良いようです。

ガードはCAGNION 650B。

下玉受け付近。

下ヘッド小物はStronglightP3タンデム用。通常の物と違って厚くガッチリ出来ているのが分かると思います。

カラーが明るく見えますがフラッシュのせいだと思われます。

前ハンガー。

ご覧の様にエキセントリックになっています。右側のドライブ用チェーンはチェンジのテンションでピンと張ることが出来ますが、左側の連結チェーンは走っているうちにだんだん伸びてくるのでエキセントリックハンガーでチェーンが弛まないようにしています。

フレーム Reynolds531 size:c-c505mm c-c500mm serial :1019
ハンガー小物 F: Alex SiNGER Eccentric    R:SKF   Shield bearing
ヘッド小物 Stronglight P3 Tandem
コントロールレバー Nivex
Fメカ Alex SiNGER Rigid
Rメカ Nivex
クランク Stronglight Tandem  F:170mm  R:165mm
チェーンリング TA Randonneur 50×36
チェーン Brampton Course
ペダル Lyotard ♯45CA
クリップ AFA
ストラップ CTS SiNGER
ガード Cagnion 650B
タイヤ Grand bois "Hetre" 650×42B
リム MAVIC Criterium 650×42B  F:36H   R:40H
スポーク Hoshi Stainless ♯14
ハブ F: Max-car Grand flange 36H   R: Car-maxi Tandem  40H
フリー Cyclo 64  14×16×18×20×22 5speed
前サドル IDEALE ♯53 "Professionnel"
ピラー F:Alex SiNGER     R: Alex SiNGER  Extension: 100mm
後サドル IDEALE ♯51 "Professionnel"
ブレーキアーチ Mafac "Tamdem"
ブレーキレバー Mafac "Tandem"
ステム Alex SiNGER 75mm
前ハンドルバー Grand Bois 410mm
バーテープ Velox Cotton
ベル Atomico
後ハンドルバー Grand Bois 410mm
ダイナモ "PYB"
ヘッドランプ "PYB"
テールランプ "PYB"
リフレター Haut Pct7 Glass
ポンプ AD-HOC "Tandem"

Fメカ。

FメカはAlex SiNGERオリジナルのロッド式。シートチューブ後方に支点がありレバーを左右に動かす事でワイヤーの羽根が動いてチェンジするという寸法です。羽根がワイヤー(針金)というのがユニークですよね。