1994  Alex SiNGER Special Randonneur

クラシック名車アルバムも20台を越えるコレクションになり、大変嬉しく思っております。ここで取り上げる車は大体以下の要件で選択させて頂いております。
■今ではあまり見かけない珍しい主にガード付のランドナー、スポルティーフ、デモンターブル、キャンピング車、またロードレーサーはおおむね'70年代オールカンパ以前のクラシックなモデル・・・・・など
■歴史的に貴重な車、珍しいだけでなく、後世に残しておきたい芸術的、文化的に価値のある車
■主にハイドメイドの車でその工房の特徴やオリジナル工作、部品など採用されていてハンドメイド工房のカラーが色濃く出ている車
■自転車の本場の主にイタリア、フランスのハンドメイド工房の車、また今や「世界の」TOEIの車・・・・・など (イギリス車はあまり得意ではないです)
■以上の要件を満たし、組み立てが良く出来ていて、纏まりのある美しい車・・・・・・など等、ちょっと厳しい?と思われる要件で「これは!!」と思うような車に出会ったらお願いするようにしています。独断と偏見でお願いしておりますが、今後ともよろしくお願い致します。今回のくりくりさんのAlex SiNGERも'50年代の一番美しい頃のランドナーになっています。

SPECIAL THANKS : くりくりさん

Rチェンジ付近

チェンジはお馴染み、NIVEX。Wワイヤーで操作されます。Alex SiNGERは好んでこのチェンジを使用しています。このチェンジはチェーンステーに直付けされますので右エンドはスッキリしています。

フリーはシクロコンペ14T〜23T、チェーンはレノルド。

チェーンホイール。

クランクはStronglight Deportees(ポーター用)、リングはTAトリプル50×42×30、例によって6ピンはAlex SiNGERオリジナルになっています。

FチェンジはAlex SiNGERオリジナルロッド式。
羽の部分は大胆にも太いピアノ線?


クランクとアウターのアームは一直線になるように組み立てられています。

ブレーキ。

ブレーキはAlex SiNGERオリジナル。ワイヤー引きは倍力機構になっています。(ストロークも2倍)

ブレーキはカムでシューを押し出すしくみ。いやはや10数パーセントの下りでは効きはいかに?
さすがにこのブレーキ採用車はあまり見かけません。

美しいヘッド付近。

ヘッド小物はStronlight P3。
ヘッドラグはオリジナルラグ。普通のAlex SiNGERではヘッドチューブと一体になったヘッドラグの車が多いです。

特筆すべきは・・・22mmのレイノルズ531丸フォーク。
昔のツーリング車では丸フォーク使用は一般的だった?

チェンジレバーはNIVEXのもの。いかにも・・・・
クラシックな感じのレバーです。


この車のオリジナルステムはかなり低くSETされていますね。

ステアリング。

ハンドルバーはAVA。
ブレーキレバーは'50年代の車に良く採用されていた、Lefol。私はマッドガードしか知らなかったのですが、ブレーキレバーも作っていたんですね。

ハブ。

ハブはお馴染みMaxi-carかな?と思ったら・・・・
Car-Maxiなんだそうな。(笑)単なる打ち間違い?

ウィングナットは例によってBell。

タイヤ、リム

タイヤはHutchinson Globetrotter 700×28C。
リムはMAVIC Criterium 700C。

いわゆるカマボコ型リムの700C版です。

サドル。

サドルは名品、BROOKS Professional '67年製。
いや、なかなか手に入らない逸品です。


ピラーはAlex SiNGER オリジナル。

ヘッドランプ。

ヘッドランプは'50年代の名品、JOS 431C。

Alex SINGERはFキャリア直付けではなく、この車のようにガード先端に取り付けた車も多いですね。

ガードはプチジャン。紺色と金線が入っています。

テールランプ。

Rene'HERSEではシートチューブの裏側に直付けされることが多いテールランプですが、このAlex SiNGERではチェーンステーに直付けしてありました。

テールランプはJOS FU。

ダイナモ。

ヘッドランプ、テールランプとセットのJOS Type-S。

Alex SiNGERでは何も言わないと・・・・スタンダード(標準)のダイナモ取り付け位置はタイヤドライブになってしまいます。くりくりさんはやはりリムドライブ指定にしてありますね。


ダイナモコントロールワイヤーに注意。シートステーに取り付けられたレバーで走りながら点燈が可能です。

リフレクター。

この小粋なリフレクターは・・・・・・・?
下の写真をご覧下さい。

どうでしょうか?

これで分かりますでしょうか?私には分かりませんでした。
いや、フランス車は奥が深いです。

フレーム Raynolds531
Original lug
Size:565mm Top:545mm
スポーク Stainless ♯15
ハブ Car-Maxi
ブレーキレバー Lefol
ヘッド小物 Stronlight P3 ブレーキアーチ Alex SiNGER original
Wレバー NIVEX ハンドルバー AVA
Fメカ Alex SiNGER Original ステム Alex SiNGER Original
Rメカ NIVEX バーテープ cotton
クランク Stronglight Deportees サドル BROOKS Professional 1967
チェーンリング TA 50×42×30 ピラー Alex SiNGER original
ぺダル Lyotard No23 ヘッドランプ JOS 431C
クリップ Christophe テールランプ JOS FU
ストラップ Zefal ダイナモ JOS Type S
チェーン Reynolds リフレクター Un Known
フリー Cyclo Competition 14〜23T ポンプ AD-HOC Special Course
ガード Petitjean ボトルケージ TA
タイヤ Hutchinson Globe Trotter 700×28C ボトル Alex SiNGER
リム Mavic Criterium 700C ウィングナット Bell

1994 Alex SiNGER Special Randonneur 仕様表

素晴らしいトゥ・クロメのAlex SiNGER。正にフランス黄金期ハンドメイド車の真骨頂だと思います。

■編集後記

2007年最初のクラシック名車アルバムを飾るのは・・・・・やはりこの車、今や唯一のフランス黄金期のハンドメイド車をそのまま昔ながらの方法、工作、部品で作り続けている、生粋のアルティザン、エルネスト・スユーカ氏が手がける、Alex SiNGERです。
昔は数十、またはそれ以上の無数のアルティザンが存在していましたが、GOELAND、Rene'HERSEなど次第に閉店などで数がだんだん減って行き、今やこのAlex SiNGERのみがかつてのフランス黄金期のハンドメイド車の伝統を今に伝えています。

今回のこの車ですが、'50年代の部品を多用してこの時代の一番美しい頃の車を再現しています。良く見て参考にして頂きたいなあ・・・・と思っております。
今回のこの車の所有者のくりくりさんですが、Alex SINGERに魅せられ、「ランデブー・アレックス・サンジェ」の会長を務めるほどの人です。(まあ、私の友人ですが 笑)年に1回、このランデブー・アレックス・サンジェのミーティング(例年5月第3土日開催)が行われております。機会が有ったら私も是非参加してみたい・・・と思っております。今回、快く取材に応じて頂きましてありがとうございました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。最後まで見て頂きまして有難うございました。

No21

2007.1.18