2009年の暮に完成したTOEI Sportif。部品はご覧の様にフランスゴールデンエイジの正に溜息が出るモデルになっています。カラーはグロスブラック+金線引き。

今年2010年のトーエイオーナーズミーティングですが・・・・・このマシンは誰もが認めるピカイチのマシンだったと思います。
小生もすぐに気が着いて例の自転車を保管してある部屋を何回か回ったのですが・・・・・・なんとなくこのマシンの魅力に吸い寄せられてしまうかのようにいつの間にかこのマシンの前に来ていました。このマシンの写真をご覧になったら分かるのですが、パーツアッセンブルに於けるバランスの完璧さ、正確な組立て技術、フレーム各所の工作位置の正確さはもとよりフレーム各部寸法の取り方、ラグカット、仕上げの素晴らしさなど正にどこを見ても「素晴らしい」の1言しか出てきません。早速オーナーのyamanashi様にお願いしてしまいました。それではオーナーのコメントです。

中学生の頃、それまでサイスポしか読んだことがなかった私が、初めて買ったニューサイでエルスのスポルティーフの写真をみつけ、この世の中にこんな美しく、且つ合理的な機能性を持った自転車があったのかと衝撃を受けました。学生時代はカトーサイクルさんでトーエイフレームのロードとツーリングを作り、自転車にのめり込んでおりましたが、卒業後は、オートバイなど他の趣味に完全に興味が移り、10年以上、自転車から離れた生活をしていました。 ある時、たまたま図書館で手にとったアテネ書房の「魔物たち」に掲載されていた谷口氏のスポルティーフとランドヌーズによって、自転車に関わる人生2度目の衝撃を受けました。

特にjuy543仕様のランドヌーズだったかの記事にあった「D.ルブールのイラスト再現」のコピーとその解説文には、こういうオーダーのアプローチがあったのかと思わず唸らされました。以来、谷口氏の自転車への強烈な憧れと、エルスの60年代カタログの雰囲気をトーエイのセンスと繊細な工作によってカタチにしたいという大それた考えのもと、大前提の部品集めを始めました。

 それから10年近くが経ち、一通りの部品が揃った昨年の早春、ようやく東叡社の星野さんにオーダーを通すことが叶いました。完成はその年の12月、これを受け取りに工房に出かけた時の高揚感と、星野さんから引き渡された時の感激は忘れることができません。また、前後しますが、今回のオーダーあたり、岐阜のヴェロ・ドゥ・レーヴェさんには、古典部品の仕上げ・調整はもとより、多くの有益なアドバイスをいただきました。ヴェロ・ドゥ・レーヴェさんの存在がなければここまで辿りつくことはできなかったと痛感しております。

2009 TOEI Sportif Special Model

■Special Thanks:yamanashiさん                  STUDIO  PHOTO LIBRARY

チェーンホイール。

クランクは定番のStronglight Super Competition57。
リングはCT'sさん製作のもの。歯数は48×38。

インナーの38Tですが、オリジナルにはありません。オリジナルは40Tが最小歯数になっています。

個人的に5アームのクランクではこのStronglight57はCampagnolo Recordと並んで最も好きなクランクです。
デザインも非常に美しいですよね。

Rメカ。

Rメカはご存知、あのJacques Anquetilが'61年Tour de Franceで優勝していた時に使用していたSimplex "Juy Record"です。
上の写真のFメカは"LJ23"のスライド式メカになっています。

このあたり・・・・眩しくて・・・・クラクラしそう・・・・です。(笑)

フリーはATOM 14×17×19×21×23 5speed。

ブレーキアーチ付近。

ブレーキアーチはMAFAC TOP63。刻印の数字の'63年、発売されました。、
当時のレーサー用ブレーキアーチのTOPモデルです。
アーチワイヤー純正品は両ニップルになっていてツマミ部分はなく、写真のアーチワイヤーは交換した物と思われます。

テールランプはJOS FCD。
これも昔は多数あって非常に安かったのですが・・・・

ガードにフレームと同じ色でラインが引いてあって凄くおしゃれですよね。

サドル。

サドルはIDEALE♯59 Record。
今となっては非常に入手困難なサドルです。軽合ベースでサドル横にも穴が多数開けられていて当時の軽量サドルモデルです。当時はまだ鉄鋲の時代で銅鋲はもう少し後から登場します。

ピラーはTOEI オリジナル26.8mm。

ペダル。

ペダルはTA Route。小生も1時期使っていました。フランス製ペダルの最高級品だと思います。

クリップはCHRISTOPHE。
ストラップは聞いたこと無いメーカーで"Paris Sport"という
銘柄のもの。

ハブ。

ハブはSimplexの継ぎハブ。ハブシェルはスティール、フランジはアルミの3ピース構造になっています。

クイックシャフトもSimplex。ナット、レバーサック色は白と黒があり、これは黒色の方。

しかし・・・・・Campagnolo Gran Sportとウリ2つですねぇ・・・・・・

美しいヘッド部分。

ラグはTOEI オリジナル"E"カット。いわゆるルネパターンです。
チューブはReynolds531、ヘッド小物はStronglight P3。

ステムは・・・・・TOEI製 Rene'HERSE タイプ。エクステンションは80mm。
このマシンは剣先、ヘッド上下、シートステー上面などCPになっていてゴージャスな感じがします。

ちらっと見えているベルはAtomico。

Fキャリア部分。

Fキャリアはスマートな6mmの物のようです。
ヘッドランプはお馴染みのJOS431C。

キャリア上面はキチンと水平になっています。さすがですよね。またタイヤとガードのクリアランスも完璧でこのあたりはTOEIの技術の凄さが垣間見えます。

ハンドルバー付近。

ハンドルバ−はGrand-bois マースバー。幅は400mm。
ステムはTOEI Original type Rene'HERSE 80mm。
バーテープはシェラックニス仕上げです。

ブレーキレバーはWEINMANN。

ダイナモ。

ダイナモはヘッド、テールランプとお揃いのJOS "type U"ですね。

写真でお分かりの様にアルミ削出しのレバーでON-OFFが可能です。


リムはSuper Champion Model58 36H。
タイヤはGrand Bois" Cerfvert" 700×28C。

ダイナモ起倒レバー。

TOEI オリジナルでご覧の様に端正なデザインで走行中であってもヘッドテールランプのON-OFFが可能です。


写真では分かりづらいですが、シートステー上面はCP仕上げになっています。

ヘッド部分。

ヘッドマークはいくつか種類がありますが、これはなんと手書きのヘッドマークです。小生の知る限るでは手書きヘッドマークのマシンはそう多くはないです。

書いたのははたして・・・・・・・???


右下に見えているWレバーはSimplex Record。

リフレクター

リフレクターはこれまたJOS揃いでtype" CB"
リフレクターのような小物にまで"JOS"で統一してあって本当に驚きです。

ガードに入っているフレームと同色ラインは凄くおしゃれな感じですね。

Simplex Juy Rercordチェンジを後ろから。

フレームの剣先CP、メカのCP、ハブやステーのアルミのシルバー色が調和していや〜〜〜〜なかなか良い感じです。

このメカの操作感やレスポンスなどどんなものかなぁ・・・と非常に興味あります。

フレーム tube: Reynolds531  lug; TOEI Original "E cut"
size: c-c 530mm top:540mm
ヘッド小物 Stronglight P3
ハンガー小物 Stronglight T160 S2 Needle bearing
Wレバー Simplex Record
Fメカ Simplex LJ23
Rメカ Simplex Juy Record
クランク Stronglight Super Competition57
チェーンリング CT's  48×38
チェーン SEDIS "Delta"
ぺダル TA type "Route"
クリップ CHRISTOPHE
ストラップ Paris Sport
ガード TOEI 700C
タイヤ Grand Bois "Cerfvert" 700×28C
リム Super Champion "Model58" 36H
スポーク DT Stainless ♯15
ハブ Simplex
フリー ATOM 14×17×19×21×23 5speed
サドル IDEALE ♯59 type "Record"
ピラー TOEI Original 26.8mm
ハンドルバー Grand Bois type French MEAS BAR 400mm
ハンドルバーテープ Cotton TOEI Finish
ステム TOEI original Type Rene'HERSE 80mm
ベル Atomico
ブレーキレバー WEINMANN
ブレーキアーチ MAFAC "TOP63"
ダイナモ JOS Type "U"
ヘッドランプ JOS "431C"
テールランプ JOS "FCD"
リフレクター JOS "CB"
ボトルケージ TOEI Original
ポンプ AD-HOC Special Course

2009  TOEI  Sportif  Special  Model  仕様表

■編集後記

最近は本当にこれは!!と思えるようなオーダー車が少なくなったような気がします。今は昔と違ってインターネットがあるのでゴールデンエイジの部品探しもそう難しくはないと考えられますが、部品1つ1つの相場はジリジリ上がっているような感じを受けます。こういうタイプのこういう部品アッセンブルで・・・・と頭の中で考えている時が1番愉しいとおっしゃる御仁も見えますね。今は本当にあらゆる時代、国や車種別、またランクや規格の違うパーツで溢れています。essayの中でも書いていますが、オーダーで成功する鍵はまず頭の中で「完成イメージ」を正確に築く事から始まります。その完成イメージに従って最適な使用目的に合った部品で年代や国別にも気を使って部品同士のバランスにも気をつて集めます。この段階が1番大変ですかね?また規格にも気をつけなければなりません。高価な部品を購入して規格が合わなかったら使えません。小生はこういう失敗も何回か経験しています。で部品担いで工房へ出かけて職人へオーダーの希望を伝えて・・・・と、オーダーは大体こういう手順で行います。今回のマシンを拝見しましてまたぞろ1台オーダーしたくなりました。取材にあたりオーナーのyamanashi様には全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

2010.10.14

No61

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