2006  TOEI  Course  Route

要所にはカンパを使用して'70年代フレンチパーツで構成したTOEI Course Route。カラーはHONDA Fit '04〜'05年のカラー、ローズオレンジメタリック。

はじめに

この車は珍しいステムが付いている他は、フレームカラーが少し個性的なくらいの、“ごくあたりまえのロードレーサー”ですので、歴史的名車、非常に凝った車ばかりの「クラシック名車アルバム」に載せて頂くのには大変恐縮いたしております。マニアの皆様には物足らないとは思いますが悪しからず。

オーダーしたきっかけ

4〜5年前、かなり頻繁に朝練や琵琶湖一周ファストランを行っていた時期があり、いつも一緒に走っていた「京の若旦那」から休憩の度に、「ガード無しも1台要りまっせ」と言われ続けていた。当初は吊るしのイタ車フレームにオールカンパで組む事を考えていましたが、朝練コースに最大斜度
13%があるのでインナー42Tでは厳しそうだったのと、若旦那が毎回乗ってくるルネエルスのクルスルートに魅せられ、フランス風で趣味的要素の強い車の構想に。


製作エピソード

気を付けたのは、とにかく全体のバランスと実走的パーツアッセンブルです。友人がC−T550のロードにわざわざベルトピラーとブルプロサドルを付けて一緒に走ってくれ、車を交換して私のベストポジションにセッティングして写真を何枚か撮り、ゆったりと楽にロングツーリングを走れるアングルと先溜めフォークの注文を付け、写真を見せてアイズさんにスケルトンを決めて頂きました。自宅から自走で琵琶湖一周をして220Km強、デイライトのうちに楽に走って帰れる車に仕上がっています。RDとサドルしか持っていなかった私が苦労を覚悟していたパーツ集めは、志にご理解を頂いた方々のおかげで意外な程スムーズに揃える事ができました。唯一の珍しいパーツであるステムはオーダー当日、本当に偶然にアイズさんに2本のチネリ鉄ステムが入荷していて、1本はチネリバッジが付いた錆だらけのイタリアン、もう1本はピカピカでMILREMOバッジのフレンチ。錆たイタリアンを再メッキしてバッジを取り替えてもらって使っています。その分、ハンドルバーのクランプはフレンチなのでシムを噛ませています。

SPCIAL THANKS: murashinさん

チェーンホイール。

自転車の顔というべきチェーンホイールは・・・
Stronglight93。Stronglightのチェーンホイールにつく数字ですが大抵開発年の場合が多いです。model"49","57","63",などはほぼ合致していますが、この"93"は・・・・・'70年代にはすでに存在していました。

当時の最新ロード用チェーンホイールでmodel"63"の後継チェーンホイールですね。歯数は50×38。

ペダルはTA Route。
チェーンはSedis Sports。

リヤーチェンジ。

フランスタイプ・クールス・ルートなのでフレンチ部品かと思いきや、
定評のあるCampagnolo Nouvo Record。鉄のRecordの後継として'68年頃開発されました。最初の製品には"PATENT"としか打ってなかったですが、後から製造年が刻印されるようになりました。このモデルはPATENT71。まだ初期の頃の製品で入手困難です。

フリ−はCyclo72、 歯数は14×16×19×21×24。
ハブは定評のあるCampagnolo Record LFQR36H。


エンドはロードエンドではなくストレート。将来ガード付のロンシャンにする計画もあるそうで、こちらの方を選択されたそうです。

美しいヘッド付近。

サイズは560mmでこのあたりが完成車として1番纏まって見えますね。
フレームチューブは丹下No1。

ラグはTOEIIオリジナルBカット。クラウンはオリジナルAクラウンで真ん中のヒゲを長くしてあります。CPが美しいですね。写真では分かりにくいですが、金線で縁取りしてあります。

ヘッドはStronglightS5。V4の後継モデル?でそれまでは厚みが薄かったですが、このモデルでは厚くなっています。私が最初に見たのは'72年頃Peugeot Super PX10Eに装着されていましたね。


WレバーはCampagnolo Record。まだアウター受けがついている昔のタイプです。

サドル。

サドルは当初はIDEALE♯90ナチュラルカラーがついていたそうですが、完成2ケ月後の琵琶湖一周ランで大雨に会い、不具合が発生して今のBROOKS Professionalに交換したそうです。

ピラーはSimplex 27.0mm バッジ付のもの。
シートピンもSimplex。

シート上端処理は2本巻きですね。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチは定番のMAFAC Competition。
'70年代のMAFACの代表的ブレーキアーチです。このモデルは刻印の旧型。後からシールになったものやアーチワイヤーの端が両タイコになったもの、タイヤガイドがついたモデルも出ました。

ブレーキシューの位置はさすがTOEIらしくてアジャストの真ん中の位置でビシッと決まっています。

タイヤはチューブラーに見えますが、Vittoria Open Corsa EVO CX 700×23Cです。

リヤハブ付近。

リヤハブはCampagnolo Record LFQR 36H。

フリーはCyclo72 14×16×19×21×24の5スピ−ドです。昔はねぇ、5速で充分足りていたんですが・・・・???今やCampagnolo 2009モデルでは11速・・・・・なんですね。ハァ〜〜〜!!

前ハブ。

前ハブは・・・・・後ろとセットのCampagnolo Record LFQR 36H。
今やどういうわけかラージフランジのハブは大変入手困難になっています。このハブは・・・・クイックなども旧型で今や大変貴重なモデルと言えると思います。

ヘッド部分を前から。

バーはミルレモ。品番は?曲がりを見るとCINELLI No63 CAMPIONE del MONDOあたりの曲がりに近いですね。

ステムはやはりミルレモ 100mm。ミルレモは問屋的?なところでいろいろなメーカーに自社のブランド名を入れて部品を作らせていました。このステムは本来CINELLIの製品で、CINELLIのバッジがついた製品も見たことがあります。

TOEIのヘッドマークはもうずっと変わりません。故加藤一氏のデザインになるもので秀逸だと思います。

ステム。

ステムはミルレモの100mmですが、CINELLI製でミルレモマーク(しかもバッジ)の物は大変珍しいとい思います。初めて拝見しました。

ミルレモのバーはバルジ加工のものでいかにもフランス的、対してイタリア製のたとえばCINELLIではフェルールのものがほとんど全てで対照的ですね。

ペダル。

ペダルはフランス製では最高!!と思われるTA Routeです。
プレートは外して交換することが出来ます。プレートの色も何種類かあります。ベアリングは通常のカップ&コーンではなく、シールドになっていてグリスはグリスニップルから圧入します。

クリップはCHRISTOPHE、ストラップもCHRISTOPHEのサンドイッチ。

ハンドルバーを横から。

バーはミルレモ。品番は?
ブレーキレバーはCampagnolo Record。やや小ぶりのレバーですが、握り具合は非常に良いですね。

バーテープはVIVAのコットン。
写真では分かりにくいですが、バーエンドもミルレモの白を採用しています。

リム。

リムは今では非常に貴重品、ポリッシュ700CリムのMAVIC Module-E 700C。市場からポリッシュの700Cリムがなくなってしまってから久しいですが、非常に良いコンディションのリムです。

この車には当然チューブラーリムが似合うと思われる訳ですが、メンテナンスやチューブラータイヤの良い物がなくなってきている現在、賢明な選択といえると思います。

タイヤはその自転車の走行性能を決定づける非常に重要なパーツです。この車では第一級の性能を誇るVittoria Open Corsa Evo CX 700×23Cを採用しています。外観はチューブラータイヤそのものですね。

フレーム Tube: Tange No1 TOEI original lug
size:560mm
リム MAVIC Module-E 700C
スポーク DT ♯15 DB
ヘッド小物 Stronglight S5 ハブ Campagnolo Record LFQR 36H
ハンガー小物 Stronglight フリー Cyclo72 14×16×19×21×24
Wレバー Campagnolo Record ハンドルバー MILREMO
Fメカ Campagnolo Record バーテープ VIVA Cotton
Rメカ Campagnolo Nuovo Record PATENT71 ステム MILREMO 100mm
クランク Stronglight93 ブレーキレバー Campagnolo Record
チェーンリング Stronglight93 50×38 ブレーキアーチ MAFAC Competition
チェーン Sedis sports サドル BROOKS Professional
ペダル TA Route ピラー Simplex 27.0mm
クリップ CHRISTOPHE ボトル un known
ストラップ CHRISTOPHE ボトルケージ TA Steel
タイヤ Vittoria Open Corsa EVO CX 700×23C ポンプ ZEFAL Competition

2006 TOEI Course Route 仕様表

編集後記

去年、私もTOEIでフランスタイプ・クールス・ルートを作った訳ですが・・・・・いや、やはりゴールデンエイジのフランス部品はきれいですよね。Campagnolo Recordのカッチリとした仕上げや超一流の性能も良いですが、フランス部品のどこか人間味のあるデザインや仕上げなど、性能ではイタリア・Campagnoloに負けますが、私は好きです。

今ではCampagnolo VS SHIMANOの争いですが、'60年代後半〜'70年代Tour de FranceではCampagnolo VS フランス部品でした。'67年はプジョーに乗ったR・パンジョン、'75 '77はやはりプジョーに乗ったB・テブネが優勝します。これを最後にフランス部品はCampagnoloに押されてしまいます。しかし、Campagnoloの天下は長くは続かずはるか海の向こうの日本から"SHIMANO"がCampagnoloの新たなライバルとして立ちふさがる事になります。・・・・この車はフランス部品の古き良き時代の部品で纏められていて大変上品に纏まっていると思います。今回所有のmurashinさんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

2008.7.25

No38