2000 TOEI TANDEM Millennium Special Model

今までかつてこんな凄いシャンテルータイプ・タンデムは・・・見たことありません。取材出来て光栄です。部品はフランスゴールデンエイジタンデム専用部品使用で、フレーム材料、工作も素晴らしい、正にTOEI社技術の粋を集めた、ゴージャスな1台と言えると思います。カラーはHONDA F1のアイボリー色+日の丸の赤色。(専用色です)

話は10年ちょっと前に遡ります。確か'98年頃でしたか、2000年記念で○田氏が各地の有名TOEIオーナーの方に限定モデルを作りませんか?と企画したのが発端だったと思います。まず資格が凄くて40歳以上、メカにも詳しいある程度のベテランで、車のカラーは初めから決まっていて(タイトル写真の1パターンのみ)仕様も専用部品(特製ヘッドマーク、アルミ製ヘッドランプ等)があり、使用部品もかなり限定でクランクは5アーム、箱型チェンジ、センタープルブレーキ、イデアルかブルックス本革サドル、前後電装装備・・・・etcというものでした。幸か不幸か私の所には話は来ませんでした。それではオーナーのコメントです。

・・・・・・・・・・・さてTOEI2000タンデムですが、今から思えば、我ながらすごい決断だったと思います。TOEI2000のプロジェクトが○田さんから出された時に、限定でつくった“これ用”の オリジナルパーツ(ロジウムメッキのヘッドマーク、ピン球型ヘット等)が、あと3セット?だったか残っているよとのことでした。そこで、この際ペアでミキストもつくろうか、え〜い、おまけにタンデムもお揃いでと、 思いついたわけです。

問題は、プロジェクトのレギュレーションから逸脱せざるをえない箇所も出てきたのですが、今回のプロジェクトの“おまけ(番外)”として、少々のフライング?はお許しをいただきました。そんなわけで、一挙にまとめて3台オーダーという暴挙に出ることになりました。いつもオーダー時には費用も聞いたこともありませんが、今回ばかりは総額もいくらに なるのか(特にタンデムは時価?)見当もつきませんでしたが、時の勢いで後先考えずにオーダーしてしまいました。(もう二度とできません)

タンデムは長年の懸案事項で、タンデム用パーツは社会人になったころから、いつかは つくりたいとの思いから集めてきていましたので、全てが揃っており、東叡社へはいつでも持ち込める状態でしたので、このプロジェクトが後押ししたわけです。

毎度のことですが、食材は自分なりに最高のものを集めたつもりで、これらを提供し、 あとは出来上がりを楽しみに、シェフに全てお任せのパターンです。細かいことは一切言わず、好きに料理して下さいとのオーダーです。結果は、今回のプロジェクトのレギュレーションからは外れていますが、トータルイメージ は崩さなかったと思っております。

出来栄えについては本当に満足できるもので、我が家の宝(思っているのは私だけか?) となっております。スタジオで写真を撮り、東叡社にパネルをお渡ししましたが、☆野さんから個人用にもう一つつくってと依頼されました。多分、☆野さん、ご自身も納得された会心の作だったのではないかと思います。タンデムの製作にあたっては、原寸大の図面を書かれてスタートするようですし、これの製作中には、ソロのラインを止めて行なうので、やはり労力は相当なものと思われます。それに伴い、コストも相当な額になるのは当然と思われます。(ベースチューブの記念デカールは、私がマーク屋さんに特注したものです)

Special thanks: U野さん    Photo: UGの兄♭♭♭さん

チェーンホイール。

クランクはStronglight99 タンデムセット。
キャプテン側は170mm, ストーカー側は165mm.

フランスタイプタンデムクランク5アームと言うことでやはりこの辺になりますよね。リングも同じ Stronglight99 52×44×30。

タンデムは2人でクランクを廻すので平坦でしたらソロとは比べ物にならないスピードが出ます。従ってアウターはやや大きい歯数をつけるのが普通です。

Rチェンジ。

Rチェンジは シクロランドナー5スピード。
Rene'HERSEのシャンテルータイプのようにキャプテン側のチェーンホイールからチェーンをここまで伸ばしたらテンションは強力に引っ張る必要があります。

通常のチェンジではテンションを上げるのは難しく、その点シクロランドナーでしたら写真でも見えていますがテンションスプリングを2本にするなりして解決することが出来ます。

シクロランドナーはタンデムに向いているチェンジと言えると思います。

フリーが写っていますが、ATOM タンデム用 14×16×18×20×23です。

Fメカ。

FメカはTOEI オリジナルWワイヤー式。
全て手造りで左右の移動はラック&ピニオン式です。

ガタが無くスムーズに動くように設計製作はTOEI社技術の粋が集まっています。メカはもとよりシートチューブの直付け位置も細心の注意が払われ、チェンジに最適な位置に取り付けてあります。


ベースチューブにReynolds531のデカールが見えますが、タンデム用の太い楕円チューブです。Reynolds531はこのベースチューブとFフォークでタンデム用を採用してあるそうです。他は丹下プレステージタンデム用オーバーサイズ。

Fメカを後ろから。

駆動システムはこのようになっています。
Wワイヤーでピニオンが左右に回転してラックに取り付けられた羽が
左右に動いてチェンジする・・・・という仕掛けです。

構造は比較的簡単なようですが、精度は非常に高い物が要求されます。

写真でお分かりのようにエキセントリックハンガーは前にあります。
(前後小チェーンホイールを連結しているチェーンのテンションを取る)

サドル。

サドルはIDEALE♯92 Diagonaleです。面白いことにこのサドルは男性用と女性用があります。このキャプテン用サドルは男性用。

ピラーはSimplex。


ストーカー用ステムにはTマーク刻印が施してあります。

ストーカー用サドル。

ストーカー用サドルは前出と同じIDEALE♯92 Diagonale。
で女性用です。ウ〜〜〜〜ン、この辺はフランスの自転車文化の奥深さを感じさせますよね。

女性用は鼻が短くなっています。ピラーは同じSimplex。

美しいヘッド付近。

フレームチューブは丹下プレステージオーバーサイズ、
ラグはTOEI オリジナルEタイプ(!!!)
普通はオーバーサイズのチューブなのでラグレスになります。このラグはこのフレームだけの為に特別に作られたものです。

ヘッドセットはShimano XTR オーバーサイズ。
下に見えているエキセントリックレバーはTOEIオリジナル。

ステアリング部分。

ハンドルバーはフィリップ・プロフェッショナル。
ステムはTOEI オリジナル2000年記念モデル。

ブレーキレバーはMAFAC タンデム用。
右のレバーはアウターが2つ出ていますが、前後キャリパー用です。

タンデムにはブレーキは全部で3つ装備されています。残りの後ドラムブレーキは左のレバーで操作します。

ストーカー用ハンドル。

ストーカー用ハンドルバーはこのようになります。
ミルレモ・レンフォース・ランドナー。

幅ですが、キャプテンのお尻が来るので(笑)相当広くないとキャプテンはペダリングがしにくいですね。

Fキャリア付近。

ヘッドランプはSoubitezのお団子ランプ・・・・に見えますが、なんと、2000プロジェクトチームN氏手配軽合金製のランプです。これも2000年記念モデルの特別製パーツです。ヘラ絞りで作ったそうです。


ブレーキアーチはMAFAC Dural Forge をひっくり返してTOEI刻印をしています。
舟付シューはShimano XTRに交換しています。

前ハブ。

前ハブはタンデム専用部品のMAXI-CAR。
タンデムのハブと言えばこれですよね。本来はナット止めですが、Huret Luxeウィングナットに交換しています。

後ハブ。

この巨大なハブはMAXI-CAR。タンデム専用で内部にドラムブレーキを内蔵しています。ちょっと見難いですが、画面右下に操作レバーがあって、左ブレーキレバーを操作するとレバーの動きで中にあるドラムブレーキが効く様になっています。

優美なリヤシートチューブ。

ガードの曲線にピッタリ合わせてシートチューブを曲げています。これは見た目以上に高度な技術が必要。Rene'HSRER製作レポートでは中に砂を入れて曲げる伝々・・・・の記述がありました。
Rene'HERSE シャンテルータイプの特徴であるこの曲がったシートチューブで確か75mm程度ホイールベースが短縮になります。それだけ運動性能が良くなるわけですが、ストーカーは後ろホイールに乗っかった形になります。

本来この曲がったシートチューブの"シャンテルー"は競技用とされています。真っ直ぐなシートチューブの"バカンス"はどちらかと言うとツーリングタイプですね。

ダウンチューブのマーク。"LIMITED MODEL"となっています。"TOEI"のグリーンも特別色です。普通は白か黒色です。

左がフロントシートチューブ、右がリヤシートチューブの登り竜のマーク。このマークの車は少ないですね。このマークは今でもオーダー可能だと思います。

Reynolds531マークに見える、2000年モデル記念マーク。

Fチェンジコントロールレバー。リヤはTOP側でワイヤーが弛むのでエキセントリックの必要がありますが、フロントはその必要がないので真円になっています。

テールランプはウロ。ちゃんと点灯します。

ダイナモはお馴染みSoubitez12N。

タイヤ。

タイヤはなんとタンデム専用WOLBER 650×32B。
ウ〜〜〜〜ン凄いです。ここまで専用部品をちゃんと準備している点がさすが!!だと思います。

タンデムはソロと違って専用部品は結構多数あります。■フレームチューブ■ヘッドセット■チェーンホイール■フリー■リヤチェンジ■ストーカー用ハンドル■ストーカー用ステム■ハブ■ブレーキレバー■スポーク■タイヤ・・・・・etc

タンデム1台分専用部品を集めるだけでも結構大変だと思います。

リム。

リムは昔から定評のあるSUPER CHAMPION650B。ハブとの兼ね合いで36Hですね。

スポークはDT♯14プレーン。タンデムのトラブルはやはりホイールが多く、ホイールはとにかく丈夫に組む必要があります。



ペダル。

ぺダルはお馴染みLyotard♯23。昔このペダルはピスト用と聞いた事があります。が、ツーリングで使っている方は大変多いですね。
クリップはCHRISTOPHEアルミ製、ストラップは同じCHRISTOPHEの白。

チェーンレイアウト。

タンデムのチェ−ンレイアウトは2通りの方法があります。この写真の方法とチェーンホイールが後ろにつく方法です。

Rene'HERSEでは写真の方法を採用しています。理由としてはいくつか考えられますが、1番大きいのはシャンテルータイプではチェーンステーが短くなるので後ハンガーにチェーンホイールをつけるとチェーンのたわみ量が大きくなり物理的にチェンジが難しくなるから・・・・だと考えています。写真の方法で長所は・・・・

■チェーンのたわみ量が少なくて済む。
■コントロールケーブルが短くて済む。・・・・・etc

デメリットもあり、
■Rチェンジのテンションは強力なものが必要
■チェーンはソロのほぼ3台分必要で重くなる。

・・・・・というのが考えられると思います。

ポンプ。

ポンプはベースチューブの下に取り付けてあります。
ポンプはAD-HOC INTEGRALE。

ベースチューブに貼ってあるデカールですが、わざわざオーダーして製作したものだそうです。

フレーム tube:TANGE pre-stige oversize Reynolds531 F-fork base-tube, TOEI original lug E-type 
size: c-c 520mm c-c 460mm
ヘッド小物 Shimano XTR Over size
ハンガー小物 Stronglight Compretition
Wレバー TOEI Original eccentric Lever
Fメカ TOEI Original rack & pinion
Rメカ Cyclo Randonneur 5V
チェーンホイ−ル Stronglight99 Tandem set 52×44×30
チェーン Sedis Sport
ペダル Lyotard ♯23
クリップ CHRISTOPHE
ストラップ CHRISTOPHE
ガード HONJO 650B
タイヤ Wolber 650×32B TANDEM
スポーク DT♯14
ハブ MAXI-CAR 36H TANDEM
フリー ATOM TANDEM 14×16×18×20×23
ブレーキアーチ MAFAC Dural FORGE
ブレーキレバー MAFAC TANDEM
Fハンドルバー PHILIPPE Professional
Rハンドルバー MILREMO RENFORCE Randonneur
Fステム TOEI Original
Rステム TOEI Original
バーテープ Cotton
Fサドル IDEALE ♯92 Diagonal for Gentleman
Rサドル IDEALE ♯92 Diagonal for Lady
ピラー Simplex
ダイナモ Soubitez 12N
ヘッドランプ 2000 project team Original Light alloy,  type Soubitez Golf-ball
テールランプ ULO
ボトル TA
ボトルケージ TOEI  Original
ポンプ AD-HOC INTEGRALE

2000 TOEI TANDEM Millennium Special Model 仕様表

■編集後記

今回初めての車種としてタンデムを取材することが出来ました。取材と言っても写真はUGの兄♭♭♭さんから提供して頂いてもらっています。そう、この車は過去にRRCBに載った車です。タンデムとしてはそう、過去に何台かのタンデムを拝見しましたが、日本タンデム史?にに残るであろう、極めて完成度の高い車だと思います。部品構成、寸法の取り方、特殊工作、で1番驚いたのが「ラグ」です。タンデムはオーバーサイズのチューブを使用するので必然的にラグレスになります。ラグ付きのタンデムは数えるほどしか存在しません。この車はその貴重な1台になっています。でタンデムの種類としては競技用の「シャンテルー」とツーリング用の「バカンス」がありますが、今回競技用シャンテルータイプは取材出来たのでいつかバカンスも取材したく思っております。過去には私も嫁さんと走ろうとタンデム部品集めた事がありますが、自分で設計図引いてみてかなりカッコ悪い車になってしまうので諦めた経緯があります。(笑)タンデムに乗ろうとする夫婦は身長差はあまり無い方がカッコ良いタンデムになりますね。写真提供のUGの兄♭♭♭さん、またオーナーのU野さんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

2010.1.9

No52