1996 TOEI 650B RANDONNEUR

フランス黄金期のパーツで上品に纏まったフランスタイプ・650Bランドナーです。カラーはイエローに見えますが、ライトオレンジのメタリック?のようです。

ここしばらくガードなし車が続いたので久方振りにガード付ランドナーです。タイヤサイズは650B、昔からのスタンダードのサイズですが、今でもタイヤ、リムは入手可能です。ランドナー全盛期は道の舗装率がまだ低くて、42Bのタイヤの車が必要でした。私も2台ほどTOEI社にオーダーして信州など良く走ったものでした。ダートの道を太いタイヤで走るのも結構面白いもので、タイヤもHutchinson、Wolberなど交換してあちこち各方面走ったものでした。この車はギヤ比からお分かりのようにSportifに近い、Rene'HERSEの"RANDONNEUSE"をTOEIで具現した車と言えると思います。それではオーナーのコメントです。

この自転車はエルスのランドヌーズに倣って、650BのWOタイヤを履き、ガード、キャリア、ランプを装備したレーシングモデルとして作りました。時代的には使いたいパーツの関係から1960年代前半としました。パーツもエルスに倣ってフランス製にこだわらず、高性能でカッコいい物を選びました。(一部時代的に合わない物も混じっています。)
 輪行とか峠を登ることを想定していないので走れるところは限られますが、私の自転車の中では一番纏まりがよく仕上がったと思っています。昨今は色んなパーツが手に入り易いためか、新春サイクルミーティングでは、「普通の自転車ジャン!!」と言われてしまいました。

■Special Thanks: ZEUS2000さん

後チェンジ。

皆さんよくご存知のSimplex Juy Export61。
この前のモデルはSimplex最高傑作、Juy Record60でした。
タケノコ式としては世界最高性能&デザイン、それゆえ、Campagnolo Gran Sportに端を発したパンタグラフ式チェンジの開発は1歩出遅れてしまいました。

多分、Simplexとしては焦って製品開発したと推察されます。
商品寿命は短く、すぐにPrestigeにとって変わられました。

チェーンホイール。

クランクはStronglight63 170mm、リングも同じstronglight63 47×38。

Competitionモデルの為、一般的なランドナーと違ってギヤ比は高くなっています。

FメカはCampagnolo Record 旧型ですね。
チェーンはSedis。

美しいヘッド付近。

チューブは丹下No1,ラグはTOEI オリジナルカットBタイプ。ヘッド小物はCampagonolo Record Pista。
さすがTOEI社のラグワークは素晴らしい仕上がりですね。

ところで・・・・サイズは510mmです。(C→T)
このサイズにしてはヘッド長さが長い・・・・と思いませんか?
このヘッド長さだと535〜540mm程度に見えますよね。

実は・・少しTOPチューブが上がっているそうです。全然分かりませんよね。サイズが小さくてラグを諦めることはありません。このような方法があります。

バーはAmbrosio Gran-prix370mm、ステムはAmbrosio Champion80mm。

サドル。

サドルはIDEALE♯51。
刻印の下に"Cyclo Cross"とあり、やはりシクロクロス用?ツーリング用とどう違うのか?
さすが、こんな用途にまでサドルがあるとは驚きです。

ピラーはSimplexバッジ付。

ハブ。

ハブはフランス製のものではなく、Campagnolo Record LFQR32H。
張り方は逆イタリアン?
スポークはRobergel Trois Etoiles。

Fキャリア付近。

ブレーキアーチはMAFAC TOP63。
TOEI直付工作の精度は素晴らしいです。

ヘッドランプはJOS431C。
このタイプには良く似合うランプだと思います。

フレームの線引きは黒線のようですね。

後ブレーキアーチ付近。

ブレーキアーチはこのシリーズでも何回か登場したMAFAC TOP63。
当時の代表的なMAFACのブレーキアーチです。上下アジャストは出来ないかわりに船が上下に首を振って多少の角度調整が出来ます。

リヤテールランプはJOS FU。直付テールランプでは定番だった部品ですが、やはり希少品で今では凄くします。
TOEI製のJOS風テールランプは廉価で性能、デザインも良いですね。

ハンドルバー付近。

ハンドルバーはAmbrosio Gran prix370mm、ステムはAmbrosio Champion80mm。

ブレーキレバーはMAFAC、このレバーはドットMAFACの古いタイプですね。

バーテープはコットン、ニス仕上を施しています。

ペダル。

ペダルはクイルタイプ、ATOM♯700。
クリップはCHRISTOPHE、ストラップはAlfledo BINDA。


Competition モデルなのでストラップにはエンドをつけています。
フレーム色と揃えているのが良いですね。

ダイナモ。

ダイナモは定番のSoubitez12N。
この辺はオーソドックスな部品選定だと思います。

ローラーゴムはVelox。
TOEI社の凄い所はダイナモを倒すとピタッとリムドライブになるところで、直付寸法の精度が凄く良いです。

ハンガー付近を左から。

ポンプはAD-HOC INTEGRALE、元々プッシュオンタイプのポンプです。普通のAD-HOCではホースタイプで別にアダプターをつけなければなりませんが、このポンプではそういう必要はないですね。

FメカはCampagnolo Recprd 、アウター受け付きの古いタイプです。

ボトルケージはIRIBE Stainless 3mmパイプの優れモノ。超軽量な製品です。

タイヤ。

タイヤはMichelin Axial Raid 32B。
今では大変貴重な650×32Bサイズのタイヤ。
昔はWolber Super Radonneur32Bがあったのですが・・・・


今は昔のようには種類はありませんが、I's Bicycleさんから650Bサイズのリムタイヤが安定的に販売されていていて喜ばれています。

リム。

リムはもうお馴染み、Super Champion650B 32H。
Super Championの昔のリムはこのほかにも28Hや36H、ノーホールのリムがあって自分で好きな穴数に加工できるようになっていました。

ハンドルバー付近を前から。

ハンドルバー
はAmbrosio Gran-prix370mm、ステムはAmbrosio Champion80mm。

このステムは日東ダイナミックのモデルになった有名なステムですね。このステムが本家本元です。

フレーム TOEI  tube: TANGE No1
lug: original type B
size: 510mm top: 525mm
リム Super Champion 650B32H
スポーク Robergel Trois Etoiles
ハブ Campagnolo Record LFQR
ハンガー小物 Stronglight フリー SHIMANO 15×17×19×21×24
ヘッド小物 Campagnolo Record Pista ブレーキアーチ MAFAC TOP63
Wレバー Simplex Alloy ブレーキレバー MAFAC
Fメカ Campagnolo Record ハンドルバー Ambrosio Gran Prix 370mm
Rメカ Simplex Juy Export61 バーテープ cotton
クランク Stronglight63 170mm ステム Ambrosio Champion80mm
チェーンリング Stronglight63 47×38 サドル IDEALE ♯51
チェーン Sedis ピラー Simplex
ペダル Atom700 ダイナモ Soubitez12N
クリップ CHRISTOPHE ヘッドランプ JOS431C
ストラップ Alfredo BINDA テールランプ JOS FU
ガード Grand Bois ボトルケージ IRIBE Stainless
タイヤ Michelin Axial Raid 650×32B ポンプ AD-HOC INTEGRALE

1996 TOEI 650B RANDONNEUR 仕様表

■編集後記

今回は久々のガード付TOEIランドナーということで気合が入ってしまいました。(笑)
Rene'HERSEのランドヌーズがコンペテイションモデルだったというのはギヤ比を見ても分かると思います。今回のこの車はRene'HERSE ランドヌーズをTOEIで具現したモデルになっている、と思います。当時の日本ではまだまだ道が悪くてランドナーというと太い42Bが定番でしたが、エルスカタログのランドヌーズではホイールサイズ700Cの比較的ギヤ比が高い車・・・に見受けられます。同じカタログで"DIAGONALE"という車種がありますが、こっちの方がフリーの歯数が多い(大きい)という以外はあまり違いが分かりませんでした。それにしても部品といい、工作といい、シルエットといい、趣味の自転車の理想形であるところのランドナーがなぜこうも廃れてしまったのか???非常に残念の1言です。私はつくづくランドナー全盛期に自転車を始めて良かったと心から思っております。今回取材にあたりZEUS2000さんには全面的にご協力頂きました、この場をお借りしまして厚くお礼申しあげます。

2009.4.11

No46