1989 TOEI Sportif

一見、ごく普通のTOEI Sportifに見えますが・・・・・今回のこのマシンには物語が詰まっています。詳細は以下。カラーはFERN(植物のしだの意)という、あのROLLS ROYCEのカラーだそうです。

このTOEI Sportifですが・・・・・・現オーナーの港町さんがオーダーしたマシンではなくて京都・I'Sさんから購入したものです。購入は'08年7月だったそうですが・・・・・2年ほど経った'10年7月、なんと・・・・街中をこのマシンで走っていてオバさんの自転車と正面衝突、TOPチューブとダウンチューブが曲がってしまいました。さあ、これからこのマシンで各方面に走りに行こうと考えていた矢先のちょっと不幸な出来事でした。
・・・・・で過去に小生のHPでやはりダウンとTOPが曲がってしまって見事に蘇った青レンガさんのZEPHYR Sportifの事を思い出されて小生にご連絡して頂きました。写真を拝見してこの程度ならば問題なく直るでしょうと港町さんにご連絡してこの話を聞きつけた東京在住の青レンガさんがTOEI社まで同行して港町さんがこのマシンのフレームを持参、約3ケ月後に見事に蘇りました。今回のこのマシンにはこのようなTOEIのマシンを通じての人と人とのつながりを感じさせるなんというか、暖かいものを感じた次第です。
今回の見事な復活ですが・・・・・チューブ交換はラグ付のマシンは1回に限り可能です。ラグレスのマシンは・・・・出来ません。港町さんのこのマシンのラグカットですが・・・・今まで拝見したことはなく、非常に珍しい貴重なカットのラグでヘッドチューブは大丈夫だったので以前の様な状態を維持することが出来ました。

■Special Thanks : 港町さん

チェーンホイール。

クランクはご存知、今は非常に入手困難なStronglight Super Competition63。最後の数字は発表年代?にほぼ合致しています。有名な49Dはやはりこのあたりの年に発表されていますね。

リングは・・・・なんと驚きべき事に港町さんがSUGINO パターンレスから自作したという・・・・48×38。驚きべき技術だと思います。

FメカはCampagnolo Record

まずは・・・・この写真から。
2010年7月、街でぶつかってしまって(自転車同士)TOPとダウンが曲がってしまいました。体の方はそう問題なかったようで不幸中の幸いでした。
しかしながら・・・・買ってそう日も経ってない港町さんの愛車が・・・・・トホホ・・・・・・元のカラーはつやありブラックでした。

右側から。
左の写真ではよく分かりませんが、この写真からはヘッドラグのカットが良く分かります。小生、TOEI Dカットというのは知らないのですが・・・・A、B、C、E、カットのどれでもありません。このカットは今まで見たことはなく非常に珍しい・・・・と考えています。チューブはReynolds531、ヘッド小物はCampagnolo Record PISTAです。

早速TOEIに持ち込まれて、TOPチューブとダウンチューブは交換になります。写真は外されたダウンチューブ。ラグのカットの形がきれいに残っているのが分かります。

ア〜ア、TOPとダウンチューブが外されてしまいました。ヘッドチューブと前フォークは大丈夫でそのまままた使用するという事でした。

■そして・・・・約3ケ月後見事に蘇りました。

リヤメカ。

リヤメカは'60年代の名品、Campagnolo Record。'68年にNUOVO Recordが出ますが、それまでは世界最高性能を持つチェンジでした。港町さんのは鉄プーリーで非常に良い状態のようです。

フリーはSuntour Winner 14×16×18×22×24。
チェーンは SEDIS。 

蘇ったダウンチューブ。

以前と同じ仕様にしてありますね。チェンジケーブルは内蔵、金線引きです。

ポンプはこれまた今では非常に入手困難なAD-HOC Special Course。

サドル。

サドルは昔から定評のあるBROOKS Professional。
ピラーは隠れてちょっと見えてないですが・・・・Simplex。

ハンドル部分。

ハンドルバーはフランス製CTA。CTAのバーは今回初めて拝見しました。非常に珍しいバーですね。ハンドルバーテープはシェラックニス仕上げになっています。

ブレーキレバーはMAFAC。
ステムはTOEI オリジナル80mm。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはMAFAC Competition。もちろん刻印のものです。
写真で拝見する限りごく初期の物のようです。

リムは最近発売されたGrand bois ABEILLE 700C
32H。小生も同じリム使用していますが・・・・ポリッシュ仕上げで非常に良いリムだと思います。

ぺダル。

ペダルは昔から定評のあるCampagnolo Record。
思うに一番頑丈で耐久性のあるペダルです。

クリップはイタリアのALE。で良く見ると・・・・ぺダルとの間にスペーサーを挟んでいます。サイズがちょっと合わない時はこの方法は有効ですね。

ストラップはフレームの色に合わせたBINDA。

美しいヘッド付近。

チューブはReynolds531、ヘッド小物はCampagnolo Record PISTA。
ラグのこのカットは・・・・このマシンで初めて拝見しました。

ベルはUniversal。

ブロックダイナモ。

ブロックダイナモはJOS "Type B"。
Sportifにブロックダイナモの組み合わせは・・・ちょっと珍しい・・・・と思います。

Fキャリアは通常の7mmの物のようです。

ハブ。

ハブはMAILLARD Proffssionnel LF 32H。
クイックは
Simplex QR。現在入手困難な1番人気のクイックですね。

1989 TOEI Sportif 仕様表

フレーム Tube :Reynolds531  TOEI Original Lug  size:520mm  TOP540mm
ハンガー小物 Stronglight Competition
ヘッド小物 Campagnolo Record PISTA
Wレバー Canpagnolo Record
Fメカ Canpagnolo Record
Rメカ Canpagnolo Record
クランク Stronglight Super Competition63
リング Self made 48×38
チェーン SEDIS
ペダル Canpagnolo Record
クリップ ALE
ストラップ BINDA
ガード HONJO 700C
タイヤ Panaracer PASELA 700×28C
リム Grand Bois ABEILLE 700C 32H
スポーク Stainless ♯14〜15
ハブ
MAILLARD Proffssionnel LF 32H              Simplex QR
フリー Suntour Winner 14×16×18×22×24
サドル BROOKS Professional
ピラー Simplex
ハンドルバー CTA 400mm
バーテープ cotton
ステム TOEI original 80mm
ベル Universal
ブレーキレバー MAFAC
ブレーキアーチ MAFAC Competition
ブロックダイナモ JOS "type B"
リフレクター HASEGAWA Original
ポンプ AD-HOC Special Course

■編集後記

このマシンのオーナー、港町さんとは・・・・何年か前からの知り合いで、今回は例の相談をお受けしましたのでこれも何かの縁と思ってこのマシンを取材させて頂くことにしました。今回の1989製TOEI Spotifですが、元はI'sさんのお店で確かそんなに高くないリーズナブルなお値段で販売されていたマシンです。お見受けしたところセミオーダーではなくてフルオーダーの素晴らしいマシンで当然の事ながら部品も貴重品が多数採用されていて組立てもしっかりしていました。一体誰が購入すのかなあ・・・・と思っていたら知合いの港町さんで(笑)いつかはこのマシンでご一緒できたら・・・・と考えていました。でちょっとぶつかってしまわれましたが見事に復活、今回のクラシック名車アルバムに登場となった次第です。今どうでしょうね、一から部品集めてフルオーダーしたら部品集めで何年かかかってTOEIオーダー完成まで現在1年待ちの状態ですので、港町さんのこのマシンは非常に良い買い物だったのではないでしょうか?これを機会に是非小生のTOEI Sportifといつかご一緒できたら・・・・と思っています。今回の取材に際し、オーナーの港町さんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

No64

2011.1.21