1969  TOEI  CYCLO CAMPING

No23

さて好評のクラシック名車アルバムも23台を数えるに至りました。いつも見て頂いて有難うございます。今回のこの車は・・・・・
なんと言ったら良いか、今日のTOEIの基礎になった、日本のオーダー車の歴史上、非常に重要なエポックメイキング的な1台になっております。今ではごく普通にオーダー出来る、TOEIオリジナル部品のチドリ、シクロランドナーのエキセントリックレバー、スイングアームスライド式のFメカ、カーボンブラシ使用コード完全内蔵、ヘッドランプの中空取り付け台座などはこの車のオーナー、ijyuuinさんがまだTOEI社が手がけてなかった、'69年以前に自作、この車に取り付けたものです。材料は航空機用超々ジュラルミンだそうです。TOEI社はこの車のijyuuinさんの自作部品を参考に'69年以降はオリジナル部品として作るようになりました。私もこの辺は良く覚えていて、東京サイクリングセンターの広告にオリジナルチドリが大きく載っていて、「完成車オーダーのみ取り付けます」なんて出ていましたね。(笑)

一番驚いたのがやはりシクロランドナーのエキセントリックレバーで、オリジナルのシクロのレバーは真ん丸ですが、ijyuuinさんはロー側のワイヤーの弛みを取る為、偏心にした点です。これにより、ロー側でもワイヤーは弛まなくなりました。面白い話があって、iyjuuinさんは8ケレバーを作ったそうですが、今は亡き今井編集長やチ氏から依頼されて作ったレバーを譲ったそうです。NC誌'69年の9月、10月号に今井編集長のシクロツーリズムが掲載されていますが、エキセントリックレバーはijyuuin氏製作のものです。またこの車はNC誌'72年1月号でTOEI広告に掲載されております。それではTOEI歴史上、また日本のオーダー史上貴重なエポックメイキング的な1台となった'69TOEI CYCLO CAMPINGをお楽しみ下さい。オーナーのijyuuinさんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。

Fキャンピングキャリアを取り付けたところ。

普段は外されているそうですが、わざわざ
取り付けた写真を送って頂きました。
有難うございます。


私もこのタイプは'77年にオーダーで
作ったことがあります。

SPECIAL THANKS: Ijyuuinさん

シクロランドナー。

ヘリコイド式のチェンジ。3速4速5速、鉄・アルミ製、チェーンガイドのあるなしなどいろいろな種類がありますが、これはアルミ製、5速、チェーンガイド付きのもの。

私の駆け出しの頃はまだ\4000位で箱入りで売っていました。買っておけばヨカッタ〜〜〜〜!!(笑)

'69年製、TOEI CYCLO CAMPING。TOEIオリジナル部品のお手本になった非常に貴重な車です。色はビーズオレンジ。

チェーンホイール。

クランクはStronglight49D、リングはTA 49×44×28。

ぺダルは極東プロエース。ロードタイプですが、玉当たりは非常に良いですね。私も使った事があります。
「日本のCampagnolo」なんていう別名がありましたね。(笑)
ポンプはZefal Solibloc。

美しいヘッド付近。

チューブはReynolds531、ラグはTOEIオリジナル。(Bカットの原型と思われます。)ヘッド小物はStronglightV4。

ステムはGRAN-PRIX。バーはPIVOランドナ−。

シクロランドナーのエキセントリックレバーが写っていますが、オーナー、ijyuuinさん自作のレバーです。どの程度の偏心にするか、試行錯誤も多々有ったと思われます。

チドリもijyuuin氏製作の作品です。


写真では分かりませんが、カーボンブラシ使用のコード完全内蔵工作(ヘッド部分)もijyuuin氏考案、製作のものです。自在接点になっていて、輪行の時ヘッドを抜いても配線などに触る必要はまったくないです。

サドル。

サドルはIDEAL♯90軽合ベースの初期型のもの。
内曲げでベースの板も厚いです。

ピラーはTOEIオリジナルの1本ピラー。

日本で最初に考案、自作のエキセントリックレバー。

本家シクロも考えなかった偏心させてあるレバーです。
これにより、ロー側にチェンジしてもワイヤーは弛みません。


この車以降のシクロランドナー仕様車のお手本となりました。

スイングアームロッド式Fメカ。これもIjyuuin氏製作の作品です。

いや、驚きですよね。この車以降はTOEIオリジナル部品として完成車についているのを何台か拝見していますが、TOEIオリジナルFメカそのままです。完成度の高さが伺われます。

ボトルはサイクリストクラブ「はづき」の30周年記念品。
ボトルケージは軽合のMINOURA。

ヘッドランプ。

ヘッドランプは・・・・JOS663CV。
ヘッドランプの中空取り付け台座もijyuuin氏製作の作品です。ランプオリジナル取り付けは簡単なプレス部品が多いですが、この取り付け台座はコードも完全内蔵、格調高く仕上がっています。

ガードは本所のもの。

リム。

リムは珍しい、Super Championのゴールドラベルのもの。ラベルは赤、青、金などいろいろな種類があります。ゴールドラベルのリムはめったに見られません。


バーを前から。

バーはPIVOランドナーバー。
ハテ?そう、ステムはイタリア規格、バーはフランス規格ですので、スペーサーがステムに入っています。

曲がりが・・・・・良いですね。

横から見たバー。

バーの曲がりですが、リーチ、ドロップなどはこの車にピッタリ合っていると思います。

それにしても・・・・塗装色にバッチリ合ったバーテープですね。
ブレーキレバーはMAFAC '60年代のもの。レバー自体が細く、曲がりが優雅です。

自作のチドリ。

今のTOEIオリジナル部品のモデル(まあ、本家本元はRene'HERSEですが)になった、Ijyuuin氏製作の作品です。

材料は航空機用超々ジュラルミンとの事です。

ダイナモ。

ダイナモはこの当時の定番、JOS Type-P。

ブレーキはこれまた当時の定番、MAFAC Criterium。
この2つの部品は私も使っていました。

ベル。

ベルは当時はごく普通に売っていた、SON-NETのチンカンベル。何百円程度でしたよね。私もいくつか持っています。

テールライト。

リフレクター&テールライトは今や貴重品のJOS FCC。
FCMよりもちょっと大きいです。

当時はごく普通に売っていて、そんなには高くなかったですね。

フレーム Tube:Reynolds531
TOEI Orijginal lug
Size:550mm TOP:540mm
スポーク HOSHI Stainless ♯14〜♯15
ハブ Campagnolo NUOVO TIPO LFQR
ハンドル PIVO
ヘッド小物 Stronglight V4 ステム AMBROSIO GRAN- PRIX
エキセントリックレバー Original selfmade ベル SONN-NET
Fメカ Original selfmade バーテープ Cotton
Rメカ Cyclo Randonneur ブレーキレバー MAFAC
クランク Stronglight49D ブレーキ MAFAC Criterium
ハンガー小物 Stronglight Competition サドル IDEAL♯90
チェ−ンリング TA 49×44×28 ピラー TOEI Original
ペダル Kyokuto Pro ace Road ヘッドランプ JOS 663CV
チェーン Shimano HG70 テールランプ JOS FCC
フリー Atom 14×16×18×21×24 ダイナモ JOS Type-P
マッドガード HONJO 650B ボトル HAZUKI  30th Anniversary
タイヤ MITSUBOSHI Trim line 650B ボトルケージ MINOURA
リム Super Champion 650B ポンプ ZEFAL Solibloc

1969 TOEI CYCLO CAMPING 仕様表

編集後記

私がまだ駆け出しの頃はシクロランドナーのメカはまだごく普通に売っていて、買おうと思えば買える状況にありました。しかしながら・・・・もう時代はパンタ式になっていて、タケノコやヘリコイド式などはもう使うことも無い・・・・と考えていました。
趣味性がなかったのは非常に残念ですが、(笑)このシクロランドナーのエキセントリックレバーの事はなんとijyuuinさんと同じクラブに所属していたこともあって前から存じ上げておりました。何回か見たことも有って、こうやってご紹介できるのも何かのご縁かなあ・・・・・と思っております。
同じはづきの発足当時からのメンバーはほとんどTOEI、またシクロランドナー使用、またijyuuin氏製作のエキエントリックレバー使用車が数台あります。思うに・・・・はづきに在籍していた時代は非常に良い環境だったのかなあ・・・・?と思っております。このこの車の取材は御前崎で行いました。この記事が何かのお役に立てましたら幸いです。ijyuuinさんの全面的なご協力に感謝し、この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂きまして有難うございました。

2007.3.27