1969  Rene' HERSE  Course  Route
この自転車を入手したのは10年ぐらい前です。当時有名なYコレクションの一部が放出されると聞き、名古屋に検分に行きました。100台近くあったFor Saleの中でひときわ光っていたのがこの車です。当時、NCのスペシャルメイドTの中のリリー・エルスのクルスルートを見て、エルスのレーサーに強く惹かれていました。それもワイヤー内蔵、ストレートエンドの趣味的要素を残したレーサーにです。この車はまさにそういう仕様でした。

 当時のコンディションは、かなり使い込まれた状態で、全部ばらしてオーバーホールし、塗装はあちこち自分で調色したメタリックブルーでタッチアップし、アルミパーツも自分でバフ研磨しました。パーツはフランス製が多く組み込まれていましたが、私があこがれていた「エルスのギアクランクとステム、ワイマンのブレーキ以外はオールカンパ」の仕様に組みなおしました。

 さて乗ってみると、異様なほど「気持ち良い」と感じました。エルスにしては極めてまれな、コロンブスで組まれたフレームは剛性がありながらしっとりした乗り味で、これには当時オーダーメイドで手に入ったデュガストのタイヤも大きく貢献していたと思います。カンパのチェンジと、直付けワイマンのブレーキの作動もsweetでした。それに子供の頃からの夢であった「ルネルス」に現実に乗っているという高揚感が加わって、「とにかく気持ちいい」という印象が構成されたと思います。

 あまりに気に入ったので、その後1年間はほとんどこの自転車にしか乗らなかったほどです。今ではさすがにこれしか乗らないということはありませんが、私の一番のお気に入りで、たった1台だけしか自転車を持てなくなったらこれにすると決めています。またこの自転車で、「クラシックレーサーで現代のロードレースを走る」ことに挑戦しました。シマノ鈴鹿ロード2回と鈴鹿エンデューロを走り、とくに鈴鹿エンデューロでは4時間ソロクラスを平均30km/h超で走りきれました。ロングライドはこの自転車の得意とするところで、琵琶湖一周とか大阪−潮岬など1日200kmを越えるコースだとこの自転車を選ぶことが多いです。

UGの兄♭♭♭氏の絵に描いた様なフランスタイプ・クールス・ルートの1969 Rene'HERSE。カラーはライトブルーメタリック。

SPECIAL THANKS: UGの兄♭♭♭さん

チェーンホイール。

クランクは有名なRene'HERSE オリジナル。長さは170mm。リングもオリジナルで歯数は50×40。

このデザインですが、美しいですよね。不思議なことにツーリングモデルやレーサーにも良く似合うデザインです。

FメカはCampagnolo Record。当然の事ながらアウター受けつき初期型です。

リヤメカ付近。

良く見ると、エンドはストレートで車種はカタログで言う所の"LONGCHAMP"のようです。(?)完成当時は多分、ガード付だった・・・・のではないかと思います。

Rene'HERSEのプロ用本格的レーサーモデルの"MIRANO-SAN-REMO"や"PARIS-ROUBAIX"ではロードエンドになっています。

リヤメカは当初はフランス部品がついてたようですが、Campagnolo Nouvo Recordに交換。刻印は最初期の"PATENT"。後から製造年が入るようになりました。極めて貴重なモデルです。


リヤブレーキアーチ付近。

リヤブレーキアーチはRene'HERSE氏のお気に入りだったWEINMANN。モデルは610 VAINQUEUR999。この製品は私も使った事があります。

カタログを良く見るとRene'HERSE氏はレーサーに関してはUniversal、Campagnolo、 MAFACなどまんべんなく使用していました。


ブレーキ台座は直付けになっています。カタログではアマチュアモデルは直付けですが、プロ用は直付けしていません。

ハンドルバー付近。

ウ〜〜〜〜ン、美しいですね。
ハンドルバーはお馴染みPHILIPPE Professional。
ステムはRene'HERSE Original 100mm。

ブレーキレバーは Weinmann ♯162(with Herse adjuster)
バーテープはVerox、シェラックニス仕上げになっています。


ハンドルバーについている物は走ったコースや距離、スピードなどを衛星で追尾し、そのデータを受信し、表示する為のものです。

■GARMIN社製Foretrex101

ハブ。

ハブはCampagnolo Nouvo TIPO 36H。
クイックはハブに付属のCampagnoloのものです。

メッキの前フォークが美しいですね。
スポークはDT 1.8〜1.6mmのステンレスバテッド。

美しいヘッド付近。

フレームチューブはRene'HERSEにしては珍しいColumbus、ラグはオリジナル、ヘッド小物はCampagnolo Record Strada。

WレバーはSimplex Criterium。
(alminum alloy)
以前
のチェンジはどうやらSimplexだったようです。

クラウンの真ん中のヒゲが長くなっています。
ステムが磨かれてピカピカなのが印象的でした。

ボトル。

ボトルはTA、デザインは,'80年代あたりのRENAULT elfですね。イノーあたりが使った記憶があります。

ケ−ジはやはりTAのSteel製のもの。

写真では分かりづらいですが、金線が施してあり、Rene'HERSEの文字も丁寧にレストアしてありました。

サドル。

サドルは非常にコンディションの良いBROOKS Professional。(modified by Herse)大銅鋲のものです。

ピラーはCampagnolo Record。昔の2本締めのものです。
ピラーの出もこのあたりが美しいですよね。

シートステーは2本巻きです。レーサーの本場、イタリアでは2本巻きシートステーは当然の事ながら存在しません。(笑)

ペダル。

ぺダルはやはりこれ、Campagnolo Recprd Strada(with loop)
どうでしょうね?思うに一番信頼性のあるペダルだと思います。環付きのものは今では非常に入手困難です。

クリップはCHRISTOPHE (old logo)
ストラップはAlfred BINDA(white)

ハンドルバーを上から。

前出のGARMIN社製 Foretrex101の取り付け具合が良く分かります。本来はランナーのトレーニング用だそうで腕時計のように取り付けて使用します。これは自転車用アタッチメントでハンドルバーに取り付けています。

本来レーサーにはベルは付かないですが、この車にはSON-NETあたりが付いているようです。

タイヤはVeloflex Criterium。良くは知らないのですが、なかなか良いタイヤのようです。

リム。反射して申し訳ありません。Super Champion Record du Mondo 36H。322g。かなり軽いリムです。最軽量のMEDALLE D'OL 272gの次に軽いリム・・・・です。

No34

フレーム Tube:Colombus,Lug: Rene' Herse Original,
Forkend: Rene'Herse,
Size: 575mm,Top:560mm
タイヤ Veloflex Criterium
リム Super Champion Record du Mondo 36H
スポーク DT 1.8-1.6
ヘッド小物 Campagnolo Record Strada ハブ Campagnolo Nuovo Tipo LF 36H
ハンガー小物 Stronglight QRシャフト Campagnolo Nuovo Tipo
Wレバー Simplex Criterium(alminum alloy) ハンドルバー PHILIPPE Professional
Fメカ Campagnolo Record(with wire receiver) ステム Rene'Herse Original 100mm
Rメカ Campagnolo Nuovo Record("PATENT") バーテープ Velox( shellack over white)
クランク Rene'Herse 170mm ブレーキアーチ WEINMANN 610
チェンリング Rene'Herse 50-40T ブレーキレバー WEINMANN ♯162(with Herse adjuster)
チェーン Sedis Sport(silver) サドル BROOKS Professional (modified by Herse)
ぺダル Campagnolo Record Strada(with loop) ピラー Campagnolo Record 26.6mm
クリップ Christophe(old logo) ボトル TA
ストラップ Alfred BINDA(white) ボトルケージ TA
フリー REGINA Extra 6s 13-23T ポンプ SILCA Impero

1969  Rene' HERSE  Course  Route  仕様表

編集後記

クラシック名車アルバムとしましては2台目のRene'HERSEです。今では貴重な車になってしまってマニアックな専門店や博物館くらいしかお目にかかれません。ところがところが、この車は実際に現役で走っています。それどころか200kmオーバーも平気で1日に走り切ってしまうというから驚きです。現役のRene'HERSEとしてはもちろん、走行距離も今日本に存在しているRene'HERSEの中ではずば抜けて走っている、多分走行日本一のRene'HERSEだと思います。

モデルとしては多分、アマチュアモデルの"LONGCHAMP"だと思われますが、部品は変えられているもののカタログの雰囲気は良く残っていると思います。この車の完成した'69年はCampagnoloがレコードブレーキアーチを販売した年で、この年はEddy Merckxがこのブレーキアーチを使用してTour de Franceに初優勝しています。この年を境にロードレーサ−はCampagnolo Recprd コンポーネントアッセンブル一辺倒になってしまい、どの車もほとんど同じ・・・・になってしまいました。この車はその前のまだ味のある貴重な時代のアッセンブルの車になっています。今回の取材でUGの兄♭♭♭さんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。また最後まで見て頂いて有難うございました。

2008.3.20