1966 TOEI Cyclo Randonneur                             Restoration :2012

タイヤはGrand Bois "Hetre" 650×42B カラーバリエーションはいくつかあります。これはスキンサイド赤トレッドカラー。

1966  TOEI  Cyclo  Randonneur  部品仕様表

リム。 リムはSuper Champion650B 穴なしリムにF32H、 R40Hに穴開けしたもの。写真は後リムです。

今から約56年前の半世紀以上も前に完成したマシンで、最初のオーナーは元TOEI職人で現Watanabeのフレームビルダー、渡辺氏です。当初は4サイドCAMPING車として完成、1966年NC誌に「私の愛車」として掲載されたそうです。それでは現オーナー、山口氏のコメントです。

プログレスの三島氏にサイズがピッタリだからレストアしてみたら?と声がかかり、レストアをお願いしました。レストア前はフレームと渡辺氏自作のFロッド式チェンジとルネパターン自作ギヤ板3枚のみでした。後は手持ちのパーツで組み立ててもらいました。このフレームは三島氏がセオサイクル店長の時に渡辺氏から譲り受けたフレームで30数年ぶりに蘇りました。当時TOEI社は本当に忙しくほとんど乗っていないらしくギヤ板も新品でした。1966年のニューサイに私の自転車に載ったフレームです。

まずTOEI社にFロッド式チェンジの再メッキとフロントフォークキャンピングキャリアダボを取ってもらい、50周年記念のグリーン色を再塗装してもらいました。待つこと1年、昨年末(2011年)にフレームが完成となり、今年3月三島氏に組み付けてもらいました。TOEI社の皆様、三島様有難うございました。

■Special Thanks: 山口さん

レストア前の状態。TOEI社にて。

Photo:地黒団子奈さん
当時のTOEI社の工房は荒川区町屋にあって'76年頃浦和の新工房に移転します。'68年頃発行のTOEI社カタログには町屋時代の工房が載っています。

写真は今の川口工房にレストア依頼の時に持って行った時の写真です。'66年製という事でプレスエンド、F.Noは2033、まだ4桁時代の貴重なフレームです。

ヘッド付近の拡大写真。

フレームサイズは520mmということで大きくないサイズですので無理をせず、ラグレスとしています。TOEIのフィレットフレームの美しさは定評のある所です。

レバー台座はCyclo Randonneur用エキセントリックレバー用、ブレーキワイヤーは内蔵ではなくてベアシステム、またダイナモコード内蔵はダウンチューブ先端までになっています。

■レストア後の各部写真

チェーンホイール。

クランクはStronglight49D 165mm。
チェーンリングは杉野パターンレスから切り出したwatanabe氏自作のもので歯数は48×44×32。


リヤメカ。

リヤメカはCyclo Randonneur 5V。チェーンレスト装備の為にスライドシャフトは6V用に長い物に交換してあります。
フリーはSunTour "Winner S" 14×16×20×24×26 5speed。

チェーンはSEDISPORT。

サドルは・・・・IDEALE♯87。
ベースはエナメル塗装のようです。ピラーは直付け、でブレーキワイヤーが貫通しています。

ピラーの出具合はマシンのシルエットに大いに関係します。
このあたりが美しいですよね。

Fメカ。

スイングアーム式のロッド式メカです。レバー先端の丸いのはなんとパチンコ玉だそうで初めて知りました。
1ケ1ケワンオフの手作りで現物合わせで製作されます。動きは大変スムーズですよね。

ステアリング。

ハンドルバーはALPS平行マースバー。幅は400mm。
このタイプの平行バーは一時期流行しました。

ブレーキレバーはWeinmann ♯161QR。
ステムは・・・・昔、日東で発売されたRene' HERSEタイプで長さは70mm。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはいや、懐かしいですね。MAFAC Driverです。
Criteriumの方が新しい?と思うのですが、カンティーレバーブレーキとして日本に輸入された物としては一番古いものだと思います。

シューはCool stop赤色シューに交換されています。
ガードはフランス・キャ二オン650B。黒線ラインが入っていておしゃれですよね。
タイヤはGrand Bois 650×42B "Hetre"。今は本当に650Bサイズのタイヤが入手困難な時代ですが、Grand Boisさんのお陰で各サイズが入手できます。大変有り難いです。

ハブ。

ハブですが、イギリスGBがドイツの名品、アルテンバーガーに作らせたOEM製品です。
写真は前ハブ32Hですが、後ろは40Hになっています。

美しいヘッド付近。

フレームチューブはReynolds531、ヘッド小物はTange RB661、ステムはNITTO Rene'HERSE タイプ70mmです。

フォーククラウンは当時はスポーツ車用のがなくて実用車のそれを加工して採用してあるそうです。フレームカラーは50周年記念特別色のグリーンになっています。

バッテリーランプ。

バッテリーランプは定評があるキムラ製作所製のアルミ削り出しの逸品。バルブはLEDでとても明るいです。

右側のランプはSoubitezのいわゆるピン球です。

ボトル。

ボトルはTOMでしか買えないTOMオリジナル。小生もいくつか所有しています。
ケージはTOEIオリジナル。元になった製品はTAの旧型ケージでTAオリジナルの物は数は今非常に少ないと思います。

ペダル。

ペダルはLyotard♯23。クリップはAFA、ストラップはこれまたTOMでしか買えないTOMオリジナル。各色あってこれは紺色でしょうか???

ダイナモ

ダイナモはCIBIE J8。当然の事ながら・・・・キチンとリムドライブになっています。このあたりはさすがTOEIですよね。

テールランプ。

テールランプはJOS FCM。ちょっと見は良く分かりませんが、ガードのRにピッタリ合うようにパッキンが入っているそうです。

フレーム size: 520mm  tube: Reynolds531
ヘッド小物 tange RB661
ハンガー小物 Stronglight
Rコントロールレバー Original hand-made
Fメカ TOEI Original hand-made
Rメカ Cyclo Randonneur 5V
クランク Stronglight 49D 165mm
チェーンリング SIGINO Pro-dynamic  Type Rene'HERSE 48×44×32
チェーン SEDISORT
ペダル Lyotard ♯23
クリップ AFA
ストラップ TOEI Original
ガード Cagnion 650B
タイヤ Grand bois "Hertre" 650×42B
リム Super Champion 650B
スポーク Stainless ♯15
ハブ GB made by Altenburger OEM LF  32H×40H
フリー Suntour Winner S  14×16×20×24×26 5speed
サドル IDEALE♯87
ブレーキアーチ MAFAC Driver
ブレーキレバー Weinmann ♯161 with QR
ハンドルバー ALPS 400mm
ステム NITTO type Rene'HERSE 70mm
バーテープ Cotton
ベル VIVA WORLD CHAMPION TIGER BELL
ダイナモ CIBIE J8
ヘッドランプ Soubitez type Golfball
テールランプ JOS FCM
ボトル TOEI Original
ボトルケージ TOEI Original
ポンプ AD-HOC Ventolux

■編集後記

このフレームはプログレスの三島氏のお店に長い事吊るされていて、フレーム、Fメカ、チェーンリングだけだったそうです。で三島氏から山口氏にサイズがピッタリだからレストアしてみない?と声がかかったそうです。レストアが決定してから他の部品も揃えて行ってこの3月に1年振りにレストア完了となりました。今から56年前の、しかも30数年はひっそりと眠ったままになっていた、元TOEI職人だった現WATANABE代表、渡辺氏のTOEI CAMPINGフレームですが、30数年ぶりにレストアされて再び完成車になって今は山口氏の所有となっています。現物は2012年6月に豊中市のシクロジャンブルで初めて拝見させて頂きました。今はもう・・・・・このような'66年製のそれこそオーダー黄金期の素晴らしいマシンを見られるのは極めて稀で、早速取材を申し込んでしまいました。最初は4サイドCAMPING車で当時は全盛で、日本一周や長期ツーリングではさかんに使用されていました。マスプロメーカーも競って作っていてDC-15や SC-15、富士グランドキャンピング、スワローキャンピング・・・・・NC誌にこのマシンのCAMPING車の時の写真が載っていて小生拝見したことがあります。憧れていていつかはオーダーでCAMPING車をオーダーしようと考えていました。今回このマシンの取材でオーナーの山口氏には全面的にお世話になりました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。

2012.8.6

No74