No75     その1 レストア編

2012.9.9

某オークションに載っていた写真。

港町・minatocycloさんはこの写真からRene'HERSE型カンティーブレーキではないかと気が着き、落札したそうです。

その眼力の鋭さにはただただ脱帽するほかはありません。入手は2011年9月でした。

1957  ALPS  CLUBMAN  ACE

■早速分解してレストアに入ります。(2011年9月〜)

オ−クションで落札して入手した時の錆や腐食も有ってレストアは相当厳しい・・・・・・と予想されるに充分な凄い状態のALPS CLUBMAN ACE。

小生はレストアは本当に門外漢でやった経験はまあ小さな部品程度です。自転車全体の、それも時代考証をして塗り替えやらメッキのやり直し、マークやシール、ヘッドバッジの複製やら要する本格的なレストの出来る人はいや、凄いと思っています。これは余談ですが、小生は学生の頃から憧れていたTOEI フルオーダー車に今後も乗って行こうと考えています。今回のALPS CLUBMAN ACEはなんと1957年製、フレームはもちろんTOEI製で町屋工房の前のまだ上野工房の頃の初期のフレームです。オーナーの港町・minatocycloさんの素晴らしいレストア技術で見事に完成当時の姿に蘇りました。このファイルは今後のレストアを目指す方の良い資料になるのでは?と考えています。それではオーナーのコメントです。

ある日の事、パソコンで某オークションを見ているとピンボケ写真のアルプスが出品されていました。「これは相当古いな〜、あっ!!、ひょっとすると東叡製ルネ型カンティでは???」自転車自体の状況は写真でも最悪に近い感じです。自転車趣味駆け出しの中学生の頃神田アルプスで初めて見たルネ型カンティ、今でも強烈な印象を受けたのをはっきり覚えています。以来マボロシのこのカンティです。心眼でこれに違いないと確信を持ちました。ここで入手しなければ・・・何が何でも欲しい・・・晴れて私の手元にやって来ました。

予想通りのルネ型カンティでした。ブレーキだけでも生きれば、と思っていましたが程度は悪いが、さすがアルプス・・・鯛です。リンとしています。何とか走行できるようにしてやりたい(できるのでは)と思うのに時間は掛かりませんでした。
1957年7月製造と教えて頂きました。予想通り簡単にはいきませんでした。フレームのチェンステイは腐食が大きく、構成部品もサビが深く、当時の国産部品も入手は困難です。出来る限り自分で作業や工作をしました。素人レストアの域を出ませんがほぼ満足できる状態にできたと思っています。また進めるにあたって多くの同好の方々よりアドバイスを頂きました。これらの援助無しではとうてい完成できませんでした。

■Special Thanks :港町minatocycloさん

フレームNoは177番。
東叡社は'55年創業でまだ2年という事で3桁のフレーム番号です。
ちなみに・・・・このフレームは'57年7月製造のものだそうです。
(2012年3月)

■フレーム塗り替え依頼 2012年3月

マシンは分解してフレームだけにして芯出し、必要に応じて修正、再塗装に出すことにしました。チェーンステーがちょっと腐食していたので交換を細山製作所に依頼。塗装はお馴染み大阪・上村塗装さんです。

チェーンホイールを外した所。
チェーンホイールは関東ギヤ製「エースギヤ」46T。クランクは再メッキすることにしましたが、勘合部にメッキ液が入らないようにしないといけない為、苦労したそうです。板の方は磨いて使用することにしました。
(2011年11月)

'56年製スターメイアーチャーの内装ハブは分解して整備しました。

いや、この辺は素人の域を脱していますよね。かなり苦労されたみたいですが、うまくいったようです。(2012年1月)

東叡社 540型T式カンティーブレーキ。

東叡社が町山製作所に依頼したものだそうです。
そう、このカンティブレーキは'54年鳥山新一先生が日本に初輸入したRene'HERSEについてたものを原型としていると思われます。
舟は今と違ってスティール製で本体はアルミ鋳物製だそうです。
(2011年10月)


※なお現在でもTOEI社ではこのタイプのオリジナルブレーキのオーダーを受付けています。(デュラルミン製、完成オーダー車に装備)前にご紹介しましたが、1つ1つ丁寧な手作りの逸品で装備しているマシンはあまり見かけないですね。

再メッキに出す予定の小物部品。
さあ、どんな仕上がりになってくるのか・・・・・???

(2012年1月)

ブレーキレバー。
左2つは東京ブレーキ製、右はMAFAC。今回は・・・・・
一番左の東京ブレーキ製オリジナルを磨いて使用することにしました。

(2011年11月)

ペダルは三ケ島製両面踏みラットトラップ。
奇跡的に同じ物の新品を入手出来ました。(2011年11月)

ステムは1番左がオリジナル。
今回は・・・・真ん中のメーカー不明の後から入手したものを使用することにしました。右は日東ハイパーですよね。(2011年11月)

内装チェンジトリガーの分解整備。

このように分解して整備しました。・・・・・後から同じ部品の後期新品を入手出来たそうです。実際に取りつけたのはこちらのオリジナルの古い物だったそうです。(2012年1月)

■フレーム塗り替え完成 2012年4月25日

2012年4月25日、チェーンステー交換、芯出し、塗り替えを依頼していたフレームが上がって来ました。ちゃんとALPSロゴ入りです。

■チェーンステー交換、芯出し: 細山製作所
■塗装: 大阪 上村塗装工業所

メッキに出していたクランクが上がって来ました。
いや、素晴らしいです。歯数は46T、クランク長さは165mm。
(2012年3月)

小物各部品もメッキが上がって来ました。
各部品は新品のような輝きです。(2012年3月)

三光舎3号前ハブとスターメイア−チャー4速内装ハブ。

整備して組み立てました。(2012年4月)

タイヤは26×1・1/4という、サイクリング草創期に多く見られたイギリスのサイズ。今ではフランスサイズが主流ですが・・・・それでもebayで見つけて購入しました。見つかって良かったですね〜〜〜〜!!(2011年11月)

リムは無垢のアラヤ26×1・1/4で前32H後40Hなのですが、オリジナルの物を使用。磨きに磨いてこのようになりました。(2011年11月)

ハンドル部組み立て完成。
ステムはメーカー不明突き出し65mmのもの、バーは・・・メーカー不明の幅410mmの物を使用、当初の町山製作所製のドロップバーは保管部品としました。(2012年3月)

ブレーキの組み立て。

メッキが上がってきた部品を元に組み立てます。
シューもいくつか試して今回は実用車ロッド式ブレーキシューを使用してみました。(2012年4月)

凄く手を焼いたのが・・・・・ヘッドランプ。
三共製作所製で交換したいのは山々ですが・・・・・小振りの形状や庇、名前の入ったオリジナルレンズが気に入っていてなんとか修復して・・・・・・・???
どうやって・・・・・・・???(2012年7月)

レストア中のヘッドランプ。
表面を丁寧に均して行って凹みの箇所はパテなどで埋めて
滑らかにします。いやはや、見ていてタイヘンそう・・・・・です。

(2012年7月)

仕上げは・・・・・今、このような便利なモノがあるのですね。
メッキのような仕上げになるスプレーで仕上げました。
前から見た所ですが・・・・・・???いや、新品にしか見えません。
(2012年7月)

■レストアが終了して組立て完成した 「1957 ALPS CLUBMAN ACE」は次へをクリックして下さい。

ホイールの組み立て

リムはそのまま使用してホイールを組み立てました。

(2012年5月)

※港町・minatocycloさんはホイール組み立て技術をお持ちでご自分で組立てされました。