No75    レストア完了編

2012.9.14

1957  ALPS  CLUBMAN  ACE

今から約半世紀前の、スポーツサイクルアルプスがまだ「萩原商店」だった頃の高級サイクリング車をラッキーな事に見つけてコツコツレストアして当時の新車状態にまでレストアして現代に蘇らせる・・・・・というのは考えただけでも面白く壮大なストーリーだと思います。もしタイムマシンと言うものがあったらそう、この時期、昭和32年(1957)あたりの東京に行けたら凄く面白いかなあ・・・と思います。東叡社はまだ上野にあってスポーツサイクルアルプスはまだ「萩原商店」で自転車はコッタードが幅を利かせていました。海外部品の輸入が始まる前でフランス部品はもう少し後(1964〜)から輸入が始まります。・・・・そういうサイクリング車の黎明期の、しかも東叡社が創立してまだ2年目のこの時期の今では見る事がほとんど出来ない貴重な自転車だと考えています。日本自転車歴史文化史から見ても貴重な資料となる一台ではないでしょうか?スポーツサイクルアルプスの先代社長の萩原慎一氏がまだ若かりし頃に組まれた1台ではないかと考えると感慨深いものがあります。お店が閉店して久しいですが、いや、惜しいです。今回の取材に際し、オーナーの港町・minatocycloさんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

■編集後記

1957  ALPS  CLUBMAN ACE 仕様表

■完成した1957 ALPS CLUBMAN ACEの各部写真

■完成試乗 2012年 7月8日

レストアは2012年7月8日に終了、完成しました。 落札した時の状態を考えると見違えるほどです。

某オークションで入手したのは2011年9月でそれ以降レストアに励んでようやく完成試乗するという、晴れの日を迎えるに至りました。この時の港町・minatocycloさんの心内やいかに?という所ですが、長期に渡ってコツコツレストアして時代考証やらいろいろご苦労されてその苦労が今ここに報われてやっと完成試乗の時を迎えて、レストアラーの面目躍如!!といった所でしょうか? いや、素晴らしいです。

チェーンホイール。

関東ギヤ製。 当時の一般的なクランクでコッタード、コッターレスはまだ普及していませんでした。長さは165mm

ギヤは軽合3/32 で46T。
チェーンは手持ちの報国チェーン3/32。

Rチェンジ。

当時は外装チェンジはまだ高級品で内装チェンジも多数見られました。当時にあって有名なイギリス・スターメーアーチャーの4speed チェンジ内装ハブ。チェンジの操作はハンドル部のトリガーで操作します。

ペダル。

三ケ島製軽合両面踏みラットトラップ。
レストアのところでご紹介しましたが、同じ製品を奇跡的に入手出来ました。

サドル。

入手に苦労した藤田BELT。当時の一般的な革サドルでした。
ピラーはオリジナルは非常に錆びていて鉄製の25.5mm(?)で 手持ちのアルミ製のものを削って使用しました。

ハンドル部。ハンドルバーはメーカー不明410mmのもの。ステムも不明で長さは65mm。
ブレーキレバーは東京ブレ−キ製。ベルとトリガーの取り付け位置はオリジナルの通りとしています。

前ハブ。

フランジ部分は軽合、バレルはスティールのいわゆる継ぎハブになっている三光舎3号ハブ。レストアの所では出ていませんが、フランジ、バレル部を外して分解して整備してあります。
ルーカス距離積算計は当時の車輪1回転毎に歯車を廻す懐かしいタイプ。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチは東叡社が町山製作所に製作依頼したという東叡社 540型T式カンティーブレーキ。ご覧の様に往年の、かつての姿が現代に蘇りました。このブレーキアーチ一だけ取ってもこのマシンの素晴らしさがお分かり頂ける思います。


シートチューブの裏に張ってある海野D2×D2のマークも再現しています。オリジナルはシールだったそうです。

ヘッド部分。

チューブは当時としては最高級と思われる海野D2×D2クロモリDB管。
このチューブは当時の高級車の材料だったと記憶しています。ラグレスでヘッド小物は国産マイクロアジャスト。

蘇った日本サイクリング協会推薦車のバッジとクラブマンエースのロゴ。

シートチューブのバッジは当時のJCA推薦車のマーク。
TOPの最初の引き取った状態でクラブマンエースのロゴが確認出来たそうです。レストアに当たってはもちろん当時のままでオリジナル通りにレストアしてあります。

引き取った時のクラブマンエースのロゴ。
なお塗装はオリジナルは艶消し黒ですが、塗り替えは艶有り黒で行なったそうです。

レストア完了した三共製のヘッドランプ。あの錆び錆びの状態からは
想像も出来ない素晴らしい仕上がりだと思います。

ガードは高橋泥除け製作所製。イギリス式で松葉ステータイプです。ダルマは腐食していたので数個自作。
リフレクターはCAYEYE。当時はボディーは鉄製だったそうです。ALPSの反射シールですが、何種類かあるそうです。このシールは大阪の名人の手になるものだそうです。

フレーム tube: UNNO D2×D2 Cr-mo    size:535mm  top:535mm
ヘッド小物 un known  micro adjust steel
ハンガー小物 "KANTO GIYA" ? Single Cottered
コントロールレバー Sturmey Archer
Rチェンジ Sturmey Archer  4speed   
チェーンホイール "KANTO GIYA" 165mm  46T
ペダル MIKASHIMA
ガード TAKAHASHI  for 26' ×1・1/4
タイヤ "CHENG SHIN"  26' ×1・1/4
リム ARAYA  26' ×1・1/4
スポーク Stainless ♯15
ハブ F: SANKOSHA ♯3  32H R: Sturmey Archer 4speed   18T  40H
サドル FUJITA  BELT
ピラー un known
ブレーキアーチ TOEI  Original
ブレーキレバー TOKYO  Brake
ハンドルバー un known 410mm
ステム un known  65mm
バーテープ FUJITA cotton
ベル KITAGAWA Bell
ダイナモ SANKYO  6V6W
ヘッドランプ SANKYO  6V6W
リフレクター CAT-EYE
ポンプ MATEX 16'