195?  Rene' HERSE 700C Randonneuse

このクラシック名車アルバムでは初のRene'HERSEになります。
日本に最初に入ってきたRene'HERSEは昭和29年、鳥山氏の650B CYCLO TOURISTEだった・・・・と記憶しています。ラグレスで非常にサイズの大きな車でした。NC誌の前身の「サイクル」104号に載っています。それまでの日本はいわゆるイギリスのClubmodel・クラブモデル一辺倒で、27×1・1/4の細目のタイヤを履いてサドルバッグ装備、しかし、いざとなればガード、バッグなども外してチューブラーホイールに履き替え、タイムトライアルなどにも使用出来る汎用性の高い車でした。

そこへ前出のR・HERSEが入ってくると事情は一変、サイクリング車のスタイルはフランスタイプが主流になりました。'50年代は他にもGoeland、Alex SINGER、Jo Routens・・・・他沢山のアルティザンがありましたが、ポリーなどの成績ではRene'HERSEが群を抜いていました。また、デザイン、センス、完成度も傑出していて、瞬く間に日本のメーカーにそのデザインが取り入れられて行きました。 
今、日本には3桁のR・HERSEが存在すると思われますが、'50年代、オリジナルペイント、非常に保存状態が良い車は希少です。大多数は製作年が古い車は状態が悪く要塗り替え、またレストアされていて、状態の良い車は比較的製作年の新しい車が多いです。今回、ご紹介するこの車は'56〜'57年製、(つまりR・HERSE本人作)オリジナルペイントが残り、なおかつオリジナル部品アッセンブルが多数残っていて(何点か部品交換)保存状態の非常に良い希少な車になっています。
車の所有者はkoizumi氏ですが(入手は2002年6月だったそうです)、氏曰く「TOEIとの比較の為所有している」とのことで、1番のお気に入りはやはりなんといってもTOEIでゆめゆめ誤解のなきように・・・・・・・とのことでした。それでは非常に希少価値の高い'50年代のRene'HERSEをお楽しみ下さい。

SPECIAL THANKS: KOIZUMI NAOTO氏

'56〜'57年頃のオリジナル状態に非常に近い素晴らしいRene'HERSE 700C Randonneuse。フレームカラーは黒。

チェーンホイール。

勿論、R・HERSEオリジナル。この時代はWが普通だったようで、カタログの車もWになっています。

Fチェンジはスイングアームのオリジナルロッド式。

チェンジ。

この当時はCYCLO Randonneurが定番でした。いくつか種類があり、最初はガイドなし軽量モデル5Sタイプがついていたそうで、軽合ガイド付、軽合アーム、5Sのものに交換、1番ポピュラーなタイプですね。ゆくゆくは元に戻すそうです。

フリーはCYCLO 4SからCYCLO64の5Sに交換、結構クロスレシオになっています。
チェンはブラントン。


ハブ。

やはり定番のMaxi-Car 36H。
飾り穴のないノーホール・3ピースの初期の物('50年代)でウィングナット式。

ウィングナットはBell。

オリジナルペイントのRene'HERSEのロゴ。

いや、これ貴重なんです。本人が最後に自分で書き入れるという話は有名ですよね。オリジナルの物は今の日本には数がそんなにないと思います。

緑、赤の線引きも薄らと残っています。
ポンプはZefal Solibloc。

サドル。

サドルはBrooks B-17 Narrow。
よく見ると・・・・加工してあるのが分かります。形状がオリジナルとは違っています。

ハンドルバー付近。

ハンドルバーはAVA。ステムはオリジナル。
コットンテープのシェラック・ニス塗りが美しいですね。
MAFACのレバーは裏側が全部開いている'50年代のもの。

ヘッド小物はStronglightP3。

ブレーキ。

ブレーキはオリジナルカンティ。R・HERSEは船もオリジナルで作っています。私はてっきりMAFACの流用か何かかなあ?と思っていました。

ちなみにTOEIオリジナルカンティのモデルです。


ヘッドライト。

入手当時欠品だったそうです。でやはりこれ、'50年代の名品、JOS431Cを装着。カタログを見る限り、キャリアから枝を伸ばして直付けするのは'60年代からで'50年代はガードにつけるのが普通でした。


ガードは最初もっと太い物がついていたそうです。タイヤはHutchinson30Cからミシュラン28Cに交換、リムはMAVIC700Cからメフィスト700Cに交換。

リム。

最初はMAVICカマボコ700Cだったそうで、メフィストリムに交換。1人の職人がコツコツ作っていたそうです。

ちょっと柔らかく強度に難ありと言われていますが・・・・?
実際のところどうなんでしょう?

テールランプ&リフレクター

これまた'50年代の名品、ヘッドランプとペアのJOS-FCM。

フレーム チューブ:un known
ラグ:R・HERSEオリジナル
サイズ:560mm
ペダル un known
クリップ AFA
ストラップ ブランカーレ 緑
Wレバー Cyclo ハンドルバー AVA
Fメカ Rene'HERSE ロッド式 ステム Rene'HERSE
Rメカ Cyclo Randonneur バーテープ コットン シェラック二ス仕上げ
クランク Rnne'HERSE ベル Rene'HERSE
リング Rnne'HERSE サドル Brooks B17 narrow
チェン ブラントン ピラー Rene'HERSE
フリー Cyclo64 5S ブレーキ Rene'HERSE
ガード un known ブレーキレバー MAFAC
タイヤ ミシュラン 700×28C ヘッドランプ JOS 431C
リム Mephisto 700C テールランプ JOS FCM
スポーク ステンレス♯15 ダイナモ JOS Type-S
ハブ Maxi-car +Bell wing nut ポンプ Zefal Solibroc

195?  Rene' HERSE Randonneuse 仕様表

参考資料など

今回のような'50年代のクラシックな車に興味のある方は是非買って読んで頂きたい本。

とにかく写真がきれいです。値段はちょっと張りますが、見て楽しい本に仕上がっています。

フランスタイプの1番優雅で気品のあった時代、つまりゴールデンエイジのハンドメイド工房の作品が多数載っています。


カバー写真は'52年製のRene'HERSE。

これはもうお馴染み、NC誌53号。

今日本で1番有名なRene'HERSEだと思われます。
ミヤタ自転車のnuma氏が’67年フランス滞在中にオーダーした650Bランドヌールのオーダー顛末記、写真など載っています。当時のお金で8万だったそうです。本がボロボロになるまで良く眺めたものでした。

現在は東京・U野氏所有になっています。

編集後記

さて、お陰さまでこのクラシック名車アルバムも15台を数え、好評を頂いております。今回は初のRene'HERSEを取材することが出来ました。今まで何台かのR・HERSEを見る機会がありましたが、「出来の良い」車は案外少なかった・・・・と記憶しています。
特に先代R・HERSE氏が'76年に亡くなってから片腕だったデュボア氏が継承したのですが、やはり先代の域には達していなかったのではないか・・・・と思っています。R・HERSEファンの中には先代の作品しか認めない・・・・という方も見えますね。

今回のこの車は先代R・HERSEの作品で状態が非常に良く、オリジナルペイント、特に線引きやロゴも残っていて部品もほぼ当時のオリジナルのままで、非常に歴史的価値のある車だと思います。このような車を間近で拝見させて頂いて大変良かった・・・・・と思っております。
所有者のKOIZUMI氏には今回大変お世話になりました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。

2006.7.28

No15