1946  Rene'HERSE  CAMPING     F No146

'40年代の長距離旅行車Rene'HERSE CAMPINGです。すでにかの国ではこのような先進的ツーリング車が作られていたとは・・・本当に驚きです。

最初にこの車の存在を知ったのは確か'07年夏の蚤の市あたりでした。まだフレームのみ、部品はダンボールに入れられていました。2〜3ケ月後くらいに行って見るとまだ完成していません。リムの手配がつかないようで組み立ては中断、ずーっとハンガーにかかったままでした。
ようやくリムが手に入り、ホイールがついてそれらしくなってきましたが・・・・ようやく完成車になったのはこの春でした。1度完成しても後から考証が入ってヘッドランプなどは交換になりました。最終的に完成したのはこの夏でした。なんと1年以上もかかってレストア組み立てがやっと完成、この車は凄く・・・・・凄く・・・・凄く・・・・・手がかかっています。この車の取材に当たり、オーナーのつっちーさんには大変御世話になりました。全面的にご協力して頂いてRene'HERSEにまつわる話も書いて頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。

SPECIAL THANKS:つっちーさん

チェーンホイール。

自転車の顔というべきチェーンホイールですが、クランクリング共にRene'HERSEオリジナル。
'40年代にあってこのような完成度の高い、デュラルミン製チェーンホイールがすでにフランスでは存在していました。歯数は48×30。

FメカはRene'HERSEオリジナル、Wワイヤーで操作されます。

チェーンはBrampton。

リヤメカ付近。

リヤメカはCyclo Randonneur 4V。解説にあった通り、上下プーリーにはグリスニップルが取り付けられている非常に珍しいもの。

フリーはMOYNE、14×17×19×22の4スピード。
ハブはCAR-MAXI、セミラージフランジ  36H×36H。

リムはMAVIC650B、36H、マークは旧タイプのものです。
ウィングナットは定番のBELL。




サドル。

サドルは当時のものでしょうか?
BROOKS B-17 CHAMPION Standard。

ピラーはRene'HERSE Original 26.0mm。

当時の車のブレーキはご覧のようにシートステーブリッジ前側につけられていました。

ペダル。

ペダルはLyotard ♯45 Dural。
クリップはPATURAUD。
ストラップもPATURAUD。

このあたりは定番だと思います。


特徴的なハンドル部分。

ハンドルバーはリーチの少ない当時のもの。
AVA Randonneur 405mm。

ステムはRene'HERSE Original 60mm。
バーテープはコットンのバーテープにシェラックニス仕上げ。
バーエンドはワインのコルクになっています。

ブレーキレバーはMAFACフッデッド、レバーの裏側はフルオープンの'50年代のものです。

ハブ。

ハブはこの当時の定番、CAR-MAXI、36H。
ラージフランジかなあ・・・・と思っていたらセミラージだそうです。

ウィングナットはこれまた定番のBELL。
スポークはROBELGEL Trois Etoiles♯14。

ブレーキアーチ。

ブレーキアーチはRene'HERSE Original "SPEEDY"。
当時にあって高精度直付が必要なカンティレバーブレーキになっています。

ちょっと写っていませんが、チドリ滑車は大戦前の大型のものになっています。写真で見てもお分かりのようにレストアでピカピカに仕上げられています。

美しいヘッド付近。

フレームチューブはReynolds531、ラグはRene'HERSE オリジナルですが、当時のデザインはこのようなものでした。見慣れているオリジナルラグとは違っています。

ヘッド小物はStronglightP3。昔の4つ穴のものです。

ステムはRene'HERSE Original60mm。通常のタイプではなく、フォークコラムに直接締めるタイプ。

この写真からチドリ滑車が大きいのが分かります。
バーエンドはワインのコルク。粋ですよね。(笑)

ハンガー部分を左から。

BBはRene'HERSE オリジナル、しかしながらより高精度のテーパーローラーベアリングのものになっています。

FメカはWワイヤーで操作、ご覧の通りのごく初期の物です。
ポンプはAD-HOC Professional 18"。

リム。

MAVIC 650B36H、ラベルは旧タイプのものです。
良く見つかりましたよね。

このリムが入手出来ずにフレームが長らくハンガーにかかったままでした。

ダイナモ。

これは初めて拝見した大型のダイナモです。
Soubitez♯27。

内蔵のコードですが、ヘッド部分は当時にあってすでにカーボンブラシになっています。

ヘッドランプ。

この優雅なヘッドランプは・・・
Radios♯16。当初Soubitez♯255がついていましたが・・・・考証の結果、やはりこれではないかという結論になりました。


テールランプ。

これはもうお馴染み、JOS FCMです。
他の車でも何回と無く拝見しています。

ガードに入った金線縁どりの黒ラインが凄くおしゃれですね。

フレーム Reynolds531 Original lug No:146
size:530mm top:535mm
スポーク ROBELGEL Trois Etoiles♯14
ハブ CAR-MAXI 36H
ヘッド小物 StronglightP3 フリー Moyne 14×17×19×22
ハンガー小物 Rene'HERSE Original ウィングナット BELL
Wレバー Cyclo サドル BROOKS B17 CHAMPION  Standard
Fメカ Rene'HERSE Original ピラー Rene'HERSE 26.0mm
Rメカ Cyclo Randonneur 4V ハンドルバー AVA Randonneur 405mm
クランク Rene'HERSE Original 165mm バーテープ Cotton
チェーンリング Rene'HERSE 48×30 ステム Rene'HERSE Original 60mm
チェーン Brampton ベル SON-NET
ペダル Lyotard ♯45 Dural ブレーキレバー MAFAC '50s
クリップ PATURAUD ブレーキアーチ Rene'HERSE "Speedy"
ストラップ PATURAUD ダイナモ Soubitez ♯27
ガード Lefol Paon 650B ヘッドランプ Radios ♯16
タイヤ MICHELIN 650×42B テールランプ JOS FCM
リム MAVIC 650B 36H ポンプ AD-HOC Professional 18"

1946 Rene'HERSE CAMPING 仕様表

編集後記

前回、つっちーさんには素晴らしいCampagnolo Cambio Corsa仕様の車を拝見させて頂いたのですが、今回も前回にも増して国内でもあまり見られない、貴重な博物館モデルの1946 Rene'HERSE CAMPINGを拝見させて頂いてまた取材させて頂きました。'46年というと昭和21年になりますが、当時の日本は敗戦によって物資はなく、自転車なんて金持ちしか買えない高級品でした。その自転車もいわゆる実用車で氷運搬車然とした重い、単に荷物を運ぶだけの移動の手段でした。こういう時期にかの国ではデュラルミンを用いて8スピードチェンジ装備の長距離旅行用車がすでに存在していた・・・・というのは非常な驚きです。日本では軽合部品を用いたサイクリング車はこれのずっと後にやっと登場しました。私の最初の車(’69年)はまだ鉄のリム、コッタードクランクでした。今回、オーナーのつっちーさんには全面的にご協力頂きました。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。最後まで見て頂いて有難うございました。

No39

2008.9.26